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日本では半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。一度セックスレス状態になると解消するのはなかなか難しいもの。しかし福岡県在住のゆうかさん(43歳、仮名)は、「結婚15年で、セックスレスの時期もあればそうでない時期もある」と話しており、去年の冬に第一子とは13歳年の差がある第二子を出産しています。
「13歳の年の差がある第二子を産んだって言うと『再婚ですか?』と聞かれることが多いんですけど、結婚は1回だけで夫は同じです」。
そう苦笑するゆうかさんは不動産会社で役員秘書を務める43歳。結婚前の20代は、東京の短大を出て大手自動車会社に就職し、地元・福岡に戻ってショールームスタッフとして働いていました。
「当時はまだ車のショールームで若い女性社員が受付や事務を担当することが、『職場の花』と捉えられるような文化が残っていました。自分で言うのも図々しいですが、元同僚たちを見る限りイベントコンパニオンのような顔採用があった気がします」。
合コンにも引っ張りだこだったというゆうかさんとその同僚たち。
「車の営業マンと社内恋愛をしたり、メジャーデビューもしているバンドマンと刺激的な恋をしたこともありますが、20代前半は『両親に紹介したい』と思える相手とは出会いませんでした」。
ゆうかさんの実家は地元で複数のガソリンスタンドを経営。都会ではありませんが、観光地としてそれなりの人流がある駅前に広い土地を持つ父親は「地元の名士」のような存在で、厳格なところがある人だったそう。
そんな父親に初めて紹介した恋人が、現在の夫でイタリアンシェフの巧さん(仮名)。イタリアの名店で修行した経験もある彼は、出会った当時は福岡県内のレストランで雇われシェフをしており、ゆうかさんより3歳年上の30歳でした。
「ワイン好きの父と話が合う彼は、実家でも歓迎されました。祖父母の代まで農家だったという共通点もありましたし、私との結婚を考えてより福利厚生の整った大手ホテルに転職したことも好印象だったようで、いつの間にか父のほうが『孫の顔が見たいな。いつ結婚する?』と聞いてくるようになりました」。
家族や友人に祝福されて28歳で結婚したゆうかさんは、翌年に第一子男児の海星くん(仮名)を出産します。
「子供は2人くらいほしいと思っていたんですけど、産まれた子がまだ1歳にならないときに私が子宮内膜症で急に手術することになってしまって」。
乳飲み子を抱えて入院することになったゆうかさんは、実家のサポートを得て順調に回復したものの、ホルモンバランスの変化もあってか鬱になったそう。
「不眠や不安に悩まされましたが、半年ほどで寛解。心療内科に定期的に通って、母乳への安全性を考慮した漢方薬をもらって飲んでいました。新婚当初は父が投資用に買っていたマンションで夫婦2人暮らしをしていましたが、ちょうど実家を鉄筋のビルに立て直す計画が持ち上がって、二世帯住宅に住むことになりました」。
巧さんは次男だったため、すんなり「マスオさん生活」に入ることができたそうです。
「実家は1階がテナント、2階が私達家族、3階が両親の家。子供の足音を気にすることもなくプライバシーが保たれて快適でした」。
巧さんは人懐っこいタイプで、義両親との仲も良好。
「もしかしたら人知れず我慢はしていたのかもしれませんが、私が見る限り自分からワインを持って父との晩酌を楽しんだりして陽気に過ごしていました。夫はマスオさんとノリスケさんを足して二で割ったみたいな人で、ちゃっかりしていて遠慮がなく年長者にかわいがられるタイプです」。
海星くんを出産してから保育園に入るまでは、覚えている限りほぼセックスレス状態だったというゆうかさん。
「まず子育てが忙しいですし、私は手術をしましたし。乳飲み子を育てている間は母と子は一心同体で、出血だの母乳だのお漏らしだの嘔吐だの…家庭には生々しい単語が飛び交いますよね。少なくとも我が家は『セックスしたい』と思える空気ではありませんでした」。
