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マスクやホコリで伸びる!?意外と知らない【鼻毛】の常識!

マスクを外すと何だか鼻毛が気になる…と思った方は意外と多いはず。特に40歳を過ぎたら、鼻毛が伸びてきた気がするという声も。でも、女性の鼻毛ケアは意外と知られていません。処理をしていいのか?そもそも、なぜ伸びるのか?今さら聞けない鼻毛の常識を耳鼻咽喉科のドクターにお聞きしました。理想の鼻毛で、抜かりのない美人を目指しましょう!

マスクのせいで鼻毛が伸びるってホント?実はホルモンバランスが関係していた

マスク生活が続いたこの3年の間に鼻毛が伸びた!と思った方もいるかもしれませんが、マスクのせいで伸びたというのは医学的には考えにくいこと。他にもニオイや煙草、ホコリのせいで鼻毛が伸びやすいという話もありますが、実はこちらも医学的根拠はありません。

40代50代女性で鼻毛が伸びたと感じる場合は、毛周期やホルモンバランスが関係している可能性が高く、もしかしたらマスクではなく世代の問題かも。
髪の毛などの他の毛に比べて、比較的生え変わりが遅いのが鼻毛。急に伸びてしまうということは考えにくいですが、男性ホルモンが多いと、その周期が早まる可能性があるんです。40歳を過ぎるとどうしても女性ホルモンは減少してしまうため、その結果、鼻毛が伸びやすくなったということは考えられるでしょう。

耳鼻咽喉科専門医、補聴器相談医。慶應大学耳鼻咽喉科入局後、東京都済生会中央病院、国立成育医療研究センター、山王病院で勤務。2017年にエムズクリニック白金を開業。趣味は茶道(師範)。

そもそも、鼻毛って何のためにあるの?2つの大事な役割

鼻毛の最も大事な役割は、ホコリや花粉、ウイルスなどの異物が鼻から体内に侵入してくるのを防ぐこと。仮に何か異物を鼻で吸い込んだとしても鼻毛がキャッチしてくれるので、体内への影響はほとんどありません。
そしてもうひとつ、加湿器のような役割もあります。鼻毛は鼻腔内の温度や湿度を一定に保ってくれるので、鼻の粘膜を乾燥から守ることができます。また、乾いた空気が喉に直接入るのを防ぐため、風邪や病気の予防にも。
鼻毛は常に私たちの体を守ってくれる、なくてはならない存在なのです。

鼻毛の毛周期は?

私たちの体に存在している毛には、生え変わるリズムがあります。このリズムは「毛周期」と呼ばれていますが、もちろん鼻毛にも存在します。
例えば髪の毛周期は、女性で大体4~6年。それに対し鼻毛の毛周期はもっと遅いと言われています。

ですが、鼻毛は男性ホルモンの影響を受けやすいもの。年齢を重ねて女性ホルモンが減少すると、男性ホルモンが優位に。その結果、毛周期が早まる可能性はあります。
体毛の濃さとも比例すると言われているので、体毛が濃くなってきたと感じたら鼻毛の毛周期も早まっているかもしれません。

ドクターが解説!「理想の鼻毛」の作り方

理想の鼻毛は「毛先が鼻の穴の入り口から5mm奥にある状態」

鼻毛のケアは、鼻の穴の入り口から5㎜までを整えるのが、まさに理想の状態!
まずは顎を軽く上げて鼻の穴を開き、しっかりと今の鼻毛の状態をチェックしましょう。この時、鼻からはみ出している毛があれば、手前から5㎜を目安にカットしていきます。

5mmより奥の粘膜のところまでカットしたり、脱毛やワックスなどで処理するのはあまりおすすめしません。粘膜を傷つけてしまったり、必要以上に鼻毛が減ってしまうため、風邪などをひきやすくなる可能性も。
あくまで「はみ出たところをカットする」という意識で処理するのが理想の鼻毛への最大の近道です。

鼻毛処理=男性がするものというイメージが…女性も処理したほうがいいの?

男性ホルモンの関係で、男性のほうが鼻毛が伸びやすいと言われています。そのため、女性に比べて男性は鼻毛のケアが必要になる場合が多く、鼻毛処理=男性というイメージもあるかもしれません。
ただ、女性も40歳を過ぎると女性ホルモンが減少することで少し伸びやすくなる可能性があります。美的な観点で言えば、気になる場合は女性もケアしてもいいでしょう。

ケアの方法や頻度など、鼻毛の処理の正解は?

