【娘&息子にウザがられない】付き合い方って? ③就職編

「我が子のためなら!」と思うがあまり、子どものちょっとした局面で、つい踏み込んだ干渉をしてしまっていませんか? 親としてはよかれと思ってやったつもりが、子どもから見れば「ただウザい親」になっていることも。実際にあったやりすぎエピソードをもとに、子どもとのちょうどいい付き合い方を専門家の方に教えていただきます。3回目は、ひときわ心配も募りがちな就職についてうかがいました。

\この方にお話をうかがいました/

宮本まき子さん
家族問題評論家・エッセイスト。22年間の電話相談室勤務後、フリーライターとして新聞、雑誌、テレビ、講演等で活躍。『輝ける熟年』(東京新聞)、『孫ができたらまず読む本』(NHK出版)、『団塊世代の孫育てのススメ』(中央法規出版)など著書多数。

①娘の出勤と同時に母親は「娘宅へ出勤」。1人暮らしの娘の家事をすべて担う母親

Yさんの娘さんが就職して1人暮らしをスタート。娘が仕事に行っている間、Yさんも娘の家に“出勤“。掃除洗濯、夕食を作って冷蔵庫に入れてから帰宅するそう。
もともと学生時代は、車で3分の場所にお迎えに行っていたほど過保護気味で、娘と過ごすことが生きがい。Yさんは「娘の世話ができる」と喜んでいますが、娘さんは「これでは一人暮らしをしている意味がない」と嘆いていて、転勤でもしてみたいと話しているようです。
「昭和時代の乳母日傘のお嬢様でさえ、女子学生寮に入れるか親類に預けて家事一式を特訓しないと縁談もきませんでした。Yさん、早く目を覚まして!娘は家政婦を雇えるリッチな夫をゲットできそうですか?過保護の現状に不安と危機感を持つ娘さんは早晩親離れするし、Yさんは「ペットロス」をおこしかねない。お仲間たちのアドバイスや慰めが必須です」(宮本さん)

②口癖は「ママの言う通りにしていれば間違いないから」。大学入学時から就職のコネ探しを始めた母親

「世の中すべてがコネクション。何事も人の紹介が1番」と考えているBさん。
娘の就職に関しても、大学入学と同時にあちこちに声かけを開始。大学2年生になる時には大手銀行や保険会社へのコネクションを見つけ、娘に「絶対に入社できるから」と強く勧めていたそうです。
口癖は「ママの言う通りにしていれば間違いないから」で、娘の言うことにも聞く耳を持たず、娘は結局母親の知り合いの大手銀行のお偉いさんにお願いした会社に入社。
でもやりがいを感じられず、今はもう一度勉強をやり直したいと薬学部を目指しているそうです。
「就活でコネもスペックとフル活用するBさんのような親がいたら・・・と羨ましい人もいるはずです。やりがいを理由に学生へ回帰したいのなら、リセットは自力でやらせましょう。薬学部6年間の総費用、ざっと3000万円の資金繰りは?授業や就活での年齢差のハンディの克服は?現実逃避のばくぜんとした夢より、リアルな情報を直視させるのも親の仕事です」(宮本さん)

“就職”は自立への1番の近道!シビアな現実も伝えましょう

「そこにいけば夢がかなう」といった、就職に過大な期待を持たせないことです。手段を選ばず、ともかく社会人になって自立できる収入を得ること。職場ではまず「できること」をがんばる、そして「やりたいこと」はいつか達成する目標として、少しずつ近づく努力をすること。仕事の環境は時代とともに変化していき、取り残される恐れもあるというシビアな現実も伝えましょう。「好きな仕事に就けるまでは親がかり」の甘えの依存関係が“8050問題”や“100万人ニート”の一因でもあります。身辺自立、経済的自立、親離れを完遂するには、社会人デビューの「就職」が最速の方法。親はブレずに見守りましょう。

【就職】での子どもとの付き合い方4か条

1.不況とコロナで憧れの職種も企業ランクも地殻変動。父親世代の成功体験は必ずしも現代に通用するとは限りません。就活は大勢のおとなの話を聞くところからスタートを。

2.長いモラトリアム期を終えて社会人になると、新しい職場で過剰に期待したり、挫折から適応障害を起こしたり。「辞めたい」は「休みたい」の同意語なのです。

3.キャリアウーマンの夢を娘に託して、昔の自分の敗者復活戦を企むママたちへ。手も口もお金も出して徹底的に支援を。ただし、日本は経済分野ジェンダー順位115位だから、戦い疲れて戻ってきたら、ハグしてあげましょう。

4.食い扶持を稼ぐ仕事は、総じてつらくて大変なのが当たり前。好きなことして楽しいなら、それは仕事というより「道楽」の範疇。ちゃんと区別をつけましょうね。

 

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イラスト/室木おすし 取材/大佛摩紀 編集/浜野彩希