そんな雰囲気に変化が出たのは、ゆうかさんが年配の知人から「パートで秘書をやらないか」と提案された頃。
「その社長さんとはプライベートでも家族ぐるみの付き合いがあり、夫や父も交えて我が家の1階にテナントで入っているバーで飲むこともありました。私が『子供が幼稚園に入ったらパートをしたい』と相談したら、ご自身の会社に誘ってくださいました」。
子供を預けて働き始めたゆうかさんは、久しぶりに化粧をして髪の毛を整え、出勤する毎日に。セカンドOLとして活躍する妻に惚れ直したのか、それとも「もう体は大丈夫なんだな」と安心したのか、また性交渉が復活しました。
「その頃、断乳にも成功して、実家の母に息子を預けて夫婦で飲みに行くようになりました。やっぱりお化粧をしてデートをして非日常感を演出するって大事ですね。お酒で普段の生活や『今さら恥ずかしい』という気持ちを一旦忘れると、自然とスキンシップがとれていい雰囲気になりました」。
生理が重かったことや子宮内膜症にかかったことから、ゆうかさんは30代の間、婦人科でピルをもらって飲んでいたそう。
「2人目を考えることもありましたが、産後に入院して鬱になったトラウマもあって『跡継ぎ長男を産んだし一人だけでいいか』と思うようにもなっていました」。
30代半ばにも長期のセックスレス状態になったことはありました。
「一度は夫がヘルニアの手術をした後に立ち仕事がキツくなり、大手の外食企業に転職して調理スタッフの育成や仕入先の検討・決定などを行う管理職になった頃。職場の若い女性スタッフとの浮気を疑って、険悪になった時がありました」。
すれ違う生活を1年ほど送った後、ゆうかさんの父親が脳梗塞で急死。落ち込むゆうかさんを励ますために巧さんが計画したハワイ旅行でまた性交渉が復活します。
「浮気疑惑は本人いわく『若い子に頼られて車で送ったりしていたのは事実だし浮かれていた面はあるかもしれないから反省する。でも一線は超えていない』とのこと。本当かどうかは知りませんが一回だけは信じることにしました」。
アラフォーになってからは「お互い疲れやすくなってまた数ヶ月レスになって、たまに飲みに行くと思い出したように復活する」といったペースを繰り返しているといいます。
「田舎なので、元同級生やお互いの仕事仲間がいつものバーに集まるようなローカルなノリがあって。そんな場に夫婦で参加すると、若々しい気持ちになったり、相手が異性と接することに小さな嫉妬を覚えたり、刺激があっていいのかもしれません」。
第二子を妊娠したのもプレ更年期で「もう大丈夫だろう」とピルを飲むことを休んでいた42歳の頃。
「会社の社長が趣味でワインバーを始めて夫婦でお邪魔した日でした。しばらくレスだったのですが、社長が『ゆうかちゃんはおじさんたちにモテている』と私を持ち上げてくれたので夫の独占欲が刺激されたみたいです」。
13歳ぶりの出産は体力的にはキツかったようですが、過去の経験から万全なサポート体制を整えて挑むことができて、精神的には20代よりはるかに落ち着いていたそう。
「年頃の長男に、兄弟ができることを伝えた時は『うそやろ…』と絶句していました」。
それでもいざ妹が産まれてみたらメロメロで、率先しておむつも変えてくれているそうです。
「若者の『合コン』じゃないですけど、そういう夫婦で参加できる飲み会が定期的にあると、お互いに『外向きのいい顔』を見せるので新鮮な気分になるんじゃないかと思います。恋愛って元々、外向きの顔で始めるものですし、たまにそういうところを見せないと兄妹のようになってしまいそうで…」。
子供を2人授かりもうすぐ更年期を迎えるので、今後本格的なセックスレスになっても悩むことはなさそうだというゆうかさん。それでも「夫婦で飲みに行く」という習慣は一生続けたいと話していました。
※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。
取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA
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