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15年前、加藤茶さん(当時68歳)と綾菜さん(当時23歳)の結婚は世間に衝撃を与えました。「自転車を壊されたり、家に落書きをされたり…」、祝福されるはずの新婚夫婦を襲った、世間からの猛烈なバッシング。茶さんと綾菜さんはいかにしてそれを乗り越えたのか?今回の美STオンラインでは、「勇気は自然に出るものじゃなく、出すもの」と語る綾菜さんが体験した、逆境の日々に迫りました。
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早いもので、加トちゃんと結婚して15年が経ちました。出会ったのは21歳の時。私が大学生時代に、皿洗いのアルバイトをしていた割烹料理屋さんに、加トちゃんがお客さんとして来たのが最初です。
交際を重ねて2年ほどで結婚。大きなニュースとなり、同時に猛烈なバッシングを浴びる日々が始まりました。実はその頃私は大学を卒業し、就職も決まっていたんですよ。しかし結婚のことが明るみになり、入社後間もなく退職せざるを得なくなってしまいました。
退職後は主婦をしながら、加トちゃんの舞台のお手伝いをしていました。Tシャツにジーパン姿で、完全に裏方に徹していたんです。あの当時は一般の方からのバッシングも凄かったですが、業界内の方々からの冷たい視線も感じていました。お手伝いの合間にすき家に駆け込んで、牛丼を食べながら泣いたこともありました。それでもその生活を辞めたいとは思いませんでしたね。やっぱり、側にいたいですから。
バッシングや嫌がらせは日に日にエスカレートしていきました。交差点で信号待ちをしていると「あれ、加トちゃんの嫁じゃね?」と小声で言われることにはじまり、ある日家に帰ってみると停めておいた自転車をボコボコに壊されていたり、家の壁にペンキで落書きをされるまで・・・・・、本当にあげるとキリがないです。
加トちゃんと並んで、泣きながら壁の落書きを雑巾で拭いたことは一生忘れられない。それは悔しさというより、加トちゃんから励まされたからなんです。「人は生きていれば、賞賛されることもあるし貶されることもある。きっとこれは10年くらい続くから、10年は忍耐!誠実に頑張って、ブレない自分達を作ろう!」って。
壁を拭き終わると自転車を自分で直して、いつものようにスーパーへ買い物に行きました。私は、加トちゃんの奥さんとして「素敵」だと人から思われたかったんです。だけど実はそこに大事なことなんて一つもなかった。そんなことより自分自身がどう生きるのか見つめ直さないといけないんだと、加トちゃんの言葉で気がつきました。
それから10年ほど経った後、カフェで1人お茶をしていた時、知らない年上の女性から突然「頑張ってください!」と言われて唐揚げをもらったんです(笑)。最初こそ呆気にとられましたが、すぐにハッとしました。加トちゃんの言う通りだったから。私達夫婦は別段変わってはいないけれど、それでも10年頑張ってみたら、こんな風に応援してくださる方もいる。頑張ってよかったと、心から思ったんです。
いじめを肯定する訳では一切ありませんが、私が加トちゃんとの結婚後に受けたバッシングを乗り越えられたのは、中学時代にいじめられた経験があったからです。
中学2年生の時でした。女子校だったのですが、いじめの内容があまりにも酷くて。叩かれるなんて序の口。お弁当をぐちゃぐちゃにされたり、ホースで頭から水をかけられたことも。そんな毎日の繰り返しだったんです。当時母はシングルマザーで、朝は4時に起きて私のお弁当を作り、仕事を3つも掛け持ちして、夜遅くまで働いて私を学校に通わせてくれていました。
それを知っているから、ここで学校に行かない選択肢はない、と子供ながらに強く思っていたんです。思い返せば私の人生で初めて世の中の理不尽さにブチ当たった時期でした。私ひとりだけではとても乗り越えられませんでした。いじめを乗り越えられたのは母の存在があったから。母が毎日、お弁当の包みの中に長い手紙を忍ばせてくれていたんです。母は、私がいつもトイレでお弁当を食べていることを知っていたんですよ。
読むと、「人から何を言われても自分を卑下したらいけないよ」「勇気は自然に出るものじゃなく、出すものだから」「希望がなければ、自分で作り出せばいい」「強くなれるはずだから」という言葉が並んでいました。母の言葉から私が感じ取ったのは、どんな状況にいても一喜一憂しない強さです。その強さを持った自分になりたくて、学校は1日も休まずに登校しました。
「勇気は自然に出るものじゃなく、出すもの」とおまじないのように自分に言い聞かせ、朝教室に入るとクラスメート全員に「おはよう!」と言って回りました。それでもみんなに無視をされ続けましたが、1年続けたら、1人だけ「おはよう」と返してくれる子がいて。そのことにも感動しましたが、この1年で強くなれたんだと思えて、自分に感動して涙が出てきたんです。もちろん加トちゃんの存在の大きさもありますが、この経験があったからこそ、結婚後にバッシングがあった際も、寸前のところでは自分を見失わずに済んだのかもしれませんね。
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《Profile》加藤綾菜
1988年4月生まれ。広島県出身。亜細亜大学入学を期に上京し、学生生活を送りながら寿司屋でアルバイトをする。そのバイト先でタレントの加藤茶さんと運命的な出会いを果たし、ほどなく交際開始。そして45歳差の壁を乗り越え結婚に至る。その後高齢である加藤茶さんをサポートするため、「生活習慣病予防アドバイザー」、「介護食アドバイザー」、「介護レクインストラクター」など多くの資格を取得。近年は単独でもバラエティ番組に多数出演し、「加トちゃん・綾菜の笑ってすごせる日めくりカレンダー」(KADOKAWA)、「加藤茶・綾菜の夫婦日記『加トちゃんといっしょ』」(双葉社)など著書も上梓する。YouTubeチャンネル「加藤家の日常」も好評を博している。
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ダイアナ 銀座本店
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撮影/尾崎玲央(PEACE MONKEY) ヘア・メイク/megu スタイリスト/櫻井かおり 取材/キッカワ皆樹 編集/西村公寿
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