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古くから伝わる発酵食品を取り入れた和食は日本の気候風土にマッチした最強の腸活メニュー。そこで87歳の現役食養研究家・武鈴子先生とその教えを受け継ぐ美ST世代の発酵料理家・山田奈美先生に春の最新発酵メニューを教えていただきました。
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武先生(以下、武) 私が専門としている「和食薬膳」は中国伝統医学をベースに日本の風土に合わせた食。この考えでは「腸」の働きを補ってくれるのは「辛」に属する食材で、具体的には大根・わけぎ・玉ねぎ・けしなどです。
山田先生(以下、山田) それらの食材は腸内を腐敗から守り、発酵食品とともに善玉菌のエサになるので、同時にとるのがベストです。味噌汁や納豆など、おなじみの和食もひとつひとつの素材の組合わせの意味を知っていただくことが大切です。
武 日本人の知恵が詰まった和食を今いちど見直して、腸活に役立ててください。
【材料】
玉ねぎ(新玉ねぎの方が水分が多く辛味が少ない)…300g、 米麹(生)…100g、塩…30g
【作り方】
1. 麹と塩を混ぜ、すりおろした玉ねぎを加えてよく混ぜ合わせる。
2. 熱湯消毒した瓶に入れ、1日に1回、よくかき混ぜる。常温で4~5日で完成。その後は冷蔵庫で保存。
※玉ねぎのおろしきれない部分はみじん切りにして加える。
※乾燥麹の場合、半量のぬるま湯に30分ほど浸けて戻してから使用する。
【材料】
新玉ねぎ…1個、赤唐辛子…1/2本、昆布…5cm角1枚、醤油…1/4カップ、みりん…1/4カップ、黒酢…1/4カップ、水…1/2カップ
※梅シロップを大さじ1ほど加えると味の深みが増す。
【作り方】
1. 玉ねぎは縦半分に切り、さらに横半分に切ってから4~6等分に切る。赤唐辛子はヘタを落として種をとり、手でちぎる。
2 . 煮沸消毒した容器に、玉ねぎと赤唐辛子を入れる。
3. 小鍋に水、昆布、醤油、みりんを入れて中火にかけ、沸いたら弱火にして2~3分加熱する。火を止めて酢を加える。
4. 熱いうちに2に3の漬け汁を注ぐ。冷めたら冷蔵庫で保存する。
※漬けて2、3時間で食べることができますが、食べごろは3日目ぐらい。1週間程度で食べ切るのが目安。
※中身が減ったら、途中で調味液だけ取り出して再加熱し、再び玉ねぎ材料を加えても。
【材料】
かぶ…2個、塩…12g、はちみつ…大さじ2と1/2、酢 …1/2カップ、赤唐辛子…1/2本
【作り方】
1. かぶは皮ごと7~8cm厚さのくし形に切る。赤唐辛子はヘタを落として種をとり、小口切りにする。
2 . ボウルに水2カップ(分量外)と塩を入れてかぶを30分ほど下漬けする。
3 . かぶの水けを切り、熱湯消毒した瓶に入れてはちみつをまわしかける。酢を注ぎ、赤唐辛子を加える。蓋をして2時間以上おく。冷蔵庫で2週間ほど保存可能。
教えてくれたのは……
武 鈴子先生 東京薬膳研究所・代表
中国四川省で薬膳理論・料理技術を学んだのち、東洋医学と日本の気候風土に合った食事を探究し現在は独自の「和食薬膳」を提唱、教室や講演などを行う。87歳。
山田奈美先生 薬膳・発酵料理家 食べごと研究所・主宰
体調不良に悩んでいた25歳の時に取材をきっかけに武先生と和食薬膳に出会い、体調が復活。その後発酵料理も学び料理家に。現在は葉山で料理教室などを開催。
2024年『美ST』4月号掲載
撮影/吉澤健太 料理・スタイリング/山田奈美 取材/安西繁美
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