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【寝言】を劇的に改善する5つの方法

最近家族から寝言が多いと指摘されたなどのお悩みはありませんか?寝言が心配になると、なかなか寝付けないだけでなく、休憩時間に仮眠をとったり、友人と旅行に行ったりするのも億劫になってしまいますよね。実は40~50代の更年期に、このような寝言の悩みを持つ人は少なくありません。更年期はストレスや加齢、女性ホルモンの減少などの影響で不眠に陥りやすくなり、寝言が増える傾向にあるのです。今回は寝言の原因やセルフケアの方法について詳しくご紹介します。

1:なぜ、寝言を発してしまうのか?

寝言は次のような要因によって睡眠の質が低下することで現れやすくなります。

①ストレス

心身にストレスがたまったり、不安や緊張が強まっていると寝言を発しやすくなります。仕事や人間関係がうまくいっていない、布団などの寝室環境が体に合っていないなどのストレスが蓄積していないか、振り返ってみましょう。

②アルコールの摂取

アルコールは寝付きを良くする一方で、睡眠の質を悪化させる恐れがあります。アルコールの摂取によって眠りが浅くなっていると寝言を発しやすくなります。

③女性ホルモンの減少

40~50代の更年期は、女性ホルモンの急激な減少によって自律神経のバランスが乱れやすく、不眠に陥って寝言が現れやすくなると言われています。

2:病院に行くべき? 寝言の受診の目安

上記で紹介した原因以外にも、病気が原因で寝言を発しているケースもあります。睡眠中に次のような症状がみられる場合は、早めに睡眠外来などの医療機関を受診しましょう。

  • 毎日のように寝言を発する
  • 大声で叫ぶ
  • 体を動かす
  • 苦しそうな声を出す
  • いびきや一時的な呼吸の停止を伴う
  • 悪夢を伴う

寝言の中でも大声を出したり、体を動かしたりする症状には特に注意が必要です。これらは「レム睡眠行動障害」の特徴的な症状で、進行すると激しい行動によって自分や周りの人に怪我をさせてしまうこともあるため早めの受診が大切です。また苦しそうな声を出したり、いびきや一時的な呼吸の停止を伴う場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。悪夢を伴う場合は、心身に大きなストレスがかかっている可能性が高いです。

3:寝言を改善! 自宅でできる簡単セルフケア

寝言を改善するためには、質の良い睡眠をとることが大切です。次のような方法で睡眠の質を高めましょう。

①寝室環境を整える

  • 寝る前に明るい光を浴びない
  • 静かな環境で眠る
  • 寝具を見直す
  • 寝室を快適な気温や湿度に保つ

眠気は深部体温(体の内部の体温)が低下し、体が休息状態になることでやってきます。寝室が寒かったり蒸し暑かったりすると、体の熱がうまく逃げていかず体温が下がりにくくなり寝付きが悪くなります。寝室は気温20~26℃、湿度50~60%を保つのが理想です。また寝る前に明るい光を浴びすぎると、睡眠ホルモンのメラトニンが減少して寝付きが悪くなってしまいます。寝室の明るさは、真っ暗かフットライトや豆電球ひとつ程度にしましょう。騒音も睡眠に悪影響を及ぼします。屋外の騒音が気になる場合は、窓を閉めたり厚手のカーテンを使用するといいでしょう。さらに寝具が体に合ってないと体にストレスがかかります。枕の高さや硬さ、布団の重さなどを見直してみましょう。

②寝る前はブルーライトを浴びないようにする

ブルーライトの波長は紫外線に近いと言われており、人間の目に見える光の中では最も波長が短く、強いエネルギーを発します。また、ブルーライトは太陽光にも含まれています。そのため夜にブルーライトを浴びると、脳が昼と錯覚して活動的になってしまうので、睡眠の質が低下すると考えられています。就寝の30分以上前には、スマホやパソコンをOFFにしましょう。

③適度な運動をする

適度な運動によって体の緊張をほぐし、心地良い疲労を感じると快眠につながります。日中にウォーキングやサイクリングをしたり、寝る前にリラックスしながら数分間ストレッチをしたりして、心身をストレスや緊張から解き放ちましょう。布団の上に寝転がった状態で伸びをするだけでも、全身の緊張がほぐれて気持ちいいですよ。

④アルコールの摂取を控える

寝酒は「寝つきがよくなる」と感じている人もいるかもしれませんが、睡眠の質を下げてしまうため、寝言だけでなく中途覚醒や早朝覚醒の原因にもなります。また寝酒の習慣がついてしまうと、アルコールに対する耐性がつき、だんだん飲酒量が増えていく傾向があります。そしてアルコール依存症へとつながることもあります。就寝3時間前には飲酒を控えるようにしましょう。

⑤漢方薬を飲む

寝言の改善には、漢方薬を取り入れることもおすすめです。漢方薬の中には「不眠」に効果が認められているものがあります。

不眠の改善には、下記のような働きをもつ漢方薬を選ぶとよいでしょう。

  • 血流を良くして中枢神経の機能を回復し、睡眠の質を向上させる
  • 自律神経の乱れを整え、ストレスが原因の疲労や睡眠の質を改善す
  • 鎮静作用で心を穏やかにして寝付きを良くする
  • 消化・吸収機能を改善して体に栄養を届け、心を元気にする

漢方薬は西洋薬のような対症療法ではなく、根本からの体質改善が目指せるので不眠になりにくい体を手に入れることもできます。「睡眠薬を飲むのは抵抗がある」という人でも試しやすいでしょう。また、忙しくて就寝時間を毎日一定に保つのは難しいという人も、漢方薬なら症状や体質に適したものを飲むだけなので、無理なく継続できますよ。

〈不眠におすすめの漢方薬〉

・酸棗仁湯(さんそうにんとう)

心身の疲労や不安感がある人に。ストレスや過労による神経の興奮や緊張を和らげて、疲れすぎて眠れないなどの不眠の症状を改善します。

・抑肝散(よくかんさん)

イライラや緊張で眠れない人に。イライラや怒りのもとである肝の高ぶりを抑えることで、神経症や不眠症を改善します。

・加味逍遙散(かみしょうようさん)

イライラしがちでのぼせ、肩こり、疲労感がある人に。「気(エネルギー)」の流れを整えることで、体の熱を冷まして精神状態を安定させます。不眠のほか気分の落ち込みやイライラ、ホットフラッシュも改善します。

漢方薬を選ぶときに重要なのは、その人の状態や体質に合っているかを見極めることが重要です。うまく合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。そのため、漢方薬を選ぶときには、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのがおすすめです。

4:寝言のない睡眠でイキイキと美しく過ごしましょう!

寝言のほとんどは心配のないもので、睡眠の質を上げることで改善が目指せます。しかし中には病気が隠れている場合もあるため、たかが寝言だと軽視していると健康状態が悪化して、大変な病気につながるかもしれません。まずは寝室環境の見直しやストレス解消を心がけて、睡眠の質を高めましょう。それでも改善されない場合は睡眠外来などにご相談ください。
寝言のない質の高い睡眠は美容と健康につながります。ぐっすり睡眠を手に入れて、イキイキと美しく過ごしましょう!

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。あんしん漢方(オンラインAI漢方)はこちら

 

編集/岡村宗勇

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