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お笑い芸人・安藤なつさん「介護のお仕事を大変と思ったことは一度もありません」

お笑いコンビ「メイプル超合金」のツッコミとしてM-1グランプリ決勝に出場したことでブレイクし、瞬く間にお茶の間で大人気となった安藤なつさん。実は小学校低学年から叔父さんの家に遊びに行き、障がいのある方のお世話をされていたそう。安藤さんが20年以上携わった「介護」への思いを語ってくれました。

一緒に遊んでいた感じ。好きだったから楽しんでやっていたんです

小学1、2年生の時に叔父が自宅を改装し、小規模な障がい者グループホームを運営することになりました。夏休みやお正月など休みの度に母と一緒に叔父の家に遊びに行き、障がいのある方と一緒に出かけたり、ご飯やおやつを食べたり、トイレ誘導などのサポートをしていたんです。中学生になってからは毎週土曜、学校が終わると叔父の家に泊まりに行き翌日昼過ぎに帰るように。叔父の家でさまざまな人たちと過ごす時間がとても楽しかったので、毎週末を心待ちするようになっていましたね。そして自然に介護のアルバイトをしたい、介護についてもっと勉強したいと思うようになりました。

《安藤なつさんプロフィール》
1981年生まれ、東京都出身。2012年、お笑いコンビ「メイプル超合金」を結成。2015年にM-1グランプリで決勝戦進出後、バラエティ番組を中心に女優としても活動。ヘルパー2級の資格を持ち、厚生労働省の補助事業「GO!GO!KAI-GOプロジェクト」副団長を務める。著書に「知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門」(共著)がある。愛車はハーレー。

ヘルパー2級の資格を20歳で取得。大人のおむつ交換や体位変換もするように

高校生になってからはお笑いの仕事と叔父のグループホームでのアルバイトを掛け持ちしていましたが、自宅が八王子で叔父の施設は豊島区だったので通うのも大変だったんです。だから20歳でヘルパー2級の資格を取ってからは地元の夜間巡回型の仕事をするようになりました。夜間、利用者のご自宅に伺い、安否確認、オムツ交換、体位変換をすることが主な仕事で、一晩で15〜20件のお宅にお邪魔していましたね。明け方希望の方、深夜希望の方などそのご家庭のニーズに合わせて一晩中運転しながら利用者のご自宅にお邪魔していた感じです。寝返りを打てない方はそのままにしていると血液循環が滞り皮膚が床ずれが起きてしまうので体位変換が必要だったり、それまでしたことがなかった大人のおむつ交換もするようになったり、おむつ交換の後は身体を清潔にするために洗浄したりも欠かさずしていました。色々やることはあるのですが、利用者が目を覚さないようにできることがベストなので、そこはとても気を遣います。私たちの仕事は在宅介護しているご家族の皆さんに睡眠時間を確保していただくことも目的の一つなので、ご家族の方を起こさないよう静かに手早く作業することを心がけていましたね。

小さい頃から介護が身近にあったので 「大変」、「辛い」と思ったことは一度もありません

26〜35歳まで再び叔父の施設で働くようになりました。入浴介助・食事介助・更衣介助・トイレ介助など、夜勤も含めて週2回程度勤務していたんです。お笑いライブが毎日あって、ライブ終わりに施設に行き働いていたので、朝から晩まで働き詰めでしたが、若かったからか全然大丈夫でしたね(笑)。 介護の仕事って大変とかキツいといったイメージを持たれている人が多いかもしれませんが、私自身はそんな風に思ったことは一度もありません。小さい頃から「介護」や「サポート」といったことが身近にあったので、その辺のハードルは低かったのでしょうね。何より介護の仕事が楽しくてやりがいがあったので何の抵抗もなく20年以上続けられました。2015年、M-1で決勝戦に進出し、ありがたいことに急激に仕事が増えたので、掛け持ちすることが難しくなって一旦お休みすることになり今に至っていますが、介護のお仕事は勉強もできて経験にもなったので、長年続けてきて良かったです。そして今は、介護職員を応援する厚生労働省補助事業「Go!Go!KAI-GOプロジェクト」の応援団副団長を務めさせていただいています。
美ST読者世代の方は親御さんなどを介護する立場の人も多いと思いますが、そういう方たちには「自分だけで頑張ろうとせず人に頼れる部分は頼ってほしい」と伝えたいですね。

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撮影/藤原 宏(Pygmy Company) ヘア・メーク/榊 ひかる(Lila) スタイリスト/櫛田絵美 取材/山田正美 編集/安岡祐太朗

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