長澤まさみさん｜コロナ禍以降、日々の何気ないことを楽しめることに気付きました

10代の頃から最前線で女優としての魅力を発揮し続けている長澤まさみさんが美STカバーに初登場！一瞬にして周囲を照らすキラキラ笑顔と圧倒的なオーラはまさに太陽のような人。抜群のパーフェクトボディで魅了する長澤さんの綺麗の秘密、教えてもらいました。

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私、どちらかと言うと控えめでシャイなタイプで、特に仕事を始めた13歳の頃は、無愛想でした。緊張して、固まっていただけなのですが、「怒っているの？」とよく言われました。仏頂面していましたね。面白いことがあって、自分では最大限笑っていても「全然面白くなさそう」って指摘されて、大袈裟に笑うように意識したら、「笑いすぎているけど大丈夫？」と。「どう笑うのがちょうどいいんだろう？」と、迷走していた時期がありました（笑）。でも徐々に笑顔や表情を褒めてもらえるようになって、自然に笑えるようになっていきました。生きているとイライラすることもあります。でも今日の撮影のように、笑った方が自分も周囲も楽しくてポジティブになれるし、やっぱりニコニコしていた方がいいとつくづく思います。笑顔、大事ですね。

今は本当に毎日が楽しいです。コロナ禍以降、大きな幸せを求めすぎなくとも、日々の何気ないことを楽しめることに気付きました。昔はお茶の時間なんて好きじゃなかったのですが、最近はホーリーバジル茶と柿の葉茶がお気に入り。ガラスの耐熱容器のポットで茶葉をゆっくり抽出させ、1日中飲んでいます。このポット、キレが悪くてポタポタこぼれるの。でもとても可愛いの。こんな些細な時間が楽しいです。ホーリーバジル茶は体の錆びを抑える抗酸化作用たっぷりで疲れが取れます。柿の葉茶はローズヒップよりビタミンCが豊富。体を作るすべての成分に作用するビタミンCさえ摂っておけば、美容にも健康にもよく、捻挫にも効くそう。ビタミンC最強説を信じてます（笑）。健康への意識は強くて、最大限気を付けています。

心身ともにくすませないために、大事にしているのは細胞から喜ばせること。それには美味しいものを食べることかな。できるだけ自宅で食べるようにしているのですが、決して贅沢なものではなく、普段はごはんとお味噌汁と小鉢で十分。時間があるときは魚を焼いたりします。今思うと、20代の頃は食べすぎていました。贅沢しすぎていたんです。必要以上に食べると、余計食べたくなる現象を感じて、食生活を見直しました。まずよく嚙んで、なるべく自分で作ってシンプルに。するとちょうどいい量がわかり、たくさん食べなくなると、むくまなくなり、体調が整いました。年齢とともに体の肉の付き方が変わり、体との向き合い方も変わります。以前と同じではだめですね。食生活は本当に大事だと思います。とはいえ食べることは大好きだし、新しいごはん屋さんを友達と試してみるのも大好き。メリハリをつけて楽しみたいですね。

今凝っているのは料理家の谷尻直子さんのレシピ。ささみと切り干し大根とほうれん草をマヌカハニー、魚醬、ごま油で和える谷尻さんのレシピはお気に入り。洗って戻して絞るだけの切り干し大根の食べ方、大好きです。あとは、小堀紀代美さん、飯島奈美さん、ライターarikoさん、そして、ともさかりえさんのレシピも作ったりします。お味噌汁も昔は具沢山で作っていたけれど、汁を飲みたいのか具を食べたいのかどっちつかずで、今はなめこだけ、豆腐だけ、と1種類の具材を好んでいます。お出汁もきちんととる時もあれば、出汁パックに頼る時もある。甘いものを食べるならデーツをセレクト。自然と体に優しいものを選ぶようになってきました。そんなふうに日々の何気ない出来事を楽しむことがポジティブで一番学びが多いんじゃないかなと思っています。

2022年『美ST』5月号掲載
撮影／三瓶康友　ヘア／KENICHI（eight peace）　メーク／スズキミナコ　スタイリスト／上杉美雪（3rd）　取材／安田真里　編集／漢那美由紀