【元祖映えコスメ】ハリ不足な大人肌に透明感をもたらすパウダーって?
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今月の殿堂コスメは、NARSの「ライトリフレクティング セッティングパウダー プレスト N」

\ここがすごい/
1:肌は透明感がすべて
2:光の反射とスキンケアの両面でハリと顔色アップ
3:フォトフレンドリーで〝映え〟効果
肌の透明感を追求した〝映え〟コスメのさきがけはメークアップ・アーティストと写真家の視点から
私がNARSを知ったのは、1995年です。当時在籍していたJJでNYコレクションのバックステージを取材したり、日本未発売だったコスメを誌面で紹介したり。その時から一貫して〝かっこいい〟ブランドでした。でも、NARSはただかっこいいだけじゃない。機能的でもあるその恰好の例が2013年2月の発売以来、口コミで人気が広がった通称〝リフ粉〟と言われる「ライトリフレクティングセッティングパウダー プレスト N」。このシンプルで真っ白なお粉、色番5894が、日本でのNARS売り上げNo.1を誇り、今もなおSNSで話題。実際にファンデの後につけてみると、肌がサラサラスベスベになり、毛穴が目立たず、くすみがはれて顔色が良く見える、ただの白い粉のようなのに、確実に何かが変わります。
NARSの創始者でありクリエイティブ・ディレクターであるフランソワ・ナーズは、南フランスに生まれてパリのカリタ美容学校に進学、’80年代、US版『VOGUE』ポリー・メレン編集長の推薦で1984年にNYへ。ヴェルサーチの広告でマドンナのメークを手掛けたことで一躍注目され、その後モード誌やヴァレンティノをはじめ多くのコレクションで活躍し、1994年に12本のリップスティックを発表したことからコスメブランドをスタート。’80年代のベースメークはしっかりと肌を覆うことが主流だったのですが、当時から彼はファンデをつけているのを忘れるくらいスキントーンを大切にしていました。JJでのバックステージ取材の時に「メークは量じゃないんです」「メークアップが目立たない、彼女(モデル)たちを美しく、可愛らしく、ヘルシーに見せるメークに」と語っており、それが現在も踏襲されているのです。彼の肌に対する考えは「肌は〝透明感〟をもたらすことに尽きる」ということ。そしてパウダーは「どんなメークにも不可欠。メーキャップ・アーティストの一番の味方だ」と言うほど大事な存在でした。
この〝リフ粉〟は「光を反射できる肌は、ハリがあって健やかでいきいきとして見える」というフランソワの考えから始まっています。光を捉えて、光の反射する肌に導くためには、ただキラキラしているだけではダメ。光を反射し、ソフトフォーカス効果でシワや毛穴を目立たなくする成分「ライトリフレクティングコンプレックス」は、海藻エキスが肌を柔らかくしターンオーバーを整え、ポリネシアミネラル海水が保湿とミネラルの補充をしてスキンケア面からサポート。さりげなくキラッと光るのはパールではなくミネラルで、光を反射する「ライトアクティブ・マイクロプリズム」の中に入っています。他に保湿成分のグリセリン、抗酸化成分のビタミンEも配合。だからハリ不足でお粉をつけるとショボショボしがちな美ST世代にも最適です。
もう一つのポイントは写真家として長いキャリアを持つ彼の視点。「ライトリフレクティングコンプレックス」がレフ板だとしたら、搭載されている「フォトクロミックテクノロジー」は、カメラのフラッシュや太陽光のような強い光でも、白浮きを防いでくれる照明の技。光に応じてピグメントの色が素肌に馴染むフォトフレンドリーなこのパウダーは、元祖〝映えコスメ〟と言えます。
〝リフ粉〟はイタリアで作られています。NARSは製品によって製品製造業者が得意とする国に製造を委託しているから。吸い付くように細かくて、でも毛穴に落ち込まず肌を覆ってくれる独特の質感とキメ細かい粉は、チョコレート製造のような工程で作られます。最初にパウダーやピグメントなどドライな質感の原料を砕いてミックス、そこにグリセリンやビタミンEを加えて攪拌し、混ぜてリキッド状に。そのブレンドを再び乾燥させ、成型して最終的な容器に入れます。微細な粉一つ一つに多くの成分が絶妙なバランスで配合され、150~200のサンプルを作ってはチェックをする繰り返しで2~3年、フランソワがOKしないと製品は絶対世に出ないというNARSのこだわりがつまった逸品です。
1996年に畑野ひろ子さんをメークしてもらった時は「日本女性は、せっかく世界一きれいな肌を持っているのだから、それを生かしたメークをしてほしい」とフランソワは語っていました。その日本で、素肌を生かしてより透明度が高い肌に仕上げるこのパウダーが大人気なのは、彼にとって嬉しいことに違いありません。
\使っています♡/

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2022年『美ST』9月号掲載
撮影/河野 望 イラストレーション/大沢かずみ 編集・文/石原晶子