PEOPLE
バラエティ番組でのコメント「白って200色あんねん」というキラーフレーズがバズって以来、さまざまな発言が注目の的のアン ミカさん。彼女のポジティブ思考は、悩みだらけで八方塞がりの美ST世代を根本から救ってくれる、目からウロコの“逆転思考”。「人生に起こる物事を信頼する」「若い時の苦労は全てギフト」と話してくれた本誌の「人生の金言」企画も大きな反響を呼んだ、アン ミカさんが語る“40代からでも遅くない、幸せ体質に変われる方法”とは?
お話をうかがったのは…アン ミカさん(54歳)
《Profile》
大阪育ち。1972年生まれ。テレビで多数MCを務めるほか、CM、ドラマ、映画に出演するなど俳優としても活躍。「ポジティブ手帳2026 365日、アン ミカ思考で幸運体質!」(¥1,980 小学館)が大好評発売中。
今私が言葉の力を大切にできているのは、若いころの様々な経験のおかげかもしれません。幼いころは苦労が多く「なぜ、私ばっかり」と被害者意識にさいなまれることも多くありました。お家が裕福とは程遠く、家族七人、4畳半の部屋にぎゅうぎゅうになって住んでいましたが、親の愛情には恵まれていたので、心明るく楽しく暮らしていたと思います。両親はともにクリスチャンで多くのものを持たない「清貧」を大切に生きていて、人のお世話をしてしまう人達でした。ですが、私が8歳のころから不運が重なりだし、病気や実家の火事などにあい、兄弟が親戚の家などにバラバラに預けられる生活に・・・。10代は家族で看病や介護に携わり、8歳から29歳までずっと病院に通い続けていましたね。学校の授業料が払えず、兄と姉が新聞配達を始めて、私もそれについていくようになり、そのうちに自分一人で担当することに。私は特に教会の神父様にとても良くしていただき、「神様は本当にいるの?それなら善行を積む人になぜ不幸が訪れるの?」と尋ねたんです。すると神父様は「起こるハプニングを信頼してください。」と仰いました。それが当時の私にとても響いて…。「神様は乗り越えられない壁は与えない。若い時の苦労は全部ギフトです」と。
「若い時に苦労をすると、どうにか壁を乗り越えようと、知恵と工夫と器が身につく。誰よりも先にいろいろな物事を経験した人こそ、同じ境遇になった人に寄り添ってあげられる。愚痴を言うよりも、目の前にある時間を工夫して楽しめば、神様からもらったチャンスを活かすことができ、未来につながる」と。その言葉を聞いてからは、早起きして余った2時間で皆のお弁当を作る姉の手伝いをしたり、授業の予習や陸上の練習をしたりしたんです。状況のせいにしてドロップアウトせずに勉強したおかげで、塾に行かず進学校に入学することができ、陸上でも好成績を収めることが出来ました。陸上を頑張ったこともあって、心も体も強くなり、おかげ様で15歳から始めたモデルのお仕事は、自分の体調不良が原因のキャンセルは一度もないですね。
早く経験したことと言えば、両親の死もそのひとつです。両親のお墓を建て、親のルーツを詳しく知るために、2001年に初めてきょうだい全員で韓国の済州島を尋ねました。しかしきょうだい全員があまり韓国語を話せなかったこともあり、親戚とうまくコミュニケーションが取れなかったんです。お墓は建てられたのですが、自分たちのルーツを詳しく知ることが出来なくて…。そこで時間をかけて韓国語をちゃんと勉強しようと決意し、留学という道を選びました。当時は韓流ブームなど考えられない程、韓国と日本の民間人の交流が無かった時代。「なんでパリとかじゃなくて韓国なの?」という声が周りに多かった程です。
私が留学をした三か月後に、2002年日韓ワールドカップ開催が訪れました。その1年半後に日本でもドラマ「冬のソナタ」の大ヒットがきっかけとなり、第1次韓流ブームが訪れます。私は、韓国に留学している間に、そのドラマを見ていましたし、健康法からコスメなどの韓国美容も、ある程度網羅していました。そのおかげで当時の日本にはなかったカタツムリの分泌液配合などの画期的な化粧品を後にプロデュースすることになったり、ドラマの解説などで韓国文化を日本に広めることが出来ました。両国の架け橋になった気がしてとても嬉しかったですね。さらに嬉しかったのは、それまでお互いに良さをそこまで知らなかったお隣の国同士が、キレイになりたいという同じ目的で、手をつなげるようになったこと。食事が美味しい、化粧品がいいなど、いいところを紹介しあい、自然と手を繋いでいけた。そしてエンタメでも通じ合うようになり、自身も韓国観光名誉広報大使として両国の架け橋になれたことは誇りです。自分のルーツを知ることが出来なかった初の済州島訪問は苦労しましたが、そのおかげで韓国に留学し、美容から文化まで深く知ることができました。それが今の私の仕事にも繋がり、「人生に無駄なことは一つもない。むしろ成長するために必要なことなのだ」と思えたのでこの経験に感謝しています。
もし、皆さんが日々の生活の中で「なんで私ばっかり」と今ある状況に対して、被害者意識を持ち、苦しむ人がいるとすれば、まず被害者意識を手放し、起こる出来事を信頼するよう努めてみて下さい。状況に負けず視点を変えて、今できることに一生懸命取り組むことで、それが必ず役に立つ日が来ます。「高い壁を乗り越えたとき、その壁はあなたを守る砦となる」というガンジーの名言があるように、どんな経験でも味方になってくれる日が来る。だから決して悲観して被害者意識で自暴自棄になったり、人を羨んで自分を追い詰めないでください。逆境の経験こそ、その後の自分の支えになる知恵と工夫を身につけるチャンスなのです。
私の人生は若い頃はどちらかというと物質的に恵まれない環境だったので、今はどんな状況にあっても「恵まれているな“ありがたい”」と感謝に立ち返ることが出来ます。ありがたいとは漢字で書くと「有り難い」と書きますが、その字の通り、「有ることが難い(難しい)」ということかと。例えば何かを買いに行った際に、10色あると聞いていたのに3色しかなかったら、「話が違う」と怒る人がいます。でも、3色あるならそこから選べばいい。他の色が欲しければ他の店に行けばいい。それだけ。シンプルだと思うんです。私なら「しゃあないなあ、これはこれで運命かな」と受け入れて3色から選びます。無いことに腹を立ててイライラや愚痴の時間を多く持つのではなく、切り替える。他の店に行く。そんな風に、心の立て替え方が上手になれば、見える景色も明るくなるのが早くなってくると思いますよ。
撮影/佐藤航嗣(UM) ヘア・メーク/K.Fukumoto(&’s management) スタイリスト/加藤万紀子 取材/柏崎恵理
《衣装クレジット》
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