HEALTH
なんとなく舌に違和感がある、ヒリヒリと痛む感じがすると悩んでいませんか? 舌に違和感があると食事も楽しめなくなり、QOL(生活の質)の低下にもつながります。重大な病気が隠れている可能性もあるため、早めの対処が重要です。舌の違和感が起こる原因や改善方法を解説します。
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舌の違和感の原因には、舌や口腔内に関する病気や亜鉛不足などが考えられます。具体的に見てみましょう。
舌痛症は、見た目には異常は見られませんが、舌に痛みがある病態のこと。特に、舌の先や縁に、ヒリヒリ、ピリピリとしたやけどのような痛みが起きます。痛みの程度は人によって異なりますが、場合によっては日常生活に支障が出るほど痛みを強く感じることもあります。
舌痛症は特に更年期の女性に多くみられ、心理的なストレスによって痛みが強くなることがあるのが特徴です。口内炎などがなく、1日2時間以上痛みを自覚する状態が3カ月以上続く場合は歯科を受診しましょう。
口内炎が原因で舌の痛みが生じることもあります。口腔内に磨き残しなどがあると口内で細菌が増え、舌に炎症が起こるのです。
また、食事の際に誤って舌を噛んだり、熱いものを食べて口の中をやけどしたりすることも口内炎につながる要因の一つです。
口内炎があると話したり食べたりするたびに痛みを感じやすく、日常生活に支障をきたす場合もあります。
亜鉛不足によって味覚異常や口腔内の乾燥などが起きることも、舌の違和感が起きやすくなる原因の一つです。
亜鉛は味を感じるセンサーである味蕾(みらい)の再生に必要な栄養素。亜鉛不足の状態では味蕾がうまく再生されません。これにより、舌の違和感以外に「味がわからない」「何も食べていないのに苦みを感じる」などの症状にもつながります。
また、味を感じにくくなることで唾液の分泌量が低下し、口腔内の乾燥も招きます。舌が乾燥しやすくなり、ヒリヒリとした痛みを感じやすくなるのです。
舌の違和感は、舌がんや糖尿病などの病気が原因で起こることもあります。
舌がんは口腔がんの一種で、舌に悪性腫瘍ができる病気です。多くの場合舌の側面や裏側にでき、初期症状は口内炎に似ています。ただし「舌の粘膜が白っぽくなる」「口内炎が2週間以上治らない」などの場合は舌がんの可能性があるため、耳鼻咽喉科や口腔外科を受診しましょう。
また、糖尿病やシェーグレン症候群などの口の乾燥を招く疾患が原因で舌の違和感が起こっている可能性もあります。舌の違和感の原因が口の中の病気にあるとは限らないため、かかりつけの歯科医院で原因が見つからない場合はほかの病気も疑い、医療機関に相談しましょう。
舌の違和感を改善するには、ストレスを解消したり口腔ケアを見直したりすることが大切です。自宅でできるセルフケアを紹介します。
舌痛症や口内炎による痛みを軽減するには、気持ちをリラックスさせ、自律神経の緊張を取り除きましょう。舌痛症はストレスとの関連が指摘されており、ストレスを解消すると痛みの軽減が期待できます。
自律神経には体を活動的にする交感神経と、体を休息状態にする副交感神経があり、両者がバランスをとって体のさまざまな機能を調節しています。唾液の分泌量の調節も、自律神経の働きの一つです。
ストレスが溜まっていると交感神経が優位になり、唾液の分泌量が減少して口腔内が乾燥しやすくなります。これにより、口内炎が悪化する可能性があります。そのため、体をリラックスさせて副交感神経を優位にすることが大切です。
「就寝前にハーブティーを飲む」「就寝前にストレッチをする」「1日に数回深呼吸をする」など、自分なりのリラックス方法を見つけましょう。
偏った食事をしていると亜鉛不足による舌の違和感が起こる可能性があるため、日々の食事で亜鉛を意識して摂取しましょう。亜鉛は牡蠣やうなぎ、豚レバー、牛肉赤身、アーモンドなどに豊富に含まれています。
亜鉛は、クエン酸やビタミンC、動物性タンパク質と一緒に摂ると吸収率がアップします。クエン酸やビタミンCを多く含む柑橘類をデザートに食べたり、動物性タンパク質が豊富な卵や乳製品などを組み合わせたりして、吸収率をアップさせましょう。
ただし、野菜や海藻類などに多く含まれる食物繊維や、豆類などに多く含まれるフィチン酸、加工食品の添加物は、亜鉛の吸収を阻害するため、食材の組み合わせにも気を配りましょう。
歯磨きの仕方やケア用品を見直して口腔内を清潔に保ち、口内炎を予防することも、舌の違和感の改善に効果的。間違った口腔ケアをしていると、口内炎がなかなか治らず舌の違和感も長引いてしまいます。
歯磨きでは、歯全体をまんべんなく磨くことを意識しましょう。歯間や歯と歯茎の間も磨き、隙間に磨き残しがないようにすることが大切。また、歯間ブラシやデンタルフロスなども活用し、歯ブラシでは取り切れない汚れを取り除きましょう。
舌の違和感を改善するには、漢方薬も役立ちます。漢方薬は不調の根本にアプローチして症状の改善を目指します。飲むだけでいいので毎日忙しいという人も取り入れやすいのが魅力です。
舌の違和感には、「自律神経のバランスを整えてストレスを軽減する」「痛みや熱感の原因となる過剰な熱を冷ます」「水分の循環を良くして舌に潤いを与える」といった作用のある漢方薬を選びます。
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
エネルギーの流れを整えて体から余分な熱を冷ますとともに、自律神経のバランスを整えて精神の高ぶりを鎮めます。イライラや気分の落ち込み、ストレスによる不調などに用いられる漢方薬です。
・五苓散(ごれいさん)
体内の水分バランスを整える働きがあり、水分代謝や唾液分泌を改善します。ドライマウスやそれに伴う口臭などに用いられる漢方薬です。
漢方薬は西洋薬に比べて副作用が少ないといわれています。ただし、体に合っていないものを服用すると思わぬ作用が起きる可能性があるため、自分に合ったものを選ぶことが大切。漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談して自分に合うものを服用しましょう。
<参考文献>
※歯とお口のことなら何でもわかるテーマパーク8020「舌痛症」
※一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「舌がん・口腔がんとは?」
※公益財団法人長寿科学振興財団健康長寿ネット「亜鉛の働きと1日の摂取量」
教えてくれたのは…あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子さん
編集/根橋明日美 写真/PIXTAほか
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