HEALTH
口の中がネバネバする、食べ物が飲み込みにくいなどの悩みを抱えている場合、ドライマウスの可能性があります。放置していると、口の中が乾燥するだけではなく、口臭、味覚の変化など体に悪影響を及ぼしかねません。早めに改善するために、セルフチェックの方法や自宅でできるセルフケアを紹介します。
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ドライマウスとは、何らかの原因で唾液の分泌が少なくなり、口の中が乾燥した状態のこと。
男女問わず加齢により発症することがありますが、特に女性の場合は更年期のホルモンバランスの変化により起こりやすいとされています。
唾液には、食べ物の消化を助けるだけでなく、口の中の粘膜を湿潤させて保護したり、細菌を洗い流して虫歯や口臭を防いだりする役割があります。そのため、唾液の分泌量が減ると、口臭や味覚の変化、口内炎などのトラブルを引き起こす可能性があるのです。
ドライマウスになると、さまざまな自覚症状が起こります。以下の項目に当てはまっていないか、セルフチェックしてみましょう。
□水をよく飲む
□夜中に喉が渇いて目が覚めてしまう
□パサパサした食べ物が食べにくい
□食べ物が飲み込みにくい
□味覚が変わったように感じる
□いつも口の中がネバネバしている
□口臭が気になるようになった
□入れ歯などで口の中がよく傷付く
当てはまる項目がある場合はドライマウスかもしれません。気になる症状があれば歯科や口腔外科、内科を受診しましょう。
ドライマウスは口呼吸やストレスによる自律神経の乱れなどによって起こります。ドライマウスを招く原因を具体的に見てみましょう。
口呼吸は、息が出入りする際に口の中を空気が通るため、口腔内の水分が蒸発して乾燥を招きます。
アレルギー性鼻炎や歯並びの問題、鼻詰まりなどが原因で無意識に口呼吸になっている人も多く、気付かないうちにドライマウスを悪化させていることがあります。
また、口周りの筋力の低下も口呼吸を招く要因の一つ。会話が減少し口を動かす機会が減ると、口周りの筋力が低下して口がポカンと開きやすくなり、口呼吸になることもあります。
唾液の分泌は自律神経が調整しており、ストレスを感じると自律神経が乱れて分泌される唾液の水分量が変化します。
自律神経のうち副交感神経が優位になると、血管が拡張されるため唾液中の水分量が増え、サラサラとした唾液が分泌されます。一方、交感神経が優位になると血管が収縮して唾液中の水分が少なくなり、ネバネバとした唾液が分泌されます。このネバネバとした唾液ばかりが分泌され続けると、口腔内が乾燥しやすくなるのです。
特に、緊張しやすい性格の人や、忙しさに追われてリラックスできない生活を送っている人は、ストレスによるドライマウスになりやすい傾向があります。
ドライマウスの原因には、服用している薬による影響も考えられます。ぜんそくの治療に用いられる気管支治療薬や、交感神経抑制薬、降圧利尿薬など、医薬品の中には口の渇きを副作用として持つものがあります。
花粉症や高血圧などの身近な疾患に用いられる薬もあるため、薬による影響で口の渇きを感じる場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
女性の場合、更年期にホルモンバランスが変化してエストロゲンの分泌量が低下することで、唾液の分泌にも影響が出やすくなります。エストロゲンには唾液腺を正常に保つ働きがあるため、その分泌が減るとドライマウスを引き起こしやすくなるのです。
また、ホルモンバランスが変化すると自律神経の乱れが起きやすくなることも、ドライマウスにつながる要因の一つです。
薬による影響で生じるドライマウス以外は、生活習慣を見直すことで改善できる可能性があります。ドライマウスのセルフケアを紹介します。
食事の際にはよく噛むことを意識し、唾液をしっかり分泌させましょう。噛むことで唾液腺が刺激され、唾液の分泌を促すことができます。
自然と噛む回数を増やすには、雑穀入りご飯や、れんこん、ごぼう、にんじんといった根菜類などの噛み応えのある食材を取り入れるのがおすすめ。白米を雑穀米に代えたり、根菜類を使ったおかずを1品プラスしたりしてみましょう。
また、レモンや梅干しのように、酸味があり、唾液の分泌を促す働きがある食材を取り入れるのも有効です。ドレッシングにレモン果汁を加えるなど、日々の食事を工夫してみましょう。
唾液の分泌を助ける唾液腺マッサージも、日常に取り入れたいケアの一つ。唾液腺は、耳の前から顎にかけてある耳下腺や、下顎の下にある顎下腺、舌の下にある舌下腺があります。それぞれ以下のマッサージで唾液の分泌を促しましょう。
【耳下腺】親指以外の4本の指を頬の、上の奥歯あたりの位置に当て、後ろから前に向かって軽く押しながらゆっくり回す。
【顎下腺】顎の骨の内側の柔らかい部分を、耳の下のほうから顎下まで3、4箇所に分けて親指で順番に押す。
【舌下腺】両手の親指を顎先の骨の内側に揃えて当て、舌を上顎に押し付けるようなイメージでゆっくり押し込む。
マッサージは指先でやさしく押すだけでOK。食事の前などに行うと、唾液が分泌されやすくなって食べ物が飲み込みやすくなります。
こまめな水分補給で口腔内に潤いを与えることも大切。特に、乾燥する季節やエアコンの効いた部屋では意識的に水を摂るようにしましょう。
一度に大量の水を飲むよりも、こまめに少量ずつ飲む方が効果的です。食前や家事の前後、起床時、就寝前など、水分補給のタイミングを決めて習慣化するとよいでしょう。
ただし、アルコール類やカフェインを多く含むコーヒーや緑茶は利尿作用があるため、摂り過ぎには注意が必要です。
自律神経を整えるためにストレスを発散することも効果的。軽いウォーキングやヨガ、ストレッチなどの運動で体を動かしたり、ゆっくりとお風呂に浸かったりする時間を意識して取り入れましょう。
また、音楽を聴く、手芸を楽しむ、読書に没頭するなど、自分の好きなことに没頭する時間を作ることもストレス発散につながります。自分なりのストレス発散方法を見つけて実践しましょう。
ドライマウスには、心と体のバランスを整え、不調の根本にアプローチする漢方薬の活用もおすすめ。ドライマウスには「水分保持力の低下を改善して口腔内の粘膜に潤いを与える」「唾液の分泌を促す」「過剰な熱を冷まして口渇を抑える」などの働きがある漢方薬を選びましょう。
・麦門冬湯(ばくもんどうとう)
咽頭の乾燥感や空咳が気になる人に。胃腸の働きを整えて口腔内の粘膜に潤いを与え、空咳などに効果的な漢方薬です。
・白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
喉の渇きやほてりが気になる人に。体にこもった熱を冷まし、潤いを与えて口や喉の渇きやほてりを抑える漢方薬です。
上記以外にもドライマウスに効果的な漢方薬は複数あり、症状や体質によって自分に合う漢方薬は異なります。自分に合う漢方薬を選ぶには、漢方薬に詳しい医師や薬剤師へ相談するのがおすすめです。生活習慣の見直しと漢方薬を組み合わせて、ドライマウスの改善を目指しましょう。
<参考文献>
教えてくれたのは…あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子さん
編集/根橋明日美 イラスト・写真/PIXTAほか
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