HEALTH

第10回 「大根」

毎日のように野菜を見て、触って、感じた事実を基に、独自の野菜の見方・食べ方を確立してきた内田 悟さん。これまでの常識を覆すような、新たな野菜の魅力に出合える連載です。第10回のテーマは、走りの「大根」です。

 

[大根] 秋も深まり、いよいよ肌寒くなってくると美味しくなる大根。包丁を入れたとき、「ミリミリミリッ」と音を立てるのが、旬のサイン。ほろ苦く食感のいい葉や茎、皮は炒め物や汁物に、根の上3分の1は水分多めで甘みがあり、ふろふき大根や大根おろしに最適。真ん中は水分と甘み、辛みのバランスが良いのでどんな料理にも◎。下3分の1は成長途中の部位なので水分が多く、辛みが強い。炒め物や汁物におすすめ。

 

大根の目利きどころ

 

 

塩をふってアクを抜くこれでグッと洗練された味わいに。軽く塩を振り10分ほどおくと、水けと一緒にアクが出てくるので、拭きとってから使って。
 

時季、部位ごとにも味わいが異なる大根を食べ尽くそう

 

 ご馳走を食べる機会が増えるこれからの季節、頼りになるのが大根。根の部分に含まれる、ジアスターゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの分解酵素が消化をサポート。食物繊維も豊富で、デトックスに最適です。

「大根は淡泊な味わいながら、走りから名残り、部位ごとにも味わいが異なり、さまざまな料理に展開可能。毎日食べても飽きない野菜のひとつです。盛りの時季には、ぜひ葉付きのものを買って、丸ごと味わい尽くしてください。根の真ん中から上は、『ふろふき』にしておくと、保存がきいて便利。丸ごとみそ汁に入れてもいいし、刻んでご飯に混ぜたり、左ページのようにステーキにするのもいいですね。上3分の1を使ったポタージュは、見た目よりサッパリとしていて、食べすぎた翌日にもおすすめです。下3分の1は、みずみずしさとさわやかな辛みを活かしたサラダに。ごま油の風味と梅干しの酸味で、たっぷり作ってもペロリと食べられますよ」

1955年、北海道生まれ。2005年にレストラン専門青果店「築地御厨」創業。本業のかたわら、2007年より一般消費者を対象に「やさい塾」を開講。http://www.yasaijyuku.com

 

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第10回 「大根」

2025年1月号

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