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山崎育三郎さん「色気と品格のある大人の女性に磨かれて、今の僕がある」

まさにミュージカル界のプリンス。圧倒的なパフォーマンスと演技力で舞台の世界のみならず、映像の世界でも躍進を続け、多くの人を魅了する山崎育三郎さん。周囲に反対されても挑み、前進し続ける姿からは勇気を貰えます。

色気と品格のある大人の女性から磨かれ、今の僕が存在します

ミュージカル俳優という仕事柄、アスリート並みの健康管理が習慣だ。「日々のストレッチ、筋トレ、発声練習に加えて規則正しい生活とバランスの良い食生活。このセットがないと舞台に立てないですね」。サプリは摂らず、食事からしっかり栄養を摂る。ご飯、お味噌汁、お魚かお肉に野菜の一汁三菜を基本とし、それが夕飯の楽しみでもある。「きちんと食べてしっかり寝る。風邪もひけないから。ステージに立つための努力が自分の健康維持にも繫がります」。

逆に映像撮影に入ると役に近づく過ごし方をする。放送中のドラマ「リエゾン─こどものこころ診療所─」で演じている主人公・児童精神科医は、日常に生きている男性で、あえて運動などの準備はしなかった。「発声練習や筋トレをすると声が鳴ってしまうから。家族や友人と過ごすときの自分を役に生かしています」。

演じる佐山院長は自らも発達障害を抱える。でも、この作品に入る前から自身の子育てを通し、多くのお父さんお母さんとの出会いがあり、発達障害と言う言葉はよく耳にした。「僕にとっては日常にある言葉です。悩んでいるご両親と話をしたこともあって、主人公の子どもたちや親への接し方はとても勉強になっています。それも含めて思うことは、大人や親、先生でなく、人として子どもの目を見て話を聞いて向き合い、時には抱きしめてあげる。当たり前のことなんだけど、それこそが大事だと役から学んでいます」。

実は高校生のとき、アメリカに留学し、ホストファミリーのご夫婦が幼い娘たちに、「愛しているわ」と毎日伝え、抱きしめる姿が鮮明に記憶に残っている。「愛を貰う子どもたちは自己肯定感が高くなり、自信を持って生きています。逆に日本人は褒めることが下手で、人と違うことがダメだと捉えがちな気がしています。それが生き辛さを作る1つの要因になり得ると思うんです。だから僕自身はホストファミリーのようにやりすぎるほど子どもたちに言葉で愛情を伝えています」。

自分自身は人見知りで人前で話せない子どもだった。「今でもそういうところはあって、『プリンスです』と華やかに演じる山崎育三郎を俯瞰で見ているところもあります。当時ミュージカルファンは大人の女性ばかり。ファンイベントでファンを前に話すときの立ち居振る舞いも言葉遣いも若さと勢いだけでは済まされない。毎回緊張感があり、勉強を重ね、今の僕があります。色気と品格のある大人の女性から磨かれたと思っています」。

12歳でミュージカルデビュー、24歳で初主演。人生のターニングポイントはいつも寅年だった。「映像の世界に挑戦したのは29歳。決まっていた作品をゼロにしてまでもミュージカルと映像メディアとの懸け橋になりたいと言う夢がありました」。休みなく走り続け、目標だった朝ドラ・大河・紅白出場……などすべて果たし、一方でミュージカル界も盛り上がり、昨年上演のミュージカル『エリザベート』は即完売。「描いていたことがすべて実現し、昨年の寅年は第一章が終わる区切りとなったような感覚でした。実は挑戦するときは『危ない。やめた方がいい』と周囲は大反対。でも僕はその方が燃える。と言うことはすでに想像できる範囲じゃないから、成功は可能性大だと思えるんです」。

怖いと思うものを探すみたいに常にチャレンジ精神で前進し続けたい。

\山崎育三郎さんの手/

ピアノを弾くので、手にはすごく意識がありますね。鍵盤に爪が当たると滑るので深爪と言ってもいいくらい、爪切りは習慣化。さらにミュージカルを始めたときから先生に「指先まで意識しなさい」と言われて育っているので、手先・指先への関心は男性にしては強いと思います。

《Profile》
’86年生まれ、東京都出身。’07年ミュージカル『レ・ミゼラブル』マリウス役に抜擢、以降ミュージカルを中心に活躍後’15年ドラマ「下町ロケット」で注目を浴び、映像作品などでも幅広く活躍。1/20(金)よりテレビ朝日系金曜ナイトドラマ「リエゾン-こどものこころ診療所-」では主演の佐山卓院長を務める。

《衣装クレジット》
ジャケット¥64,900、シャツ¥35,200(ともにタイオアノット/ヘムト ピーアール)

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2023年『美ST』3月号掲載
撮影/彦坂栄治 ヘア・メーク/松原美穂(Nestation) スタイリスト/金光英行 取材/安田真里 編集/伊達敦子

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