SKINCARE
乾燥肌対策成分として、日本で何十年も前から使われていた、〝ヘパリン類似物質〟。これがとてもいいと口コミで評判ですがどんな効果があるのでしょうか?真価のほどを調べると共にローションやクリーム、スプレーなど様々なタイプの商品をご紹介します。
ヘパリン類似物質は、刺激が少なく美ST世代はもちろん、家族みんなで使える保湿成分です。構造組織上、親水基という水分と親和する構造を持っているので、皮膚に水分を保つ効果があります。また、線維芽細胞の過剰な働きを抑える効果がありますので、傷がケロイドのように赤く盛り上がって治るのを抑える効果もあります。製品のテクスチャーは、ヘパリン類似物質を溶かす基材で異なりますが、ヘパリン類似物質自体は同じです。クリーム基材に溶かすと、より保湿力が高まります。好みや季節でテクスチャーの違うものを使い分けてもいいでしょう。ヘパリン類似物質は、炎症性の傷を治したり、保湿効果に優れているので、話題の隠れ炎症にも効果が期待できます。単品でも潤いますが、足りないようならクリームなどの保湿剤をさらに重ねても。入浴後など肌が柔らかい状態の時に使うと浸透しやすいです。また、外用として、かゆみや発疹等、塗ったところに異常が見られた場合は使用は控えましょう。
教えてくれたのは……木下皮フ科クリニック 院長 木下香里先生
クリニックでは、カウンセリングから施術まで院長自身が行い、遠方から訪れる患者さんも多数。最新の美容医療にも精通し、美STスタッフからの信頼も厚い。
Q. 「ヘパリン類似物質」って何ですか?
A. 生体内の肝臓で生成され、高等生物の組織や血液内に存在する成分が「ヘパリン」。血液が固まるのを抑える働きがあります。「ヘパリン類似物質」とは「ヘパリンに似たもの」。同じ性質の人工物です。
Q. どんな時(肌)にお勧めですか?
A. ヘパリン類似物質は保湿効果があり、傷をきれいに治す効果もあるため、乾燥が強くかゆみなど皮膚炎を起こす肌、乾燥しやすく刺激に敏感な肌に特におすすめです。
Q. 使い方や注意点はありますか?
A. 血液が固まらないということは流れやすくなるということ。出血しやすい持病のある方、出血性疾患の方は使用できません。出血の傷や潰瘍、びらん、粘膜には塗らないでください。
▼ 美ST読者のおすすめはどれ?
手足の荒れ、乾皮症、小児の乾燥性皮ふに効果あり。HPローション50?¥1,648 HPクリーム60g ¥2,267(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン)〈第2類医薬品〉
「HPローションはとろみのあるテクスチャーながら塗った後のベタつき感なし。お風呂上がりに、全身に馴染ませると保湿力が違います。無香料なので、ほかに使うものと香りが重ならないのも嬉しい。冬場はHPクリームが大活躍します」
おすすめしてくれたのは……福沢愛子さん(43歳)主婦
ダンスが大好きで肌を出す機会が多いです。ボディローションは香りで選んでいましたが、香りが良いものは、潤いに物足りなさを感じることも。
「かさつくお肌の治療薬」無香料無着色で塗りやすいローションタイプ。ひび、あかぎれにはガーゼ等に伸ばして貼ると効果的。ピアソンHPローション50g¥1,800(新新薬品工業)〈第2類医薬品〉
「寒い季節に憂鬱だった、タイツに残る粉吹きと、繊維のひっかかりが今では全くありません。使う化粧品の数がみるみる減って、週に何度も通うスポーツクラブでもこれさえあれば安心。ハンドクリームとしても使っています」
おすすめしてくれたのは……高須まゆみさん(42歳)主婦
粉を吹くほどの乾燥肌が悩みでしたが、ヘパリン類似物質配合製品を使い始めたら劇的に改善! 何品も重ね塗りしていたときより肌が潤っています。
ヘパリン類似物質で保湿をし、抗炎症成分・アラントインと、グリチルリチン酸ニカリウムで乾燥した肌を修復。Saiki保水治療ローション100g ¥2,400Saiki保水治療乳液80g ¥2,400(ともに小林製薬)〈第2類医薬品〉
「子どもがアトピー体質で保湿が欠かせないため、購入したのがSaiki。使ってみたら想像以上にしっとりして、今では自分でも愛用中。ヘパリン類似物質入りの製品は優秀なものが多く、我が家の救世主です。」
おすすめしてくれたのは……坂本さちこさん(46歳)さとう式リンパケアインストラクター
ドラッグストアで目立つように陳列されていたヘパリン類似物質配合製品の数々。乾燥肌によいとのキャッチフレーズに足がとまり、購入してみました。
ヘパリン類似物質を含む4種の医薬品有効成分配合。かきこわした、かゆい乾燥肌にすばやく効く治療薬クリーム。しっとりなめらか肌へ改善します。フェルゼア ヘパキュアクリーム90g ¥1,600(資生堂薬品) 〈第2類医薬品〉
「美容が大好きで、気になる商品は試します。特に冬は乾燥して敏感になり、そんなときに薬局で目についたのがヘパリン類似物質という成分。乾燥肌には、ワセリンやオイルが絶対という考え方が変わりました。」
おすすめしてくれたのは……柳澤 薫さん(42歳)会社員
乾燥がひどい時期はスキンケアの最後にワセリンが不可欠でした。ヘパリン類似物質製品は、ベタつきが全くないのに乾燥しない。ワセリンが不要になりました。
撮影/鈴木希代江(人物)、吉田健一(静物)、山辺恵美子(店舗) ヘア・メーク/中村真奈〈ナチュラアオラニ〉 取材/宇田川みさと
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2024年12月16日(月)23:59まで
2024年12月16日(月)23:59まで
2024年11月16日(土)23:59まで
2024年11月14日(木)23:59まで
2024年11月16日(土)23:59まで