HEALTH
さまざまな体調の変化が起こる更年期。健康維持に重要な役割を果たしている「腎臓」も、閉経に伴い機能が低下しやすくなるということを知っていますか。腎臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、自覚症状が出にくいため気づかないうちに機能が低下していたというケースも少なくありません。そこで、腎臓に負担をかけずに若々しく健康な体を保つ習慣を紹介します。
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腎臓は非常に重要な臓器であり、以下のような役割を担っています。
・老廃物や余分な物質をろ過して尿として体の外に出す
・血圧を調整する
・体内の水分や電解質を調節する
・赤血球を作り出すのに必要なホルモン「エリスロポエチン」を分泌する
・ビタミンDの生成を助ける
赤血球は血液の構成成分のひとつであるため、腎臓は血液を作り出すことにも関わっている臓器です。また、ビタミンDはカルシウムの吸収をサポートするのに重要なビタミンであり、骨の健康維持に欠かせません。腎臓は体を健康に保つために必要な多くの役割を担っているのです。
腎臓の老化を確認できる下記のセルフチェックで、当てはまる症状があるかチェックしてみてください。
□尿の色に違和感がある。泡立ちが気になる
□尿量が減ってきた
□夜間に2回以上トイレで起きる
□疲れやすい。疲れが取れない。息切れする
□一日中むくみを感じる。以前より靴がきつくなった
□貧血気味。めまいや立ちくらみが起きやすくなった
□皮膚疾患ではないのに体がかゆい
腎臓の老化により機能が低下すると、ろ過作用や尿の濃縮作用が十分に働かず、尿の色が薄くなったり、尿量が増え頻尿になったりすることがあります。一方で老化が進むと、尿を作る機能自体が低下してしまい尿量が減る場合もあります。排尿量が減ると、体内の水分量が増えむくみにつながるのです。
また、腎臓の老化によって赤血球を作り出すのに必要なホルモンであるエリスロポエチンを十分に分泌できなくなると、血液を満足に作れなくなるため貧血やめまいなどを引き起こします。
このセルフチェックにひとつでも当てはまった場合には、腎臓の老化が始まっている可能性があります。気になる症状がある場合は、腎臓内科や泌尿器科への受診を検討してみてください。
腎臓に負担をかけないためにできるセルフケアを4つ紹介します。
塩分の摂りすぎは高血圧や心筋梗塞など多くの病気のリスクを高めますが、腎臓の機能の低下にも大きく関係しています。塩分を過剰摂取すると、腎臓で血液をろ過するときに大きな負担がかかってしまうのです。ですから、腎臓の機能の低下を予防するためには、減塩が重要です。
外食やレトルト食品を食べる機会が多い人は塩分摂取量が多くなりがちなので、注意が必要です。たとえば多くの人にとって身近なメニューであるカレーライスやラーメンには、特に多くの塩分が含まれています。すぐに食生活を変えられないという人は、食べる頻度を減らすことから始めてみるのもよいでしょう。
普段の食事でつい食塩をかけ過ぎてしまうという人は、食塩の容器の穴を減らしたりキッチンや食卓から離れた場所に食塩を置いたりするなど、物理的に使いにくくすることもおすすめです。
腎臓の機能低下の要因のひとつに脱水が挙げられます。脱水状態になると腎臓への血流が低下してしまい、老廃物のろ過を十分にできなくなる可能性があります。こまめに水分補給を行いましょう。喉が渇いたと感じる前に、1〜2時間おきにコップ1杯200mL程度の水を飲むのがおすすめです。
また、排尿を我慢することも、腎臓への負担が大きくなるため注意しましょう。
肥満も、腎臓の機能を低下させる要因のひとつに挙げられます。バランスの良い食事と適度な運動による肥満の予防が重要です。
基本的には、カロリーや塩分の過剰摂取や暴飲暴食を控え、一日三食バランスの良い食事をとりましょう。炭水化物抜きダイエットのような特定の栄養を控える方法がありますが、個人で行うのはおすすめできません。炭水化物を控えると他の食材の摂取量が増え、気づかないうちにたんぱく質や塩分を過剰摂取していることがあります。結果的に栄養バランスの悪い食事となり、かえって腎臓の機能を低下させる要因となる可能性があるのです。食事制限をする場合には、医師や薬剤師など、専門家の指示のもとに実施する必要があります。
また適度な運動によって、血圧や血糖値の改善、肥満の解消が期待できます。具体的には、ウォーキングや水泳、スクワット、筋力トレーニングなどがおすすめです。
漢方では、腎臓だけでなく膀胱、副腎、生殖器を含めた機能の総称を「腎」と定義します。漢方薬の中には、腎の機能の低下による不調に対して効果が認められているものがあり、実際に内科でも処方されています。
腎の機能の低下対策には「栄養や潤いを補う」「体を温め機能低下を回復させる」などの作用をもつ漢方薬を選びます。
漢方薬は、加齢やストレスによる体の機能低下を回復させることで、不調を治すだけでなく不調にならない体へと導いてくれます。
・八味地黄丸(はちみじおうがん)
疲れやすく下半身の冷えが気になる人に。体を温め、腎の働きを補って泌尿器系や生殖器系の機能を高めることで、頻尿や残尿感などにも効果を発揮します。
・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
疲れやすく下半身が冷え、手足のしびれ、むくみが気になる人に。八味地黄丸に、腎の働きを補う牛膝(ごしつ)と体の水分代謝を促す車前子(しゃぜんし)を加えた漢方薬です。八味地黄丸同様に、体を温め腎の働きを高めることで、下肢痛、腰痛、しびれ、排尿困難、頻尿に用いられます。
漢方薬を選ぶときには、その人の状態や体質に合っているかを見極めることが重要です。うまく合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。そのため、漢方薬を選ぶときには漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するといいでしょう。
教えてくれたのは…「あんしん漢方」薬剤師 碇純子さん
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編集/根橋明日美 写真/PIXTA
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