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薄毛の悩みと聞くと男性をイメージしがちですが、女性も更年期にさしかかるとエストロゲンが急激に減り、抜け毛が増えていきます。市販の薬も数多く販売されていますが、より確実な効果を求めて医療機関での薄毛治療が気になっている人も多いのでは?今回は、ウォブクリニック中目黒・髙瀬聡子総院長に、女性の薄毛・抜け毛ケア事情や、クリニックでの治療のメリットを伺いました。
ウォブクリニック中目黒 総院長。皮膚科医・美容皮膚科医。日本美容皮膚科学会・日本皮膚科学会正会員。英国医学会(BSEM)会員。 ルボア認定メディカルフィトテラピスト資格取得。 東京慈恵会医科大学を卒業後、同大学付属病院で皮膚科勤務を経て、2007年美容皮膚科 クリニック「ウォブクリニック中目黒」を開院。シミ・肝斑治療をはじめ、育毛治療、ヒアルロン酸、ボトックス注射・メソセラピー・レーザー治療・ケミカルピーリングなど、メスを使わずに女性の美しさを引き出す、安全かつ効果的なアンチエイジング治療を提供。著書には『いちばんわかるスキンケアの教科書~健康な肌のための新常識~』(講談社)がある。
主に、下記4つの薄毛治療が一般的となっています。
メリットは、病院で治療することで、きちんとエビデンスがある治療を受けることができる点です。用いる薬剤も効果が実証されている成分なので、安心感があります。自己流ですと、自分に合わない方法をチョイスして無駄に散財してしまう危険性も。専門のクリニックを受診することで、症状が起こる原因を皮膚科専門医が見極め、一人ひとりに合った最適なオーダーメイド治療を受けることができます。
また、クリニックだからこそ出来る内的治療と外的治療を効率よく組み合わせることで、より効果的な育毛治療を行うことができます。
内服薬の中には、全身に効果があるものもあり、その場合は全身の毛が濃くなる可能性があります。
ただ、体毛の成長に影響がない内服薬もあります。一例として、パントガールは、世界で初めて女性の薄毛に効果と安全性が認められた飲む育毛剤ですが、毛髪のみに作用するので体毛には影響ありません。女性の薄毛(びまん性脱毛症・分娩後脱毛症)や抜け毛を改善し、発毛を促す有効的な薄毛治療薬として、効果と安全性が認められています。また、育毛の他にも、爪の成長不良(割れる・弾力がなくなる)といった症状にも効果的です。
市販でも内服薬、外用薬ともにいくつかの薬剤が販売されていますが、手軽な反面、自己判断ではどの薬剤が自分に合っているかを決めるのは難しい面も。もし不安があるようでしたら、専門のクリニックで、毛髪ミネラル検査やヘア・スカルプドックなどによって薄毛・抜け毛の正確な原因を解明しましょう。そのうえで、「抜け毛を防ぎたいのか、発毛を促進したいのか」などの症状に合わせて、外的施術と内服薬の内外治療を組み合わせて行うことをおすすめします。
メソセラピーとは、注射などを用いて、頭皮に有効成分を注入する治療法のことです。
当院では、血管拡張作用のある「ミノキシジル」、毛髪タンパク質ケラチンを構成する「アミノ酸」を含む育毛・増毛に必要不可欠なビタミン類などを含む薬剤を、細い針で直接頭皮に注射していきます。(参考価格:1回39,600円、6回213,840円、12回403,920円 *ウォブクリニック中目黒調べ)
特にミノキシジルは有効性の高い育毛剤と言われており、内服・外用薬として用いますが、直接頭皮に注入することで有効成分が毛根細胞を刺激し、強力に育毛を促すことができます。 細い針を浅く頭皮に刺す際に多少の痛みがありますが、痛みに弱い方には麻酔も使えます。(参考価格:神経ブロック麻酔 3,300円)。所要時間は20~30分程度、2〜4週間毎に6ヵ月〜1年継続していただくと効果的です。
特殊な電気パルスで一時的に頭皮のバリアを弱め、そこへ発毛有効成分を導入していきます。GFを頭皮に導入して毛髪成長シグナルを正常に戻すことで、発毛を促します。(参考価格:1回39,600円、6回213,840円、12回403,920円*ウォブクリニック中目黒調べ)
GF(細胞増殖因子)は、もともと私たちの体内にあり、細胞増殖の全てをコントロールするタンパク質の一種です。GFの不足は老化だけでなく、毛髪成長シグナルが止まる原因にもなります。
痛みはほとんどなく、所要時間は約90分程度です。施術回数は、2~4週間毎に6ヵ月〜1年継続していただくと効果的です。
日頃の習慣を見直して規則正しい生活を送ることが大切です。睡眠や食生活など生活習慣の乱れは、自律神経・女性ホルモンバランスにも影響し、薄毛にもつながります。40代、50代は仕事や子育て、介護など、なにかと忙しくなりがちな年代ですが、起床時間や寝る時間がバラバラになると睡眠の質が下がってしまいます。なるべく同じ時間に寝起きするようにしましょう。
また、バランスの良い食生活は、栄養状態を良くして健康的な髪を作ってくれます。肉、魚、大豆製品、牛乳、乳製品に含まれる上質なアミノ酸を含むタンパク質をバランスよく摂取することが大事です。動物性脂肪の摂り過ぎには注意しましょう。
適度な運動をすることでも頭皮の血行改善が期待できます。さらに、頭皮の血行促進目的のマッサージや頭皮の乾燥ケアを心がけることもおすすめです。
近年、少なくとも10人に1人が薄毛・抜け毛の悩みを抱えているといわれています。現代女性ならではの、ストレスや女性ホルモンの乱れが症状を加速させているのです。「薄毛の悩みを相談するのが恥ずかしい」という方もおられるかもしれませんが、「女性の薄毛は誰にでも起こりうること」と考え、気軽に専門機関を受診してください。
最近は女性の薄毛治療も認知度が広まりました。さまざまなアプローチ法も広がってきていますので、ウィッグを検討する前に、ぜひ地毛の育毛治療を試していただきたいと思います。
取材/星子 編集/安岡祐太朗
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