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マスク着用によるメイク変化の意識調査を実施  過去、現在からどう変わる?今後のメイク予測も公開

花王株式会社ビューティリサーチ&クリエーションセンター(以下、BRCC)は、化粧意識やファッション感度の高い方を対象に、マスクに関する意識と、マスクによるメイクとヘアスタイルの変化を調査※1しました。マスク着用が定着する以前のメイクと、マスク生活でのメイク傾向に加え、BRCCの知見とこれまでの調査に基づき、マスクを外す機会が増える今後のメイク予測までご紹介します。
※1「カラー・メイク嗜好調査2022年春」2022年4月13日WEB
化粧品の使用頻度や購入金額、美容に関する意識行動において花王BRCCが設定した条件を満たす18歳~59歳女性 650人
(ヤング:18~24歳 280人、ミドル:25~39歳 210人、アダルト:40~59歳 160人)

■調査背景
花王BRCCは、化粧意識やファッション感度の高い方を対象に毎年調査を行い、メイクやカラーのトレンドを把握し、今後の予測やメイク提案に役立てています。
今回は、マスク着用の生活がメイクやヘアスタイルに与えた影響と、今後のメイクにもたらす変化を考察する目的で調査しました。

■結果概要  結果は小数点第二位を四捨五入しています。
・マスク生活については「場所によっては続けたい」が44.9%で最多
・マスク生活を継続したい理由は、「メイクをしなくて楽だから(30.7%)」、「顔を見られたくないから(30.0%)」、「口もとを見せたくないから(26.7%)」、「肌荒れを隠したいから(21.9%)」と、“隠したい”意識がうかがえる結果に。さらに、ヤング層はマスク着用で顔立ちの変化やメリットも実感。
・マスク生活で9割以上がメイクに変化。ヤング層ではヘアスタイルも6割以上が変化。
・メイクをする目的は、「身だしなみである(75.5%)」がトップであるものの、「おしゃれを楽しむ(74.9%)」「楽しい気分になる(56.2%)」など、ポジティブな回答が上位に。過去の調査の回答と比較すると、メイクに対してポジティブな意識が回復傾向にある。

〈結果詳細〉
■マスク生活を「場所によっては続けたい」が最多
女性650人に、今後もマスク生活を続けたいかを尋ねたところ、最も多かったのは「場所によっては続けたい」で44.9%でした。次いで「続けたくない(31.1%)」、「続けたい(20.3%)」となりました。

■継続理由から見える“隠したい”意識、ヤング層はマスクによる顔立ちの変化やメリットを実感
「マスク生活を続けたい」、「場所によっては続けたい」と答えた424人に、感染予防や花粉症対策以外で継続したい理由を聞きました。
その結果、「メイクをしなくて楽だから(30.7%)」が最も多いものの、「顔を見られたくないから(30.0%)」、「口もとを見せたくないから(26.7%)」、「肌荒れを隠したいから(21.9%)」など、“隠したい”という意識がうかがえる回答に。これは、長引くマスク生活で、“自分の気になる部分がマスクで隠れた顔”が、“他人から見られる自分の顔”となったことが大きいと推察できます。気になる部分が見えない状態が日常化したことが、隠したい意識につながっていると言えるでしょう。
また、26.4%の人は「日やけをしにくいから」と回答。マスクをすると日やけをしにくいという認識があるようですが、BRCCの調査では、紫外線は一般的な不織布マスクを透過することがわかっており、マスクで覆われている部分も油断はできません。
URL:https://www.kao.com/jp/corporate/news/products/2021/20210610-001/
さらに、年代による意識の差が大きく、特にヤング層は隠したい意識がある一方で、「小顔に見えるから(32.0%)」「美人に見えるから(25.4%)」といった回答も目立ち、マスクをつけることで顔立ちの変化やメリットをより感じていることがわかります。

■マスク生活で9割以上がメイクに変化。ヤング層はヘアスタイルまで工夫
次に、マスク生活により、メイクにどのような変化があったかを調べました。変化がなかったと回答した人は7.5%に留まっており、9割以上の人になんらかの変化があったことになります。
変化の内容としては、「目もとメイクを濃くした(37.5%)」が最も多く、「チークを使わなくなった(33.2%)」、「ファンデーションが薄くなった(31.8%)」、「口もとメイクをしなくなった(24.3%)」と続きました。長引くマスク生活で、マスクをつけていても見える部分のメイクに注力するようになり、顔の中でのメイクバランスが大きく変化したことがわかります。
併せて、マスク生活によるヘアスタイルの変化についても尋ねたところ、若いほどヘアスタイルを変えている傾向にありました。特にヤング層は6割以上。前髪を薄くしたり、全体の髪の色を明るくしたり、顔周りにかかるサイドの毛を作ったりと、マスク着用時のバランスをとるためにメイクもヘアを工夫している様子が見られました。

