HEALTH
夏に汗をかくのは当然。けれど40代50代の女性で「みんなは汗をかいていないのに自分だけ汗をかく」「何もしていないのに急に汗が吹き出す」などの悩みがあるのなら、更年期障害の症状かもしれません。更年期と多汗の関係、多汗症につながるNG行動、対策を解説します。
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暑さや運動といった明確な理由がないにもかかわらず、異常に汗をかいてしまう病気を「多汗症」といいます。手のひらや足の裏、脇、顔など、特定の部位または全身での発汗が見られることが多いのが特徴です。
女性の場合、更年期になると女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが急激に減少し、自律神経のバランスが乱れやすくなります。自律神経が乱れると、体温調節がうまくいかず汗をかきやすくなってしまうのです。これは更年期障害の症状の一つであり、続発性多汗症に分類されます。
さらに更年期特有のホットフラッシュも、汗をかきやすくなる原因の一つです。ホットフラッシュが起こると、胸から頭にかけての上半身が突然カーッと熱くなり、大量の汗をかくことがあります。
特に夏場は、ホットフラッシュが起こりやすい季節。気温が上昇するうえ、冷房の効いた室内との温度差によって自律神経が乱れやすいためです。
またホットフラッシュは、精神的な緊張やストレスをきっかけに起こるのも特徴です。
不規則な生活をしていると、自律神経のバランスはさらに乱れがちに。これにより多汗症につながりやすくなります。特に、睡眠不足や運動不足、栄養の偏りは要注意。以下のようなNG行動をとっていないか、日々の生活を振り返ってみましょう。
□遅い時間までスマートフォンやパソコンを見ている
□寝不足の状態が続いている
□夜遅い時間に食事を摂る
□休日はごろごろして過ごす
□食べ過ぎ・飲み過ぎ
□カフェイン飲料をよく飲む
上記のような行動をよくとっていると、体にストレスがかかり、交感神経が優位になりやすくなるため注意しましょう。
更年期のホットフラッシュや多汗症は緊張やストレスなどによって急な発汗が起こることがあります。外出時に急に汗が吹き出すと対処に困ることも。
外出時には、冷却スプレーや保冷シート、扇子などの冷却グッズを携帯するのがおすすめです。また、吸湿速乾性に優れたインナーを選ぶことで、汗による不快感を軽減できます。
さらに、ゆっくりと深呼吸をしてみるのも効果的。深い呼吸は副交感神経を優位にし、心を落ち着かせてくれるので、汗の量も次第に落ち着くでしょう。
多汗症対策では、生活習慣を見直すことが大切。すぐにできる対策方法を5つ紹介します。
睡眠の質を高めて体を休めると、自律神経を整えることにつながります。就寝前にストレッチをしたり照明を暗くした部屋で過ごしたりすると、寝付きをよくする効果が期待できます。
また、お風呂でゆっくりお湯に浸かることも有効。ぬるめのお湯に肩まで浸かることで、心身の緊張がほぐれ、副交感神経の働きが促進されます。みぞおちあたりまでの半身浴は、ゆっくり深部体温を上げ、心と体をリラックスさせる効果が期待できます。
気温が高い季節はシャワーで済ませがちという人も、お湯に浸かる習慣を身に付けましょう。
少し汗をかく程度の運動を習慣として続けることも、多汗症対策につながります。運動をすると気分をリフレッシュできるほか、自律神経がメリハリよく働いて整いやすくなります。
おすすめはウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動です。運動時には呼吸を意識するのがポイント。運動中に呼吸を止めないように注意し、体に酸素を取り込みましょう。
自律神経のバランスを保つために、GABAやトリプトファンといった成分を含む食材を積極的に摂取しましょう。
例えば、GABAは発芽玄米やトマト、キムチなどに多く含まれる成分で、交感神経の働きを抑制し、ストレス軽減や睡眠の質向上などの効果があります。トリプトファンは豆腐やバナナ、乳製品に含まれ、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンの材料になります。
セロトニンは睡眠ホルモンのメラトニンの材料になるホルモンであるため、睡眠の質向上にも効果的。サラダにトマトを入れる、朝食にバナナを食べるなどの取り入れやすい方法を実践してみましょう。
反対に、唐辛子などの辛いものは交感神経を刺激し、発汗を促す作用があるため、摂り過ぎには注意しましょう。
多汗症の緩和には「屋翳(おくえい)」というツボを押すのも効果的です。
屋翳は、バストトップから指3本分ほど上にある胸の中央あたりに位置します。顔汗や脇汗を抑制するのに効果的なツボです。ゆっくり深呼吸をしながら軽く指の腹で押しましょう。
多汗症の症状が辛いときには、根本改善を目指す漢方の力を借りるのも一つの方法です。多汗症には「体の水分バランスを整える」「自律神経の乱れを整えて体温調節機能を回復する」「汗腺を引き締める」などの働きがある漢方薬を選びましょう。
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
汗をかきやすく、色白でむくみやすい人に。水分代謝を整えて、余分な水分を体外へ排出します。多汗症や水太り、むくみなどにも用いられる漢方薬です。
・桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)
ベタベタした汗や寝汗をよくかく人に。皮膚の締まりを良くし、発汗調節機能を整えます。多汗症のほか、皮膚炎・湿疹にも用いられる漢方薬です。
漢方薬は症状や体質に合わせて選ぶことが大切。漢方薬に詳しい薬剤師や医師に相談すると安心です。生活習慣の見直しや漢方薬の活用をしながら、辛い汗の症状を緩和して毎日を快適に過ごしましょう。
教えてくれたのは…あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子さん
編集/根橋明日美 写真/PIXTAほか
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