PEOPLE

「ととのう」って何?プロが教える【サウナ】の正しい入り方

サウナ愛好家たちがハマる「ととのう」という現象はどんなものなのでしょうか?健康にいいとされていますが、実際に体にはどのような変化があるのか、美容にもメリットがあるものなのかを日本サウナ・スパ協会に聞いてみました。

話を聞いたのは…
【公益社団法人 日本サウナ・スパ協会】
1990年に設立され、2006年に「社団法人日本サウナ・スパ協会」と改称。サウナに関する正しい知識の普及の他、健全なサウナ事業の発展と育成のための研修会などを行う団体。

1:そもそもサウナって?

写真提供:渋谷SAUNAS

最近人気が高まっているサウナは、ロウリュができるフィンランド式の乾式サウナ。ロウリュの蒸気で体感温度が上がるため、よく体が温まり、発汗を促す入浴法です。一般的には70〜90℃の室温が多く、頭部が約90°Cになるものを「高温」、約80°Cになるものを「中温」、約70°Cになるものを「低温」と区別しており、室内に段差ができているところでは、サウナ室の腰をかける高さによっても変わってきます。

サウナの入り方、温度によっての違いとは

・温冷交代浴(高温サウナ⇔水風呂)

一般的な入り方は、熱いサウナと水風呂に交互に入る温冷交代浴と言われており、次のような悩みや願望がある人はサウナに入ると改善が見込めるのでおすすめです。

・スポーツの疲れやトレーニングによる肉体疲労を回復したい
・肩こりや筋肉痛に悩んでいる
・血圧の数値で悩んでいる
・鬱傾向や活力不足
・美肌作りをしたい

温冷交代浴では、酸素の摂取量が増えて疲労回復が促進されたり、血行が良くなって痛みが改善されます。また、自らの自然治癒力を生かして自律神経の働きを活発にして鬱傾向に改善が見られたり、皮膚の整理機能が活発になって美肌になったりと、いいことだらけ!

ただ、高血圧の方や生活習慣病がある人は控えるのが良いでしょう。飲酒して泥酔状態の人は入ってはいけません。

・低温浴(低温サウナのみ)

不眠症で眠れない人や、気疲れ・ストレスが溜まっている人、熱いサウナが入れない人は低温サウナがおすすめ。神経を鎮めて、緊張を解く鎮静作用が働きます。

・くりかえし浴(高温サウナのみ)

水風呂には入らず、高温サウナに入浴して、休憩するという流れを繰り返すもの。発汗作用が高いため、一時的な減量のために汗を出し切りたい人に向く入り方です。

2:新陳代謝が活発になり、健康な体をつくる交代浴で「ととのう」のが醍醐味!

写真提供:渋谷SAUNAS

ととのうとは?

ダイエットや体質改善などの体づくりをしたい人にも、マインド面でリフレッシュしたい人にもおすすめしたいのが交代浴。なぜ交代浴がいいのかというと、それは「ととのう」からです。

サウナにおける「ととのう」とは、体が内側から温められ、体内の血流が良くなり、酸素が脳を駆け巡ってリフレッシュされた深いリラックス状態になることを指します。サウナ、水風呂、休憩を1セットとして繰り返すと、頭がスッキリして浮遊しているような感覚になっていき、この状態が疲労回復や快眠、肌荒れ改善などさまざまなメリットに結びつくのです。

高温のサウナで新陳代謝がより活発に

サウナによる身体機能の変化について、まず高温のサウナに入ると血流が増すことから、脈が速くなる・血圧が上がるなどの身体の各器官に機能が起こります。その結果新陳代謝が活発になり、乳酸などの疲労物質は汗と共に体外に排出されます。循環器系の働きが高まるにつれて、肝機能や自律神経系、副腎の働き、神経ホルモンなども関連しあって、熱気に対応する態勢をつくるのです。こうした身体変化は高温のサウナほど著しく、低温のサウナでは比較的少なくなります。

身体の持つ本来の機能を呼び戻す

体内には、熱測定用に二つ、寒さ測定用に二つ、あわせて四つの体温計があります。一対は皮膚の中にうずまいていて、皮膚の僅かな温度変化を敏感にとらえます。あとの一対は脳の中にあって、体温が上がり、血液温度が上昇すると反応するのです。

サウナに入ると、この四つの体温計が温度を読みとって脳の中枢に伝えます。そして脳の中枢は、血液の濃度、心臓のポンプ作用や血液循環の速度、血圧や呼吸などの働きの調整をし、身体の温度を下げようとします。このような身体の中の恒温装置(サーモスタット)によって、サウナ室温に対応したさまざまな体温冷却の働きが行われているのです。

日ごろ私たちの身体は、夏は冷房、冬は暖房と甘やかされています。自然の温度変化に遭遇しないため、この四つの温度計は使われず、サーモスタットの働きがにぶくなり、季節の変わり目には風邪をひいたり、夏バテ、夏痩せ、熱中症になるなど温度変化に弱くなっているのです。

このサーモスタットを短い時間で強制的に作動させ、身体の持つ本来の機能を呼び覚ますのが、サウナと水風呂の交代浴といえます。都市に暮らす現代人にこそ、サウナによる健康効果に期待が持てるといえるでしょう。

3:汗をかくと体にいいのはなぜ?