■ “メイクを楽しみたい”ポジティブな意識が回復傾向
マスク生活によってメイクやヘアスタイルなどが変化している中、「メイクする目的」自体にどのような変化が起きているのかを過去の調査と比較しました。今回の調査でも、過去の結果と同様に「身だしなみである(75.5%)」がトップにあがりましたが、昨年と変化は見られません。一方で、「おしゃれを楽しむ(74.9%)」、「楽しい気分になる(56.2%)」などの回答が昨年よりも上昇しており、メイクに対するポジティブな意識がマスク生活以前のように戻りつつあることがわかります。
2019年は、翌年東京で開催が予定されていた世界規模の祭典に向けて日本中の気分が盛り上がっており、メイク意識にもその影響が表れ始めていたと考えられます。その後は、予期せぬマスク生活や外出自粛などによってメイクに対する意識が低下。しかし長期化するマスク生活の中でも、自分らしくいるためのメイクやヘアが見いだされたり、マスク生活のニーズに応えるメイクアイテムが発売されたりと、美の可能性が広がったことがメイクを楽しみたい気持ちに波及。2022年はメイクに対するポジティブな意識が回復傾向にあると言えるでしょう。

〈マスクを外す機会が増える今後のメイクを予測!過去、現在からどう変わる?〉
以上のように、マスク着用が前提となる生活は、女性の意識やメイクやヘアスタイルに大きく影響を与えました。この生活を経験したことで、マスクを外す機会が増える今後のメイクはどのように変わっていくのでしょうか。マスク生活開始前(2019年春頃)と、マスク生活中(2020~2021年春頃)のメイクの紹介と併せて、BRCCが毎年実施している調査やこれまでの知見に基づいた今後(2022年後半~2023年春頃)のメイクを予測します。 
※写真では、ヤング層を中心とした特徴的なヘアメイクを表現

■マスク生活前(2019年春頃)のメイク&ヘア
韓流メイクの影響もあり、肌の美しさを際立たせた女性らしさや大人っぽさのあるメイク


・肌:ベースメイクへの意識が高く、ファンデーションでしっかりと作り込んだつやのある肌
・目もと:ブラウン系のアイシャドウを使った目もとに、目尻をはねるように入れた黒いアイラインが特徴。
眉は太くやや短めで、存在感がある。
・口もと:鮮やかな深みのある赤い口紅をのせ、質感はややマット。
・ヘアスタイル:前髪は長めでやや厚みがある。やわらかくニュアンス感のある髪型。

■マスク生活中(2020~2021年春頃)のメイク&ヘア
マスク生活でメイクが大きく変化。ベースメイクは非常に薄く、マスクから見える目もとを際立たせたメイク


・肌:ファンデーションの代わりに、化粧下地やコントロールカラーを使用。仕上げにフェイスパウダーを重ねたややマットな質感の軽めの肌。チークは薄い、またはのせず、頬の血色感はほぼない。
・目もと:マスクをしても見えるため注力。目を囲むようにやや濃い色のアイシャドウを入れる。レッドブラウン系のアイシャドウが人気。マスカラでさらに目もとの存在を引き立たせ、眉はやや淡く長め。
・ヘアスタイル:マスクをつけたときに目もとに視線が集まるように、額を隠して前髪は薄い。
サイドの髪をアレンジしてマスクとのバランスをとる。

■マスクを外す機会が増える今後(2022年後半~2023年春頃)のメイク&ヘア予測
マスクを外してもきれいな顔へ。マスク生活で慣れたラフなメイクを進化させ、色や質感で楽しむ華やかなメイク


・肌:ファンデーションへの意識が徐々に回復。ファンデーションを適度にのせた、軽さと自然なつやがある肌に。頬にはチークを幅広くぼかし、血色感と華やかさが感じられる。
・目もと:眉はやや細めで、アイシャドウや髪の色に合わせた“カラー眉”が人気に。まぶたにはラメやパールなどを効かせたアイシャドウを幅広くのせ、目の際に濃い色を入れずに軽い印象に。
・口もと:色みが戻る。コーラル~ピンクの口紅でほどよい血色感に。
・ヘアスタイル:マスクを外す機会が増えることで前髪とのバランスが変化。前髪を横に流して額を見せるスタイルも。髪の色はより明るく、バリエーションも豊富に。

■考察
今回の調査では、自分のために楽しむポジティブなメイク意識が回復しつつあることがわかりました。これは、マスク生活で自分らしいメイクを工夫する中で、新たなメイクの可能性を感じられたことが影響していると推察できます。しばらくはマスクを着けたり外したりの生活が続きますが、マスクを外す機会が増えると表情がよく見えコミュニケーションがとりやすくなることが期待できます。そのような時にメイクが果たす役割は大きく、今後ますますポジティブなメイク意識は上昇するでしょう。単なる身だしなみではなく、より自由な発想でメイクを楽しむ中で様々な表現やコミュニケーションが生まれ、美の多様化が一層進むと考えます。

【原島麻由美】
花王 ビューティリサーチ&クリエーションセンター所属
メイクアップアーティストとして、さまざまなメイクブランドの色やテクニックの開発、パンフレット・HPでの美容情報の発信や撮影でのヘアメイクアップを担当。また、社会・ファッションのトレンドをふまえた一般女性のメイクやライフスタイルの調査・分析業務にも携わる。国内外でのメイク研修も担当。美容師

【ビューティリサーチ&クリエーションセンターについて】
花王 化粧品事業部門の中で、科学的エビデンスや生活者リサーチ、美容トレンドに基づき、Kao Beauty Brandsの全ブランドの基礎となる美容情報や技術を開発。Kao Beauty Brandsのサイトにおいて、美容の情報も監修。

【美容の情報はこちら】
Kao Beauty Brandsのサイトでは、メイクやスキンケアなど美容に関するお役立ち情報を公開しています。
https://www.kaobeautybrands.com/jp/beauty-station/advice/
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