PEOPLE
真打昇進をして2年目を迎えた大人気落語家、林家つる子さん。今年39歳を迎えた美ST世代でもあります。働く女性として仕事に邁進する中で、恋愛観や結婚観に変化はあったのでしょうか?
つる子さんの理想の男性像や結婚生活をはじめ、日常を支える愛用品の数々、そして今後の落語家としての青写真についてまで、たっぷりお届けします!
《Profile》林家つる子
1987年6月5日生。群馬県出身。中央大学に入学後落語研究会に所属し、落語と出会う。在学中からその頭角を表す。卒業後は9代目林家正蔵に弟子入り。2015年に二ツ目昇進。2024年3月下席より、抜擢で真打に昇進。女性落語家での抜擢真打は史上初の快挙であり、12人抜きの異例の早さとなる。女性を主人公に据えた古典落語の再構築など、彼女ならではのエモーショナルな高座に定評がある。2025年には第42回浅草芸能大賞新人賞を受賞。2026年には落語での全国ツアー第一弾も成功させるなど、今最注目の落語家のひとり。
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好きな男性のタイプですか?そうですねぇ、好みのタイプは笑ってくれる人、そして、落語家という仕事に理解のある方ですかね。特殊な仕事ですし、高座で帰りが遅くなることや、約束の時間に帰れないことも。稽古の時や公演前はナイーブになることもあります。
わがままを言わせてもらえるなら、そこを受け入れてくださったら嬉しいですね。私には理想と思える夫婦像があるんですよ。それは、師匠とゆっこおかみさんご夫妻。
師匠の奥様は有希子さんといって、私たち弟子は「ゆっこおかみさん」と呼ばせていただいています。前座時代からずっと師匠との関係性を拝見していて、本当に素敵なんです。
ゆっこおかみさんがいるからこそ師匠が落語に専念できているのをひしひしと感じるし、師匠が出先でちょっとしたお土産を「これ、ゆっこに買って帰ろう」と手に取る様子など、純粋に「いいなぁ」と思います。
というわけで、私にとっての「ゆっこおかみさん」を探している最中なんです(笑)。
例えば公演を10日間やるにしても、毎回お客さまが違うので、毎回もの凄く緊張するんです。そんな話を高座でしたら「これどうぞ」とお客さまから藍染めのお守りをいただきました。
とっても気に入って、今では高座に上がる際は必ず忍ばせています。藍染めと言えば、古典落語に「紺屋高尾」という演目があるのですが、私はこの演目が大好きでよくやるんです。
染物屋の職人である久蔵と吉原の花魁である高尾太夫が結ばれる噺で、真打披露公演の初日にもやらせていただきました。好きな演目にちなんで、藍染めのお守りを探してくださったお客様のお心遣いが嬉しかったですね。
私が群馬出身というのもあって、群馬にちなんだアイテムをいただくことも多いです。群馬で公演をさせていただいた時、地元の方が「花束は持って帰りづらいから」と言ってくださったのが群馬の名産である絹のネックレス。
このネックレスは全部絹でできていて、遠目で見るとパールっぽく見えるのもお気に入りです。群馬の形とつる子の「つ」を刺繍した名刺入れは、なんとお客様の手作り!この名刺入れを見せて群馬のアピールもしながら、大切に使っています。
簪は噺や演じる役柄によって付け替えています。玉簪は、寄席小屋「鈴座〜Lisacafe〜」のオーナーで、着物のスタイリストでもある、安藝和恵さんからのプレゼント。「つる子ちゃんにもトレードマークみたいなものがあったら良いんじゃない?」と提案してもらって、今では高座に上がる際は必ずつけてますね。
「紺屋高尾」などで花魁を演じる時は鼈甲をつけます。2本付けてちょっと派手にしてみたり。こういう小物で世界観を表現できるのは、女性落語家ならではかもしれませんね。
帯留は大好物のイチゴと、ここでも鶴の形のものを。どれも大切なお客様からのプレゼントなんです。好きなものを身に付けて、高座でのテンションを最大限に上げてくれる必需品です。
この化粧ポーチは日本初の女性の落語家、露の都師匠からいただきました。もう宝物ですね…!今でこそ女性の落語家は私を含め増えましたが、その最初の一歩である露の都師匠の偉大さは計り知れません。
男性社会だった落語の世界に足を踏み入れるのは本当に勇気がいることだったと思うし、戸惑いもひとしおだったのではないでしょうか。ポーチの話に戻ると、師匠は占いがお得意で、それによると私は黒と赤が良いらしく、そのカラーのものを選んでくださいました。
なかの化粧品ですか?KohGenDoのアイテムが肌に優しくて発色も好きで気に入っています。あとはアイライナーやマスカラは徹底的にウォータープルーフ。汗を掻いたり涙を流すこともありますから。
とはいえ、高座に上がる時は、登場人物を何人も演じ分けるので、あくまでナチュラルメークです。プライベートでライブに行く時とかは普段しないような派手なメークもします。その時はギラギラです(笑)。
毎日高座に上がるので、とにかく健康第一!meijiのR-1とiHerbのプロポリススプレーが私の定番です。R-1は真打披露あたりから飲み始めていますが、今に至るまで高座を休んだことはありません。
免疫力が本当に上がっているんだと思います。あまりに気に入って、後輩たちに配ることも(笑)。プロポリススプレーは三味線漫談家の林家あずみさんに教えてもらいました。適度に喉に沁みて、効いている感じがします。持ち運びも楽なのが良いですね!
真打となって2年が経ち、改めて落語という芸の厳しさや難しさを感じる日々ではありますが、つくづく、落語家になって良かったと思っています。私が落語に精進していくことを母も望んでくれているし、父もそうでした。
父が亡くなったのは私が二ツ目時代の時です。亡くなった日も高座があり、迷いましたが、そのまま出演を決意。
寡黙な父でしたが、「落語を一番に」と言ってくれた父でした。だからこそ、高座を休んだら、父もきっと喜ばない。そう思って、その日も高座に上がり、夜また、父のもとに戻りました。父のためにも頑張らないといけないし、生涯挑戦を続けていきたいです。
その姿は、きっと誰かの勇気になると信じています。それがその方の落語を知るきっかけになるかもしれない。若い世代だけではなく、落語を知らない方々にも広めていく。それが私達世代の落語家の使命ですから。
ここ数年、「紺屋高尾」をきっかけに吉原や花魁のことを勉強しているんですよ。吉原の世界は、落語では男性目線で描かれることは多いけれど、その中にいる女性達の目線で描かれることがあまりありません。
辛いことも沢山ある世界ではありますが、ひとときでも、彼女達にとって安らかな時間もあったと思うんです。そんな部分をすくい取って、私なりの落語にしていきたいと思っています。
目下、古典落語の「文七元結」で構想中。あの落語には娘を遊郭に売るエピソードが出てきますが、売られる娘の心情や、吉原の人たちの想いまでは細かく描かれていませんから。
落語ってもしかすると「敷居が高い!」と思われているかもしれませんが、全然そんなことはありません。寄席って今時珍しく予約もいらないし、当日フラッと入れます。
美ST世代の方は家事に育児に仕事に、頭がパンパンになることもありますよね?1人になりたいけど孤独は嫌、という複雑な気持ちの時に、是非いらしてみてください。そこにはいろんな芸人がいて、お客様がいて、昔ながらの物語があります。
落語がそっと、心に寄り添ってくれるはずです…!
公演情報
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撮影/川谷昌平 ヘア・メイク/森永瑠衣(mfn) スタイリスト/安藝和恵 取材/キッカワ皆樹 編集/西村公寿
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