三倉茉奈さん・佳奈さん（39歳）「おばあちゃんになっても歩いて行ける近さに住んでいたい」

40代を目前に控えた俳優・三倉茉奈さん、佳奈さん。お2人が一緒に歩んできた39年の歴史の中でも、今が一番良い距離感で、「2人揃えば、1足す1で2どころか3にも5にもなれる」と笑顔で語ります。“ふたりっ子旋風”から約30年、お互い大人として精神的にも自立した今思う、それぞれの存在の大切さ、そして今後の展望についてまでうかがいました。

――大学を卒業後は東京に拠点を移されたんですか？

佳奈さん（以降佳奈）：大阪と東京を仕事で行ったり来たりしていました。関西で仕事がある時は実家から向かいましたし、関東で仕事がある時は２人で東京のマンションの部屋を借りて、そこから。

茉奈さん（以降茉奈）：佳奈が結婚するまでその部屋は借りていましたね。結婚で佳奈は旦那さんとの新居に、私は１人暮らしのための部屋に引っ越しました。家具とか電化製品、食器類とか、全部じゃんけんして平等に分けたんですよ（笑）。

佳奈：そうそう（笑）。食器類が終わったら洋服、そして靴、それが終わったら電化製品、みたいに。あの時勝ち取ったテレビは今も我が家で使っています。

茉奈：物持ち良すぎ！（笑）

――今、お2人はご近所にお住まいなんですか？

茉奈：今は、気合を入れれば自転車で行ける距離ですね。26歳の時に1人暮らしをするために部屋を探しましたが、「佳奈の家までどれくらいかかるかな？」と、間取りとかよりもまずそこを考えていました。

佳奈：将来お互いおばあちゃんになったら、歩いて行ける距離に住んでいたいですね。

茉奈：佳奈と一緒に生まれて39年経ちましたが、これまでの人生の段階で、その時々で異なる距離感が私達にはありました。これからも変わり続けていくんだと思いますが、今はっきり言えることは、今が一番良い距離感だということです。

佳奈：本当にそう思います。未熟ではありますが大人になり、家庭と仕事があって、人生経験からくる余裕も全くないわけではない。昔はお互いに頼りすぎたり任せすぎたりした部分もあったのですが、最近ようやく精神的にも自立ができたんじゃないかな、と思っています。

茉奈：足りないところを補い合ってやっと“1”だった私達ですが、今は1と1というか、むしろ2人揃えば“3”にも“5”にもなれる気がしていて。刺激し合って高め合える、それが今の“マナカナ”なんじゃないかな（笑）。

――これから挑戦したいことはありますか？

茉奈：大人になって経験値が増えたことで、自分に合う合わないがわかってはきたけれど、とはいえ合わないことに目を背けないようにしたいなと思っています。私は結構苦手なことが多くて、実はへなちょこだし、体力がないから運動嫌いで超インドア派なのですが、結婚する前の31歳の時に神戸マラソンに挑戦しました。超インドアの私が（笑）。

佳奈：あれ、すごくびっくりした！茉奈って私より体力ないはずなのに、って。

茉奈：足を痛めつつのゴールではあったのですが、42.195kmを何とか完走できて、その時の経験がすごく自信になったんです。それまでは自己肯定感が低いというか、苦手なものを避けていたからこそ自信がなかったし、自信のなさを隠そうとして妙に人に対して明るく振る舞ったりして、「茉奈ちゃんって悩みがなさそうだよね」なんて言われたり。もしかするとそれが私の社交性の正体だったのかもしれませんね。だからもっと自分に向き合おうと思って。
その一環で1年前からキックボクシングを始めました。娘がアクティブなので、体力を追い越されないようにしないと！と奮闘中です。でも根詰めたりはしないで、ちゃんと休むことも大事だなと。40代を目前にして特に思います。

佳奈：私はこれから年齢を重ねていくのがとにかく楽しみ。体力は衰えていくけれど、子供の成長が見ていて本当に楽しくて。子供達は2人とも野球をやっていて、私もキャッチャーとして2人の相手をしたり、成長するにつれて一緒にできることが増えていくのも嬉しいですね。
俳優としては、茉奈の言っていた自分に合う合わないではないけれど、自分自身を決めつけないようにしたいです。これまでは自分に合う役はこういうもの、と決めつけていた部分があるのですが、それを取っ払って、求めていただいた役を柔軟に対応できる俳優になりたいと思っています。俳優に限らず、いろんなことに挑戦していきたいですね。フルマラソンは無理かもしれないけれど（笑）。

撮影／田中瞳　ヘア・メイク／Hitomi（Chrysanthemum）　スタイリスト／日奈子　取材／キッカワ皆樹　編集／浜野彩希