PEOPLE
鮮烈な印象を残したドラマ「家政婦のミタ」の長男役から12年。役者として快進撃を続ける中川大志さんは、しなやかなタフさが頼もしい、新しい時代の男性像を体現する唯一無二の存在に揺るぎない包容力を感じさせるのに、誠実でピュアで的確なアドバイスをくれそうな賢い彼の魅力に気づいたが最後、もう目が離せません。
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《Profile》
1998年6月14日生まれ、東京都出身。2019年、第42回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞、
率直で飾らない、器の大きな男だ。「僕をひと言で表現するならマイペースで単純です(笑)。中身は小学5年生のままかもしれない。裏を読むのが嫌いだから女性にもありのままでいてほしい。何か感じることがあったら我慢せず考えすぎず、シンプルに自分を出してもらえたら嬉しい。僕も素直に向き合いたいので駆け引きなんて問題外です」と言い切る。
誠実に直球勝負で挑んでくれる潔さは、複雑で生きづらい世の中と格闘している私たちを包み込み安心させてくれる。「とは言っても僕は基本的には自己肯定感が低いほうなんです。表現者として何かを伝えたいという思いが溢れ出てしまうから、カメラの前に立つのはいつまでたっても慣れないし、ひるんでしまう」とも言うが、正直に言えること自体が強くタフな証拠。芯の強さと男気を感じるほどにもっと彼を知りたくなる!
「小学生のときからこの仕事をやっていますが、常に自分が求められていることや立ち位置を客観的に考えるというクセが体に染みついて、全身そういう生き物になっています」と言うが、その意識があってこそ今の活躍がある。
「でも、自分が演じている役がどう見えているのか、俯瞰で見られるのはいい面もありつつ、見えすぎてもいけない面もあるから難しい。一長一短です」と言う自己分析も的確だ。
「昔はいきなりオーディションを受けて、何も知らずに撮影現場に行って気持ちの赴くまま演じていました。未熟だったけれど、荒削りの強さ、大胆さもすごくあった。わかっていないからこそ、感性のまま演じられてたのに、長い間続けているとあれこれ知りすぎて不自由になってしまう。表現者はある程度わがままで、無責任なほうが良いと思うのに、自分の性格的になかなかできないのがもどかしいんですよね。経験値が増えた分、見えすぎてしまう自分と、殻を飛び出して自由に演じたい自分とのせめぎ合い。毎回が勝負です」。
はたから見ると伸び伸びと芸達者な演技に見えるが、そんな葛藤があるとは驚きだ。「20代に入ったころから少しずつ感じ始めたのが〝完璧なのは面白くない〟ということ。芝居にOKをもらうのは、最低ラインで当たり前のことなんです。その先の想像していなかったところに到達したい。僕は自信がない分、常に見ている人たちをビックリさせたい、その手応えが欲しくてお仕事をしていますが、でもその前に自分が自分に驚きたいんです。いい意味で予想を裏切って想定外の化学反応を引き起こしたいのに、それってすごく難しくて、仕事帰りは『あれで良かったのかな』と悩んでばかりです」。
芸歴14年、日々反省しながら迷いながら貪欲さに拍車がかかる。「僕がいるのは特殊な世界なので日々変なことばっかり(笑)。思春期のころにはバランスを崩しかけたこともありました。でも芝居って純粋にすごく面白い。崩したバランスも家族や友人に支えられて何とか戻すことができました。自分が死んでも作品は残っていく。そんな仕事って数少ないですから、これからはもっと型破りなもの、自分の芝居で僕自身も想定していなかった境地に連れ去られたいですね」。
《衣装クレジット》
・黒ジャケット
ジャケット ¥96,800、パンツ ¥69,300(ともにオーバーコート/大丸製作所3)シャツ ¥36,300(サイベーシックス/マスターピースショールーム)
・白Tシャツ
スタイリスト私物
2023年『美ST』11月号掲載
撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY) ヘア/堤 紗也香 メーク/千吉良恵子(cheek one) スタイリスト/徳永貴士(SOT) 取材/柏崎恵理 編集/漢那美由紀
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2024年12月16日(月)23:59まで
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