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女優・瀬戸朝香さん「必ず道は開ける。だから子供達のために今は育児に励みます」

女優の仕事をセーブし、今は子供達のために育児中心の生活を送っている瀬戸朝香さん。自分だって仕事したい!そう思うときもあったそうですが、子供達から返ってきた言葉で、我に返った瀬戸さん。前向きで明るい瀬戸さんの笑顔の秘訣を教えてもらいました。

周囲の活躍に焦ることもあるけれど、前を向いていれば必ず道は開ける

《Profile》
’76年愛知県出身。コーセー化粧品「ルシェリ」のCMで注目され、翌年月9ドラマ「君といた夏」のヒロインに抜擢。以降ドラマ「Age,35 恋しくて」「成田離婚」「離婚弁護士Ⅱ〜ハンサムウーマン〜」など、人気ドラマ、映画、CMに数多く出演し、香港映画への出演経験もある。’07年に結婚し、11歳と8歳の2児の母として、仕事と家庭を両立している。

「ママだって仕事したい!」そう漏らした言葉を受け止めてくれた子供達のために今は育児に励みます

ワンピース¥26,400(スタイリング//styling/ ルミネ新宿1店)ネックレス¥297,000 ※参考価格(ティファニー/ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)

30歳で結婚、33歳で長男、36歳で長女を出産しました。お仕事も時々させていただいていますが、今は子育て中心で、仕事はセーブしています。自ら選んだことですが、子供との生活はイレギュラーなことばかり。ほんともういい加減にしてよって、しょっちゅう怒っているし、思い通りにいかないストレスも溜まっています。自分中心の生活ができていた時の感覚を覚えているからなのかな。

昔、共演した同世代の女優さんがテレビで活躍している姿に刺激を受けることも多くて。私も仕事中心の生活をもう一度したいなと葛藤した時期もありました。それである日、息子に怒ったとき、「ママだって仕事したいよ」ってつい漏らしちゃったんです。そしたら「ママ、仕事していいよ。僕たち大丈夫だよ。学校から1人で帰れるよ。何でもできるから大丈夫」って必死で言うのです。ハッと我に返り、切なくなって、私がいないと生きていけない子供が目の前にいる、この時期は二度と帰ってこないのだから、この子たちと一緒にいたい、って改めて実感しました。

「大丈夫だよ。ママはみんなが大好きで一緒にいるから仕事はしなくていいんだよ」と言いました。仕事に関しては若干寂しさもあるけれど、撮影でメークして帰宅すると「お仕事だったの?可愛い」って喜んでくれます。私にとって子供たちはかけがえのない存在であり、輝ける秘訣でもあるのだと実感しています。考えてみれば子供を通して、ママ友とも出会い、思わぬ世界も広がりました。お友達家族ともよく集まるのですが、子供たちの学校が異なるので、愚痴も言いあえるありがたい存在です。仕事をフルにしていたら得られなかった楽しい時間が過ごせる幸せも嚙みしめています。

家族を支えることは大きな幸せ。でもいつだって方向転換できるように前を向いて進んでいきたい

ワンピース¥103,400 ※参考価格(コー/イーストランド)バングル¥202,400 ※参考価格(ティファニー/ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)

デビューのきっかけはスカウトでした。15歳で、半年の期限付きで1人で上京。ホームシックが激しく、泣いて母に電話したり、事務所の社長と帰る帰らないを押し問答したり。今振り返っても、あの頃は本当に辛かったです。

転機が訪れたのが、19歳で24歳の女性を演じたドラマ「Age35」。24歳の歩き方や喋り方を求められ、一生懸命勉強したのですが、撮影中は監督からダメ出しの連続。でも最後の打ち上げで「よく頑張った」と褒めていただき、女優としての覚悟が決まりました。この経験が私の原動力となり、結婚してからも頑張れたのだと思います。

今だって、辛いことも嫌だと感じることもあります。しかもコロナ禍なので余計にそう感じてしまうこともあって。でも暗くなるとどんどん暗くなるでしょ?悲しむ時間は必要だけど、小さいことでいいから、できることを探したり、考えを少し変えてみると道が開けるのを感じます。自分を奪い立たせるのってとても大変だけど、無理してでも楽しい方向に持っていかなきゃ。若いときはガンと落ちて、上がり方もわからなかったのに、そんな考えを持てるようになりました。

それは子育てをしているからだと思うんです。子供たちの見本にならなきゃいけないし、変なことも言えないもの。結果、私は自分を正せたのだと思います。子育てが一段落したら、もう少し生活をお仕事にシフトしていけたらなと思っています。私の居場所があるかは、ちょっぴり不安になるけれど、きっとどのお母さんも通る道。できることはあるはずと信じています。

悩んでなんかいないで、人生は楽しまないと損。しっかりと前を向いて進みたいと思います。今夜も子供たちと顔を合わせて、ご飯を食べてお喋り。食べ終わりにお決まりの「ごちそうさまでした。美味しかったです」の言葉を聞く瞬間が幸せです。

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2022年『美ST』3月号掲載
撮影/三瓶康友 ヘア/山本リエコ(TWIGGY.) メーク/佐々木貞江 スタイリスト/辻 直子 取材/安田真里 編集/漢那美由紀

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女優・瀬戸朝香さん「必ず道は開ける。だから子供達のために今は育児に励みます」

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