HEALTH

第19回 「きゅうり」

毎日のように野菜を見て、触って、感じた事実を基に、独自の野菜の見方・食べ方を確立してきた内田 悟さん。これまでの常識を覆すような、新たな野菜の魅力に出合える連載です。第19回のテーマは、名残りの「きゅうり」です。

 

[きゅうり] 一般によく見かけるのは、緑が濃くツヤツヤした、きゅうり。でも、ひと昔前までは、白っぽく粉を吹いたものが主体だった。この粉(ブルーム)は、雨水をはじいたり、乾燥から実を守る役割があるが、農薬と間違われ敬遠されることが多かったため、ブルームレスのきゅうりが開発され、多く出回るようになったのだとか。ただ、最近では、歯応えも味もいい、ブルーム付きのきゅうりが見直されつつある。

 

きゅうりの目利きどころ

 

 

塩でやさしくこすり
熱湯をかけて青臭さを取る
たっぷりの塩で全体をやさしくこすり、水けが出てきたら(濃い緑色の汁が出るまでやるのはやりすぎ)、ざるにのせて熱湯をかけ、水けを取る。この下処理で余分な青臭さやえぐみが取れ、クリアな味わいに。
 

生でも加熱しても
独特の涼味や食感が
楽しめる真夏の果実

 

「最も栄養価の低い果実」などと称されるきゅうりですが、体内の水分量を調整するカリウムは豊富。体にたまった熱を尿とともに排出し、むくみの予防・改善にも役立ちます。

「名残りのきゅうりは、皮が張り、種が目立つようになりますが、そのぶん甘みが出てきます。サラダや漬け物などでの生食はもちろん、火入れ調理も捨てがたいですね。ややえぐみが増した皮も、きちんと下処理をすれば、おいしく食べられます(下記参照)。今回ご紹介する3つのレシピは、すべてこの下処理をしたきゅうりを使ったものです。香味野菜と青唐辛子を効かせたガスパチョは、少量でも体がスーッと涼しくなって、疲れた胃腸を程よく刺激します。リゾットは、きゅうりと相性のいい枝豆で旨みをプラス。中華風の炒めものは、シンプルですが生とは少し違う歯応えが楽しめます。意外と料理のアレンジが利くきゅうり。体が涼を求める今の時季に、味わい尽くしてくださいね」(内田さん)

1955年、北海道生まれ。2005年にレストラン専門青果店「築地御厨」創業。本業のかたわら、2007年より一般消費者を対象に「やさい塾」を開講。http://www.yasaijyuku.com

 

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第19回 「きゅうり」

2025年1月号

2024年11月15日発売

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