鼻毛は本来「ある」のが普通!必ずしもカットしなければいけないわけではありません。基本的には、出ているのが気になったタイミングでケアすればOK!

処理をする場合は、まず顔の下に鏡を置き、少し顎を上げて鼻の中がしっかり見えるような姿勢で行います。そして鼻の穴の手前5㎜くらいまでを目安に、はみ出ている毛のみをカット。先の丸くなった鼻毛用のはさみや電動の鼻毛カッターであれば、慣れていなくても安心して使えるのでおすすめですよ。
反対に、先のとがったはさみなどは粘膜を傷つけてしまう可能性があるので使わないように注意しましょう。

ケアをする時の注意点

鼻の粘膜を傷つけないことがとにかく大切!鼻から1㎝より奥には下鼻甲介(かびこうかい)という粘膜があるので、奥までケアするのは危険です。粘膜を傷つけてしまうと、鼻血や感染症、毛嚢炎(もうほうえん:毛穴の奥の毛根を包んでいる“毛包”や“毛嚢”に炎症が起こる病気)を引き起こしてしまうことも。

しっかり鼻の中が見える状態(ブラインドでのケアは絶対NG!)で、鼻の穴から5㎜まで、を必ず守ってケアしてください。また、気になるからと言って頻繁にケアをしすぎてしまうと、風邪をひきやすくなるなど体調に悪影響を及ぼす可能性が。鼻毛は他の体毛に比べて毛周期も遅いため、そこまで神経質にならなくても大丈夫。毎朝のメイクの時になんとなく気になったタイミングで、くらいの気持ちでケアするのがおすすめです。

医師に直撃!鼻毛Q&A集

Q1:鼻毛が伸びるのを防ぐ方法はある?

ホルモンバランスと毛周期は密接に関係しているので、女性ホルモンを増やすことで伸びにくくすることができるかもしれません。特に40歳を過ぎると、女性ホルモンは一気に減少してしまいます。年齢を重ねて伸びやすくなったと感じる場合は、ホルモンバランスを意識してみるといいでしょう。日々の食生活はもちろん、プラセンタ注射やサプリメントなどでも女性ホルモンは補うことができますよ。

Q2:「タバコを吸うと鼻毛が伸びやすい」「空気が汚いところでは鼻毛が伸びやすい」はホント?

たまに耳にすることはありますが、これに関しては、医学的根拠はありません。ただし、ホコリなどの異物に触れる機会が多いと、鼻毛がそれらの異物をキャッチして抜け落ちやすくなります。その結果、生え変わりの回数が増えるので伸びたと感じる場合はあるかもしれません。またニオイに関しても、鼻毛との関係性はありません。

Q3:「上を向いて鼻毛を処理したら、喉に毛が落ちてきた」という人も…これってありえるの?

本来、鼻毛は前に向かって生えているため、切ったら前に落ちるはずですが、量などによっては後ろに落ちてしまうことは考えられます。
ただ、万が一体内に入ってしまったとしても、自然に体外に排出されるか胃酸で分解されるので心配しなくて大丈夫。喉の違和感は多少あるかもしれませんが、通常は自然に出ていくので気にしなくていいでしょう。

Q4:鼻毛を抜きすぎるとどうなるの?

鼻毛を抜きすぎると、ホコリや花粉、ウイルスなどをキャッチできずに、体内に侵入させてしまいます。実際に、鼻毛を抜きすぎて風邪をひきやすくなった、という相談も以前ありました。花粉に関しても同様で、花粉症が悪化してしまう可能性があるため抜きすぎには注意しましょう。
また、鼻毛脱毛というのも最近よく聞きますが、こちらも医学的観点からはおすすめできません。鼻毛は「ある」のが普通ということを忘れないように!

Q5:鼻毛で悩んだら、どこの科に行けばいい?

鼻毛の悩みは耳鼻咽喉科か皮膚科か、少し悩んでしまいますよね。ですが気になることがある場合や、ケアした結果炎症を起こしてしまった場合など、何かあれば耳鼻咽喉科での診察も可能です!実際に、耳鼻咽喉科に鼻毛の相談で来られる方もいらっしゃいます。
鼻毛の悩みは、友人や家族にはなかなか相談しにくいという方も多いはず。何か気になることがあったら、ぜひ一度耳鼻咽喉科で相談してみてくださいね。

写真提供/PIXTA 取材/mimiko 編集/永見 理
※写真はすべてイメージカットです。

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