HEALTH
空気がひんやりしてくる季節は、インフルエンザやノロウイルスなど感染症への備えを意識したい時期。大切なのは毎日の生活を整えて免疫機能の低下を防ぐことです。秋冬を元気に過ごすために、今から始めたい感染症対策を紹介します。
秋冬に気をつけたいのが、インフルエンザやノロウイルスによる感染性胃腸炎、新型コロナウイルスなどです。
気温が下がる季節は窓を閉めて過ごす時間が増え、人が集まる室内では感染が広がりやすくなります。また、空気が乾燥すると鼻やのどの粘膜も乾きやすくなり、外から入ってくる異物を排除する働きが十分に発揮されにくくなることもあります。
さらに、免疫機能が低下しているとウイルスへの抵抗力が弱まり、感染症にかかりやすくなるのです。
厚生労働省は、2026年は8月末頃から全国的なインフルエンザの流行シーズンに入ったと発表しました。「まだ身近な人はかかっていないから大丈夫だろう」と油断せず、早めに感染症対策を始めましょう。
免疫機能の低下は日常の何気ない習慣によって起こります。日々の生活の中でやってしまいがちなNG習慣を紹介します。
偏った食生活が続くと、たんぱく質やビタミン、ミネラルなど、体の健康を保つために必要な栄養素が不足しやすくなります。免疫機能の維持に必要な栄養素も不足しやすくなり、これは免疫機能の低下につながる可能性があります。
仕事や家事が忙しいと、パンやおにぎりだけで済ませたり、外食で高カロリーなものを食べたりする日もあるでしょう。また、ダイエットなどで食べる量を極端に減らしている場合にも注意が必要です。
夜更かしで十分な睡眠が取れていないことも免疫機能の低下を招く要因のひとつ。
睡眠は、日中にたまった疲れをリセットする大切な時間です。睡眠不足の状態では疲労回復ができず、疲労が蓄積しがちに。その結果、自律神経が乱れて免疫機能の低下が起きやすくなります。
寝る前になんとなく動画やSNSを見るなどの習慣がある場合は要注意です。
便秘を放置することも、免疫機能の低下に関わる要因のひとつ。
腸には、体を細菌やウイルスなどから守る免疫細胞が多く集まっており、腸内環境と免疫機能は深く関わっています。そのため、便秘によって腸内に便が長くとどまり、腸内環境のバランスが崩れると、免疫細胞の働きにも影響を及ぼすことがあります。
運動不足が続くと、血流が滞りやすくなるほか、自律神経のバランスも乱れやすくなって免疫機能の低下につながることがあります。
一方で、激しい運動を長時間続けることも体に大きな負担をかけます。強度の高い運動の直後は一時的に免疫機能が低下することがあり、回復するまでの間は感染症にかかりやすくなる可能性があるのです。
感染症を防ぐには、手洗い・うがいなどの基本的な感染症対策に加えて、免疫機能を維持・向上させるためのセルフケアを取り入れることが大切です。
毎日3食とり、主食・主菜・副菜を揃えた栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
特に意識してとりたいのは、免疫細胞の材料となるたんぱく質や、抗酸化作用のあるビタミンCなどの栄養素です。
主菜に魚や肉、卵、大豆製品などを取り入れることで、体を作る材料となるたんぱく質を補いやすくなります。ビタミンCは野菜や果物に多く含まれます。
朝はヨーグルトと果物、昼は具だくさんのスープを添えるなど、手軽にできる工夫から始めてみましょう。
発酵食品や食物繊維を含む食材などを積極的にとり、腸内環境を整えることも大切。発酵食品からは善玉菌を直接とることができ、食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える効果が期待できます。
ヨーグルトや納豆、味噌などの発酵食品に加えて、野菜、きのこ類、海藻類、豆類、いも類など、食物繊維を含む食品を組み合わせるのがおすすめです。
味噌汁にきのこを加える、サラダに豆をプラスするなど、いつものメニューにひとつ足す感覚で取り入れてみましょう。
十分な睡眠時間を確保し、体を休めることも免疫機能の維持に役立ちます。
夜更かしが習慣になっているなら、まずはいつもより15〜30分早くベッドに入りましょう。ベッドでスマホを見続けてしまうなら、寝室ではなく少し離れた場所で充電するのもひとつの方法です。
また、休日も起きる時間を大きくずらさず、朝はカーテンを開けて光を浴びることも体内時計を整えることにつながります。
疲れすぎない程度の適度な運動を習慣にすることも大切です。適度な運動は気分転換にもなり、ストレスの発散や自律神経を整えることにもつながります。
通勤や買い物のときに少し遠回りをする、昼休みに10分歩く、入浴前後に軽くストレッチをするなど、日常生活の中で自然に体を動かしてみましょう。
ポイントは、翌日に疲れを残さない程度で続けること。「今日は少し疲れている」と感じた日はストレッチだけにするなど、その日のコンディションに合わせて調整しましょう。
免疫機能の維持・向上には漢方薬を活用するのもおすすめです。漢方薬は心と体のバランスを整えて体質改善を目指します。飲むだけでいいため、感染症に備えて体調を整えたい人にも取り入れやすい方法です。
免疫機能の維持・向上には「胃腸の機能をよくする」「血流をよくする」「自律神経のバランスを整える」などの働きがある漢方薬を選びましょう。
・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
食欲が低下し、貧血気味の人に。胃腸の機能を高めながらエネルギーと栄養を補い、血流をよくすることで体力低下や疲労倦怠、冷えなどの改善が期待できる漢方薬です。
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力がなく、疲れやすい人に。胃腸の機能を高めて体力を回復し、気力を充実させる効果が期待できる漢方薬です。
また、風邪やインフルエンザの初期症状には「葛根湯(かっこんとう)」などが役立ちます。漢方薬は自然由来の生薬を組み合わせて作られており、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないとされています。ただし、薬である以上、副作用や飲み合わせに注意が必要です。漢方薬をセルフケアに取り入れるなら、漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。
ストレスがたまった状態が続くと、自律神経が乱れて免疫機能に影響することがあります。ストレスを完全になくすのは難しいため、入浴や散歩、好きな音楽を聴くなど、自分なりに気持ちを切り替えられる時間を作ることが大切です。
症状が軽く、水分や食事がとれている場合は、自宅で休養しながら様子をみられることもあります。ただし、38℃以上の高熱が続く、息苦しさがある、意識がもうろうとする、症状が悪化しているといった場合は早めに医療機関へ相談しましょう。
疲労が抜けない、肌トラブルや口内炎が起きやすくなるなどの変化がある場合、免疫機能が低下している可能性があります。これらの変化がある場合は生活習慣を見直してみましょう。
<参考文献>
※ 厚生労働省「インフルエンザの発生状況をお知らせいたします」
教えてくれたのは…医師 木村 眞樹子さん
編集/根橋明日美 写真・イラスト/PIXTAほか
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2026年11月16日(月)23:59まで
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