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人生100年時代の【理想の老け方】美の賢者8人の回答は?

「人生100年時代」が本当なら40代50代の今いったん考えてみたいのが、「私たちはどう老けるか」。日々、エイジングケアに励む美ST読者にとって本質を問うテーマではないでしょうか?上手に老けるための心得を、ヘアメイク、カメラマン、美容エディターら、8名の美の匠たちに聞いてみました。

【上手に老けるための心得】を美の匠たちに聞いてみました

歳を重ねるごとにHAPPY感・多幸感が、雰囲気からただよってきたらいい。

ヘア・メークアップアーティスト 千吉良恵子さん

時代に寄り添う「なりたい私」を提案してくれるヘア・メイクアップアーティスト。

「年齢を重ねるごとに積み重ねてきた経験や思考が外見に反映されると思うので、ものの見方をポジティブにしたり、落ち込んでも切り替えを早くすること、メイクはいきいきとした印象をもたれるようなベースメイクを心がけています。また、若々しくハリのある髪を目指してヘアケアに力を入れています。私の超敏感頭皮でも任せられる学芸大学のカラー専門店COLOR LOVER・銀座Salonの店長である熊谷さんが心強い味方です」

いつも女優さんとメイクルームで話すのは、年相応の老いが、本物感があり上質なのではないか?ということ。ジェーン・バーキンのようにしわくちゃにシワをよせたチャーミングな笑顔は本当に素敵で目標です。

ヘア・メークアップアーティスト 岡野瑞恵さん

大人の肌に自信と品格と今っぽさをもたらす、自愛ビューティの伝道師。

「確かに老けることは若い時より悲しいのですが、お仕事でたくさんの素敵な方に出会ったり積み重ねた経験で内面から来る自信が、老けていくという表面的な変化にもいい意味で影響していると思います。自然な自分のままで歳を重ねていきたいですね。ヘアメイクで一番大事にしているのは肌作り。素肌を最大限に生かしてナチュラルに見せること。ただ薄くするのではなくコスメを厳選して、よく馴染ませ、足し算引き算しながら作っています」

トラブルが、逆に楽しめるんです。歳を重ね経験値と引き出しが増えるから、軽やかに対応できる。いいものだなと思います。

ヘア・メークアップアーティスト 黒田啓蔵さん

名だたる大女優を光り輝かせる、凄腕ヘア・メイクアップアーティスト。

「大人のメイクは血色・ハリ感を呼び起こす作業が大事。まずはスキンケアの手順を一つ一つ丁寧にしましょう。僕はチークまでがベースメイクと考え、チークを最初に入れるんです。それで血色感と立体感を引き出してからパーツメイクをすると、難しく捉えがちな“抜け感”がわかるはずですよ。メイクをすることでさらに隠すのではなく1枚ベールをかけてすりガラスを通すように肌を作る意識です。全体で見た時に〝美しい〟印象を目指します。」

美容師をしていて、最高年齢のお客様で95歳の女性の方が毎月カットとカラーをしにいらっしゃいます。いつもお洒落をして白髪を明るく染めてショートへアをキープ。とても若々しく!素敵な歳の重ね方だなぁと思います。

ヘア・メークアップアーティスト 朝日光輝さん

悩み多き大人女性のヘアをナチュラルに美しく整えるスタイリングの守護神。

「今日が一番若いのだからやりたいことをやりましょう!楽しみましょう!努力しましょうよ!と、日頃お客様に強く訴えています。ケアした上で自然に見せるのが大人の美。楽しみながら、綺麗でいる努力を惜しまない気持ちが大事。僕も毎日の肌ケア+週1でバンビウォーターの炭酸パック、2週間おきにハイフと眉毛のメンテナンスをしていますよ」

「自分は自身の飼い主でいなくては」人は後天的に自身をデザインできるのです。

写真家 下村一喜さん

美しいだけではなく、その人の本質に迫る写真を生み出す写真家。

「僕は自由に生きていますが自由とは総て自己責任です。実は、40代の時は怠惰な生活でした。鏡で太って浮腫んだ姿を見て〝今の時代、100歳まで生き続けなければイケない可能性がある〟と一念発起。食事制限やトレーニングに励んでいます。50代になり理性というものが身について来たと感じストイックであることを今は楽しいと思います僕が撮影する女優さんや著名な方々は、どこかストイックな部分を持っていると感じます」

老けないことさえも可能?と思えるほど、選択肢が無限にある時代。だからこそ「どう老けるか」に知性や品性、それらを丸ごと含めたセンスみたいなものが出ると思います。

美容エディター 松本千登世さん

CA、広告代理店のキャリアを経て美容エディターとして大人の美への知識を発信。

「自分を毎日毎日楽しませ、常に〝新しい自分〟を発見し続けること。個人的にはハットやサングラスなど今まで挑戦できなかったアイテムにトライしたいです」

悪あがきはしたくないけれど、最後まで自分を全うしたい。若ぶるのでも年齢に合わせるのでもなく、幾つになっても自分らしくありたいということです。

ビューティ・ライフスタイルデザイナー 藤原美智子さん

64歳でヘアメイク業を引退。今は自身の身も心も豊かになる、セルフラブに満ちたライフスタイルを標榜。

「私の場合はカジュアルでマニッシュな格好が自分らしいと思っているのですが、無理なく似合うためにも、いつまでも好きなことを追求できるためにも、体を整えることを意識しています。ストレッチをして柔軟にしたり、ジムで鍛えたり、バレエに通ってシャープな動きができるよう体作りをしています。白髪は増えてきていますが、グレイヘアは自分らしくないように感じているので、多少面倒でもカラーリングは続けたいと思っています」

「老けていく」ことに対しては漠然としか考えていません。今その時の自分を感じて、それに応えることです。

スタイリスト 亘 つぐみさん

大人の体を美しく魅せるスタイリングは唯一無二。40代50代の美ST世代モデルたちが憧れる60代スタイリスト。

「大人を美しく引き立てるスタイリングのコツはごく基本的なこと。色や素材が似合っていて映えるかどうか?を重視して考えます。自身のケアとしてはpilatesを週2で続けています」

2024年『美ST』2月号掲載
撮影/魚地武大(TENT) 取材/佐藤理保

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