HEALTH
「腹痛はないけれど、また下痢…」そんな悩みはありませんか? 痛みがないからとそのままにしてしまいがちですが、生活の質を下げてしまうこともあります。腹痛のない下痢が起こる原因や、日常生活に取り入れやすい対策方法を紹介します。
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下痢は腸の粘膜に炎症が起きたり腸内の水分量が増えたりすることで起きます。腹痛を伴わない下痢の場合、炎症の程度が軽い状態で起こっていると考えられます。まずは主な原因を見てみましょう。
消化の悪い揚げ物や刺激の強い香辛料を頻繁に摂ると、胃腸に負担がかかり、炎症が生じて下痢が起こりやすくなります。このとき、炎症が軽度であれば腹痛を感じず、下痢だけが現れることがあります。
また、乳糖不耐症がある場合は、牛乳やヨーグルトなどの乳製品で下痢を起こすケースも少なくありません。乳糖不耐症は、乳製品に含まれる乳糖を消化できない体質のことです。「牛乳を飲んだ30分〜2時間後に下痢をする」「乳製品を摂るとお腹がゴロゴロ鳴る」などの場合は乳糖不耐症の可能性が考えられます。
自律神経と腸は密接に関係しており、腸の働きを自律神経がコントロールしています。自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経が優位になると腸のぜん動運動が弱まり、副交感神経が優位だと活発になります。
そのため、精神的なストレスがかかると交感神経が優位になり、腸の働きが不安定になるのです。その結果、便の水分が十分に吸収されず、下痢となって現れることがあります。
特に、緊張する場面や不安を感じる出来事の前後に下痢を繰り返す場合、ストレスの影響が疑われます。
腸内環境の悪化も腹痛のない下痢が起こる原因の一つです。腸内には善玉菌と悪玉菌がバランスを取りながら存在しています。
しかし、食生活の乱れや睡眠不足、ストレスなどによって善玉菌が減少し、悪玉菌が優位になると腸が過敏になり、下痢が起こりやすくなります。
抗生物質や一部の消炎鎮痛剤、降圧薬には副作用として下痢を引き起こすものがあります。これは、薬の影響により腸内細菌のバランスが崩れたり、腸内の水分吸収がうまく行われなくなったりするためです。
便秘薬や痛み止めなどによっても起こる可能性があるため、薬による影響が考えられる場合は、自己判断せず主治医に相談しましょう。
腹痛のない下痢が長引く場合、病気のサインである可能性も考えられます。
過敏性腸症候群はその代表で、腸に炎症や腫瘍などの異常がないのに下痢や便秘などを繰り返す病気です。ストレスや緊張、疲労の蓄積などによって症状が悪化しやすいのが特徴です。
また、下痢以外に以下の症状がみられる場合はノロウイルスなどの感染性胃腸炎、潰瘍性大腸炎、大腸ガンなどの可能性があります。
・発熱
・頭痛
・体重減少
・血便
・残便感
上記の症状がある場合は、早めに内科を受診しましょう。
薬の副作用や病気による下痢ではない場合、生活習慣の見直しによるセルフケアを取り入れることで症状の改善が期待できます。ここでは日常生活で取り入れやすい方法を紹介します。
柔らかく煮たうどんやおかゆなど、消化吸収が良く、胃腸に負担をかけない食事を心がけることが大切です。脂質が多い揚げ物や香辛料のほか、生野菜や果物なども消化に時間がかかるためできるだけ避けましょう。
食材は、蒸す・煮るなどの調理法で柔らかく仕上げると消化されやすくなります。また、よく噛んで食べることで消化がスムーズになり、胃腸の負担を和らげることができます。
食物繊維は便通改善などに役立つ栄養素ですが、腸の調子が悪いときに摂り過ぎると逆効果になることがあるため注意が必要です。
特に、水に溶けにくい不溶性食物繊維を多く摂ると、腸が刺激されて下痢が悪化することがあります。また、水に溶けやすい水溶性食物繊維も過剰に摂れば軟便や下痢を招くことがあります。
食物繊維は野菜や果物、豆類、海藻類などに多く含まれているため、下痢が続いている間はこれらの食材を控えめにしましょう。
腸の働きを整えるには、心の緊張をほぐして自律神経のバランスを整えることも有効です。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かる、アロマの香りを楽しむ、軽いストレッチを寝る前に行うなど、自分に合った方法でリラックスタイムを設けましょう。
呼吸と自律神経は密接に関係しているため、仕事や家事の合間に深呼吸をすることも、副交感神経が優位になってストレス緩和に役立ちます。
不規則な生活は腸のリズムを乱し、下痢や便秘を引き起こします。生活リズムを整えて、朝は決まった時間に起き、1日3食をバランス良く摂ることを意識しましょう。
特に、朝食を抜かずに食べることで腸の動きが促され、排便リズムを整える効果が期待できます。水を飲むことでも腸を刺激してぜん動運動を促すことができるため、朝食を食べる暇がない場合でも、朝起きたらコップ1杯の水を飲むことを習慣にしましょう。
サプリメントで腸内環境を整える成分を補うのも一つの方法です。乳酸菌やビフィズス菌を含むサプリメントは腸内の善玉菌を増やして腸内環境を改善し、下痢の軽減に役立ちます。飲むだけで良いため、忙しい日々の中でもセルフケアとして取り入れやすいのが特徴です。
ただし、サプリメントは飲み過ぎると体調不良につながることもあります。あくまでも補助的なものとして、パッケージに書かれた摂取目安量を守り、他のセルフケアと組み合わせながら活用しましょう。
<参考文献>
監修してくれたのは…医師・後藤利夫さん
1988年、東京大学医学部卒業。独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法「水浸法」を開発。大腸内視鏡6万件以上無事故のベテラン医師。大腸がん予防から始まった腸内細菌や乳酸菌にも造詣が深く、菌のパワーを使って健康になる方法を各所で伝授し続けている乳酸菌の専門家。サプリメント「今日から腸活!」の監修も務める。
編集/根橋明日美 写真/PIXTAほか
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