PEOPLE
自らをユーモラスに『ちょうどいいブス』と呼ぶ、お笑い芸人の山崎ケイさん。背伸びをしすぎず、卑下するのでもない「ちょうどいい」という価値観は、美容や人生観にも反映されているそう。自分の立ち位置を知っているからこそできる気遣いが、女性の共感を集めています。自身をそう呼ぶようになったきっかけのエピソードや、美容に対するこだわりを教えていただきました。
自ら名付けたキャッチフレーズは「ちょうどいいブス」。同名の著書がテレビドラマの原作になるほど共感を得た理由は?「私、ずっと自分のことを『美人でもないけどブスでもない』って思って生きてきたんですね。だけど、この世界に入ってある日突然、優しい先輩芸人さんに『いや、お前はブスに寄っているぞ』って言われたんです。人生で面と向かって『ブス』って言われたのははじめてだったし、ショックで納得いかなかったんですけど、そのあと『でも、ちょうどいいけどな』って言ってもらって。その一言で周囲も大盛り上がり。その時以降、自分の身の置き場はここだなってわかり精神的にも楽になりました。女友達からは『私が男だったら彼女にしたい』って言われることも増えましたよ。男じゃないから、実用性ゼロなんですけどね(笑)。今の世の中、自分とは本来無縁の世界もネットなどを通じて見えてきてしまうじゃないですか。そんな状況でモテ界=美人界を前提基準にして生きていたら大半の人は辛くなるけれど『私は〝ちょうどいい〟だから』って知ると自分のことを否定や卑下することもなく、居場所を見つけられる人って多いと思うんですよ。私は自分が『ちょうどいいブス』であることを認め、自ら発信するようになってからモテるようになりましたよ。『ちょうどいい』ってかなり使えるんですよ。ユーモアのある女だってアピールもできるし。具体的には美容だったら、香水じゃなくてヘアオイルやシャンプーの香りを。口紅を頻繁につけ直すことは目に付くからやめて、歯につかないティントリップで一日過ごす、ということです。私が提唱して共感を得たと実感したのは、トイレットペーパーチャレンジです。トイレットペーパーって自分が使い切ってしまった状態で個室から出ても誰も見てないし、面倒だからいいかってなりますよね。でも私は率先して隣の個室の分も換えるくらいしてます。小さなことですが、徳を積んだ気持ちになれるんですよ。この話をしたら、すごく賛同を得ることができました。これからはマイナス10歳じゃなくマイナス5歳くらいを目指し年相応に生きていきたいですね。〝丁寧〟よりも〝普通〟の生活をしっかり見直して暮らす。それが自分も周囲も楽で精神的に豊かにしてくれる『ちょうどいい』生き方だと思うんです。
NSC東京校13期生。M-1グランプリ2016決勝進出。ヘア・メークはプロに任せて美人に近づけるより、自分で手がけた方がちょうどよく仕上がると、常にセルフ。撮影は以前に山﨑さんがアルバイトをしていた東京・神楽坂の『スナック コア』にて。
いいね!ポイント
1 自分の立ち位置を知った上での行動基準
2 周囲にそれとは気づかせない控えめな美容テクニック
3 人の見ていない部分でも率先して行動をする気遣い
毎日のセルフメークで欠かせないのがトレードマークでもある自然なウェーブがしっとりと長時間キープできる「絹女」のヘアアイロン。
香水の香りは美人のものだと思っているので、香りはヘアケアアイテムを使い、ほんのり香るアヴェダのニュートリ プレニッシュで。
2022年『美ST』3月号掲載
撮影/吉澤健太 スタイリスト/亜喜子 取材/安西繁美、柏崎恵理 編集/伊達敦子、佐久間朋子
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