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日本人の寿命が年々延びる一方、健康な体と脳を保つことが重要視されています。他人事ではない認知症のこと、どのくらい知っていますか?美ST世代の今から意識することが大切です!知っておきたい脳と認知症の豆知識を、認知症予防・治療の第一人者である新井平伊先生に教えていただきました。
数種類ある認知症のうち、全体の7割はアルツハイマー型認知症。代表的な症状は物忘れですが、それが病的なものなのか加齢によるものなのかを診断することが肝心。物忘れ外来など、認知症専門医の診察を受けて早期発見することが重要ポイント。
アルツハイマー型認知症の原因は脳内に蓄積されるアミロイドβ。20年以上もかけて蓄積するのが特徴。通常の脳ドックでは認知症の未病段階での検出は不可能ですが、健脳ドックでアミロイドの蓄積を発見すれば、発症や進行を予防することも可能。
平成29年度の『高齢者白書』によれば、2012年の認知症患者は約460万人で、高齢者人口の15%を占めています。厚労省の推計によると、さらに高齢化が進む2025年には高齢者の5人に1人、約20%が認知症になるとも言われており対策が急がれる。
世界レベルで深刻化する認知症患者の増加に対して、WHOが2019年に「認知機能低下および認知症のリスク低減」のためのガイドラインを公表。加齢による認知症の発症を受け入れるのではなく、基本的な生活習慣や行動を変えることでのリスク低減も提唱。
「もの忘れ」〜認知症の重症度分類
アルツハイマー型認知症が発症する前の兆しは、物忘れ症状を自分だけが自覚するSCD(主観的認知機能低下)が最初の段 階。その後、周囲も異変に気づくMCI(軽度の認知障害)を経た後に初めて認知症の発症となる。つまり、発症前の未病段階で発見できれば薬や治療によって発症や進行を遅らせることも可能。
お話を伺ったのは……アルツクリニック東京院長 新井平伊先生
’84年順天堂大学大学院修了、順天堂大学大学院精神・行動学教授を経て’19年より現職。専門は老年精神医学。日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」や「健脳カフェ」を開設するなど、認知症予防、治療の第一人者。
2022年『美ST』6月号掲載
取材/森島千鶴子 編集/小澤博子
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