SKINCARE

ブーム到来!齋藤 薫さんに聞きました。40代50代に大人気【シワコスメ】2020年予測

今季のスキンケアの目玉はなんといっても〝シワ改善美容液〟。「ナイアシンアミド」という成分が厚生労働省に「シワを改善する」と正式認可されたのがその発端。美容ジャーナリストの齋藤薫さんに、大ブームのシワコスメの2020年予測を伺いました。

元祖・ポーラからは〝シワコスメ〟を強力サポートする美容液が登場!

一見シワがなくても表情を動かしたときに一時的に現れるシワが肌の奥で進行し、将来の定着ジワ「潜伏ジワ」となることに着目。独自の美容成分で真皮下層の柔軟性を上げ、肌に特別なベールを張り潜伏シワの進行をストップします。リンクルショット ジオ セラム[医薬部外品]40g ¥10,000 リフィル 40g ¥9,500 〈2020年1/1発売予定〉(ポーラ)

2019年、次々に誕生したのは固定ジワを消す「ヒアルロン酸注射」的シワコスメ。2020年は表情ジワまで消し去る「ボトックス」的シワコスメが登場。

 2017年元日、年明けとともに衝撃をもたらし、女性たちに「自分の運命も変わる!」という歓喜をもたらしたのが、日本のコスメ史上初の薬用シワ改善美容液、ポーラ リンクルショット メディカルセラムのデビューだった。それを追いかけるように、資生堂がシワ改善化粧品を各シリーズから次々登場させる。さらにコーセーもそこに追随。たちまち確固たるジャンルを形成することになった。

 シワ改善市場の面白いところは、各社それぞれまったく異なる理論と成分を持っていて、A社の製品が効かなければB社の製品をと、“シワコスメにもある相性"を試せること。でも2019年下半期にデビューした新作シワコスメたちは、いずれも決め手がナイアシンアミドと共通している。その分逆に5000円台の低価格帯から、敏感肌も使えるものまで、裾野が一気に広がったのだ。シワコスメは早くも全員が使うべき定番ケアとなったのである。

 そうした動きを想定していたかのように、先駆者ポーラは、また次の次元のシワコスメを2020年にデビューさせる。つまりこれは、リニューアルではない。いきなり深く納得させられたのは、これまでのシワコスメは、美容医療で言うなら「ヒアルロン酸注射」のように、固定してしまったシワを消すものであるのに対し、ポーラが第2弾として発表するのは、美容医療の「ボトックス」のように、表情を作ると生まれてしまうシワへのアプローチであること。なるほど確かにシワには完全に2種類あるのだと思い知らされる、見事な回答だ。どんなシワも、まず表情で一時的に現れ、それを繰り返すうちに、定着してしまう。だから一見シワがない肌も、笑いジワなどがもう気になるなら、30代でもこの潜伏ジワのケアから始めたいのだ。

 私たちはこれまでこの2種類を一緒くたにケアしてきたわけだが、今回のポーラの理論を知ると、まったく別の働きかけが必要と解ってくる。もちろんハリを作ってシワをピンと張らせるケアは、両方のシワに効くけれど、今は明らかに次の時代に入っていて、もっと根本的にシワを消す時代。「固定ジワ」と「表情で現れる潜伏ジワ」、無表情でも見えるシワと見えないシワ、別々に働きかける二重のシワケアで、真の改善を始めよう。どちらも必要。でもどちらも消える時代になったのだ!

新規参入ブランドにも気になる逸品が続々!

通販で大ヒット中の美白オールインワンジェル、シミウスでおなじみのメビウス製薬。顧客から寄せられるエイジングケア用製品を要望する声を受け開発されたエイジングケアクリーム。乾燥肌に潤いとハリを与え小ジワなどを目立たなくします。リフティス. リンクルクリーム 20g ¥8,800〈12/4発売予定〉(メビウス製薬)

文・齋藤 薫
美容ジャーナリスト。何気なくとらえていた事象や人物が齋藤さんの手にかかると突然生き生きと自分に身近なものとして認知できる、その文章力に魅了されるファンが多数。

2020年『美ST』1月号掲載
撮影/国府 泰 文/齋藤 薫 取材/中田ゆき 編集/長谷川 智

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