写真提供:TEAM美魔女・西田清美さん(52歳)

汗は、全身の皮膚に散在する約200万から400万個の、髪の毛も通さないような細い汗腺から分泌されます。汗には大きく分けて2つの働きがあります。

1:体内の老廃物を分泌して、体や皮膚を清潔にする働き。尿と同じように過剰な塩分や有害な貴金属を体外に排出します。
2:体温を調節する働き。発汗によって体温の上昇を抑え、体全体のクーラーのような役目を果たします。

通常、1回のサウナ浴での発汗量は約300〜400mlで、汗のもたらす健康・美容効果が十分に得られます。

4:サウナの基本的・効果的な入り方は?

①まずは体を洗う

シャワーを頭から浴び、全身をよく洗って、そのあとよく拭いてからサウナ室へ入ります。普通のお風呂でも入る前には「掛け湯」をしてから入るのが当たり前ですが、サウナの場合は体が濡れたまま入ると、水分の蒸発熱で体が冷やされて汗が出にくくなるという機能面での損があります。水分をよく拭き取ってから入った方が発汗がスムーズです。

②サウナ室で体が温まるまでリラックス

サウナに入ったら、体も心もリラックスさせましょう。サウナ室内は上段ベンチに腰かけている場合、足元は約70℃、腰のあたりは80℃、顔のところは90℃くらいになります。営業用サウナでは、ストーブに積まれた石に水を掛け、ロウリュウを楽しませてくれる店も。

一般に入浴時間は、8分から12分程度が最適ですが、初心者や健康に自信がない人は少し短くして自分に合った入り方をしましょう。発汗の仕方は個人差もあり、体調にもよりますが、サウナに入っている時間は10〜15分程度で充分です。長時間(15分以上)入ると、かえって疲労するともいわれています。床や下段のベンチの温度の低い所に長時間いるよりも、上段の温度の高い所で、短時間で汗を出した方が心臓等への負担が少ないでしょう。

③サウナを出たら水を浴びる

写真提供:渋谷SAUNAS

サウナを出たら、足に水をかけ、シャワーを浴び、汗を流して水風呂に入りましょう。もしプールがあれば泳いでもOK。心臓に遠い手や足の先から水を掛け、最後に顔や頭に水をかぶって汗を洗い流します。それから静かに水風呂に浸かってください。いきなり水風呂に飛び込むのは心臓に負担をかけます。気持ちが良くて水風呂の中に潜る人がよくいますが、衛生上おすすめはできません。

また、寒気を感じるまで入る必要はありません。気分良く体が冷えたら、水風呂を出てまたサウナに入ります。「サウナ~水風呂」の往復を3回位繰り返すのが標準的な入り方です。水風呂の温度は、15℃では冷た過ぎで、20℃ではぬる過ぎなので、大体17℃位に設定されています。サウナを出てから湯に浸かるのは、心臓に負担がかかるので避けた方が良いでしょう。

基本的にはこれを繰り返す温冷交代浴が主となります。

④リラックスする「ととのい」タイム

終わりにシャワーか水風呂で体の熱をとります。そして全身をよく拭いてください。体が温まったこの状態でボディケアなどを受けると、より効果的です。サウナを出たら外気浴をするのが理想ですが、外気浴ができない場合も休憩室などで水分を補給し、湯ざめしないように30分くらい安静にして休養しましょう。

5:サウナでととのって健康な体を作ろう!

写真提供:TEAM美魔女・中川絵里菜さん(37歳)

サウナに入ると、身体が本来持っている機能を呼び戻し、病気になりにくいといった健康効果に期待が持てることがわかりました。また、汗をしっかりかくことで美容効果も得られて一石二鳥なのがサウナのいいところです。初心者の方はまず上記の入り方を試してみましょう。ととのう感覚を掴めてきたら、あなたも立派なサウナーです!

こちらの記事もおすすめ

取材/門脇才知有 編集/安岡祐太朗

          FEATURE

          MAGAZINE

          一生元気に!自愛ビューティ

          「ととのう」って何?プロが教える【サウナ】の正しい入り方

          2024年5月号

          2024年3月15日発売

          FOLLOW US

          HOT WORDS

          PRESENT & EVENT