【3大ベストセラーコスメ】が何十年も愛される理由って？

時代を超えて愛され続ける名品コスメたち。そのベストセラーの裏には、誰かを助けたい、勇気づけたい、という強い想いと諦めない探究心がありました。喜びや満足感をくれるコスメは、努力を惜しまない創業者や開発者の存在とその情熱で生まれていたのです。そんな名品コスメたちの誕生の物語を紹介します。

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A 誕生から37年の元祖エイジングケア美容液。まろやかに角質層にしっかりキープ。薬用 妙 彩霞 30ml ¥ 11,000（オッペン化粧品）、B 普段のスキンケアにプラスするだけで潤いとバリア機能改善。ライース アクティブ リエイジング エッセンス 50ml ¥5,500（勇心酒造）、C ミラクル ブロス™️と整肌成分ライムティー配合。手のひらで温め押し込んで。クレーム ドゥ・ラ・メール 60ml ¥41, 250（ドゥ・ラ・メール）

【6年で200万本売れたベストセラーは女性の社会進出を後押ししたいという思いの集大成】
1953年、オッペン化粧品創業者の山下静夫さんは大阪市西成区の商店街にある洋品店の2階の流し台で鍋やたらいを使い、一人で化粧品作りを始めました。作った化粧品を鞄いっぱいに詰め込み、飛び込み販売しながら顧客に直接触れることで生きた情報を獲得。化粧品を当時の概念だった外出時の贅沢品ではなく、日常的に肌を美しく健康に保つものと表現し、多くの女性の共感を呼びました。また、女性にもっと輝いてほしいという思いから、販売員として女性の働く場を提供。従業員は元よりお客様の美意識や教養の向上にも注力し、社会進出を後押ししたのです。さらに年齢も越えて活躍して欲しいと1985年に美容液・彩霞が誕生。元祖エイジングケア化粧品は爆発的な支持を得て、現在も愛されています。〝手から手〟へ育む信頼感という創業時からの理念を元に開発から販売まで一貫して自社で手がけたコスメは、思いとともに私たちに届けられています。

上・58年前、百貨店への出展時には販売だけでなく使用法の実践など美容相談室も設置。下・内容成分はもちろん容器にもこだわりが。

左・1970年代の徳山さん。大学の研究室にて。右・製造時の発酵チェック。国産米100%を原料に約90日間発酵・熟成を繰り返します。

【ヒントは日焼けした漁師の手。海藻に太陽光を当て波音を聞かせて発酵パワーを高めました】
遡ること60年以上前のこと。マックス・ヒューバー博士は実験中の事故で肌に深刻な損傷を負ってしまい、自らの肌を癒そうと、ガレージで研究を始めました。カリフォルニアに住むほど海好きで浜辺の散歩が日課だった博士は、ある日、漁師が顔や首は日焼けしてシワがあるのに手が綺麗なことに気づき、その理由が巻き網から手を守るために巻きつけたジャイアントシーケルプという海藻だと確信。そこからバイオ発酵技術を駆使し、12年の歳月と6,000回の実験を繰り返し、ついにミラクル ブロス™️が生まれました。さらに発酵に目をつけ、海の秘めたるパワーを信じ、発酵中に太陽の光を当て波の音を聞かせ、黄金のミラクル ブロス™️を完成させました。最初のエッセンスはその後も継ぎ足し受け継がれていて、レシピは研究者の中でも数人しか知らないそう。博士の海の秘めたるパワーを信じ続けた揺るがない信念は、時代を超え私たちの肌にパワーを与えてくれています。

2022年『美ST』3月号掲載
撮影／吉田健一　取材／関根実凡、森島千鶴子　編集／漢那美由紀