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株式会社コーセー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林 一俊)は、マスク内の高湿度下においても長時間化粧が崩れず、マスクを外した後でも、メイク直後の仕上がりが持続するファンデーション技術を開発しました。本技術は第69回高分子学会年次大会にて「パブリシティ賞※1」を受賞した技術を応用しています。当社では今後、本技術を製品に応用展開することで、社会の変化や生活者のニーズに対応した、ユーザビリティの高いメイクアップ製品の提案を図っていきます。
研究の背景
現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、外出の際にはマスクの着用が欠かせない社会状況となっています。マスク内は非常に高温多湿で、それに伴う汗や皮脂の影響から化粧崩れが発生しやすい状況になっています。そのため、マスクを外した時に口周り等のメイクのヨレによってシワがより一層目立ってしまうなど、化粧崩れに起因する課題がありました。そこで今回、長時間のマスク着用後でも、メイクアップ直後の美しい仕上がりを持続できるファンデーション技術の開発を行いました。
開発技術の概要とファンデーションへの応用
マスク内の高湿度下の環境に対応できるよう、水分を取り込むことでより化粧膜が強固になるよう素材設計を行った自社独自開発の技術※2となる油溶性ポリウレタンゲルに着目しました(図2)。このゲルは分子構造中に点在する親水部に水分が取り込まれることで、より強固な構造となります(図3)。
このゲルをリキッドファンデーションに配合し、マスクをつけた状態で化粧持続効果の検証を行いました。5時間のマスク着用後において、従来のファンデーションでは化粧崩れが起きているのに対し、ゲルを配合したファンデーションでは、ほうれい線部分のヨレ等の化粧崩れが見られず、塗布時同等の綺麗な化粧膜を維持できていることが確認されました(図1)。
今後の展望
この研究成果は今後、ファンデーションに留まらず、化粧下地やアイメイク・リップ製品に加え、耐水性の高い日やけ止め製剤の開発等への展開が期待されます。コーセーでは、社会状況の変化や、それにより新たに生まれるお客さまの悩みを解決すべく、新規性の高い価値提供だけでなく、今回のようなきめ細かいユーザビリティの向上に関する応用研究も推進しています。今後も世間のニーズに迅速に対応するため、様々な研究開発を続けていきます。
※1 パブリシティ賞(高分子学会) :
企業や大学が高分子科学の基礎的分野や機能性材料についての研究を発表・投稿する高分子学会において、学術、技術、または産業の発展に寄与し、対外的に発表するにふさわしい研究だと高分子学会広報委員会が認定するもの。第69回高分子学会年次大会では、1,494件の研究発表の中から11件が選出されました。
※2 参考リリース(2019年10月3日発行) :
若々しい年齢印象を持続するほうれい線に対応した新規粉体表面処理技術を開発
https://www.kose.co.jp/company/ja/content/uploads/2019/10/0ee28d86f030112e730bcc05b3cba353.pdf
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