PEOPLE
年齢を経てもずっと変わらない気さくな人柄とピュアな透明感は母歴10年を迎えた今でも輝きを増すばかり。子育て中の心の揺れも苦悩も、ありのままに語ってくださるその賢明な姿は同世代の女性たちの心の拠りどころとなっています。今年は育児の節目も迎え、より意欲的に前進する菅野美穂さんに飾らない等身大のお話をうかがいました。子育てを通じて変わったと実感したこととは?
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《Profile》
’77年埼玉県出身。’93年女優デビュー後、’95年NHK 連続テレビ小説「走らんか!」のヒロインを演じ注目を集め、’96年ドラマ「イグアナの娘」で話題に。エランドール新人賞大賞など受賞多数。ドラマ「働きマン」「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」「ゆりあ先生の赤い糸」、連続テレビ小説「ひよっこ」、映画『大奥 右衛門佐・綱吉編』『明日の食卓』『ディア・ファミリー』など幅広く活躍。
長年芸能界という、毎回違う場所に行き、違う人と仕事をして、180度違う仕事内容で…な世界が当たり前で生きてきました。だから、日々同じことをコツコツとこなす家事や育児を通しての経験は、自分の中に全くなかった価値観をくれました。経験するまではベビーカーを押すお母さんを穏やかで幸せそうで微笑ましく見ていたけれど、ごく当たり前に見える日常って全然当たり前ではなくて、それを築くには、忍耐と気力と根性がいることを痛感しています。
今年は4回目の年女。思い描いていた48歳ってもっと落ち着いて成熟していましたが、それでも落ち着きが少しでも生まれたのは、私の場合は子育てを経験しているからだと思います。
逆に仕事への意識も変わりました。実情は出産前に描いていたほどの量はできていませんが、15歳から1つのことをコツコツと積み重ねてきた自信がようやく持てるようになりました。幼稚園のお手伝いを通して、パソコンもできないし、多分他の仕事は何もできないと思うので。女優を辞めようと思った時期もありましたが、子育てが終わっても人生は続くし、コツコツ経験を積み重ねることが結局は一番大事なんですよね。
私は目標があったわけではなく、ただ必死で演じてきただけですが、気がつくと今でもドラマや映画で主演をいただけて、本当にありがたいと思っています。だから10年後も、理想を描くより、目の前の仕事を一生懸命頑張った結果、どんな私になっているかを楽しみにしています。もうちょっと稼働していたいですが。
今年はもう1つの節目もあって、長女が卒園しました。卒園式で園長先生が私に「お母さんは、真面目さとノリの良さが印象的でした」と言ってくださったんです。私自身はもともと真面目に行動するのが苦手なほうだと思っていたけど、育児を通して、利子を揃えて返すように苦手なことをも回収できた気がして。人生は辻褄が合うようにできているのかな、と。はなむけの言葉のように思えてすごく嬉しかったですね。
本当は夫婦でちょっといいレストランに行って記念の食事でもしたかったけど春休みでバタバタ忙しく、予約もできなくて先延ばし。自分へのご褒美は幼稚園最後の年に、幼稚園に行くときに着る紺色の洋服に合うシルバー&ホワイトのイヤリングを買いました。それを纏って卒園式に出席した感慨はひとしおで、今でもバタバタしているけど、そんな中でも節目は来るのだと温かい気持ちになりました。
「40代半ばまでは、今日は何が入っているかな? とロケ弁が楽しみでしたが、最近はお米少なめのおかず中心で、揚げ物はなるべく控えるように。そのお陰かな? 今日は二の腕が出せる衣装を着られました(笑)」。
カーディガン¥59,400スカート¥506,000(ともにCFCL/CFCL OMOTESANDO)ネックレス¥330,000バングル[左手ゴールド]¥96,800バングル[ダイヤモンド]¥985,600ブレスレット[右手]¥129,800リング[左手]¥83,600[右手人さし指]¥88,000(すべてヒロタカ/ヒロタカ 表参道ヒルズ)サンダル¥41,800(ピッピシック)
8/8公開の異色モキュメンタリー映画『近畿地方のある場所について』(8/8 公開)で赤楚衛二さんとW主演を務めています。「心霊スポット撮影もありましたが全く霊感がなく何も見えなかった。でも見えない世界は信じています」。
2025年『美ST』8月号掲載
撮影/三瓶康友 ヘア・メイク/岡野瑞恵(STORM) スタイリスト/青木千加子 取材/安田真里
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