FEMTECH
女性のヘルスケア悩みを科学技術で解決しようというフェムテックの動きが活発です。一方で、性について子供とのコミュニケーションに悩む人も多いよう。母と娘で話してほしい、いろんな悩みを対馬ルリ子先生親子が答えます。
教えてくれたのは……
左:産婦人科医 対馬ルリ子先生 64歳
対馬ルリ子 女性ライフクリニック銀座・新宿理事長。医学博士。日本のウィメンズヘルスケアの第一人者。コロナ禍の貧困やDV被害の支援活動も。
右:産婦人科医 対馬杏奈先生 33歳
ルリ子先生の次女で産婦人科専門医として大学病院と共に同クリニック勤務。若い世代の心身の相談にのりたいと意思を掲げティーンの患者さん多数。
A. 月経が来ていればOK。小・中学生も服用可能です
含まれる卵胞ホルモン(エストロゲン)量や成分により低用量、超低用量ピルがあり、月経が始まってからが一般的。12歳から服用が可能ですが連続使用は14、15歳からがおすすめ。ニキビなど肌荒れ改善目的での処方も可能です。
A. 中用量ピルで月経移動ができます。部活や修学旅行などでも活用を
低用量に比べ2種のホルモン量が多い中用量ピルは生理日を前や後ろへ1週間ほどコントロール可能。一方、吐き気など副作用が出る人もいるので医師の指導を。
A. 「更年期つらい」、「私今日生理」、「赤ちゃんはこうできる」、ライトに言い合いたいですね。梅毒感染者増のニュースなども家庭で会話を。
もしも性暴力にあった時、親に話せない…それは問題。親の生活にも当たり前に〝性〟があるオープンな姿勢で性に関わる科学的・社会的なことを、普通に会話して。性差だけでなく、性交して子供が生まれるって本来自然なこと。そして愛してなくても性交すれば妊娠の可能性が。だから性的同意が大事なんです。
A. 本をトイレに置くのがおすすめですよ
セックスを教えることではなく、自分を大事にすることの認知が性教育の根幹。対馬家は読んでほしい本をトイレに置いておく図書館スタイル。いつのまにか家族が読んでいてくれますよ。
左・遠見才希子著(大泉書店)中・メグ・ヒックリング著(築地書館)右・埼玉医科大学産婦人科助教の高橋幸子先生が中心になり作成した思春期向けサイトで、PDFのダウンロードや印刷が可能。
A. 2023年4月から9価が定期接種になります
ヒトパピローマウイルス(HPV)に対応。性交渉で感染するので経験前の接種が推奨され、今は小6~高1女性対象に2価・4価があり。価とはブロックできるウイルスの型の数で、今までよりも多い9価が公費で受けられるのは大きな進歩。男性の接種も海外では進むものの、日本では任意の自費接種が現状。
A. コンドームの避妊確率は85%。あくまで性感染症予防具です
まずは避妊と自己決定について話し合いましょう。世界ではコンドームを避妊のために使っている国は少数派。IUS(子宮内避妊システム)、注射法、皮下埋め込み、避妊リングなどの医学的避妊が主流です。
A. 性教育は5歳からとは言いますがケアは0歳から。まずは洗い方、尿の拭き方も性器のケアです
「前から後ろへ拭く」と教えられた人多数ですが「じっと押し当てる」が衛生的とTVやSNSで話題に。洗う時も膣周りが先、肛門は後でが基本で優しく洗いましょう。ひだの間はそうっと。恥垢は少しあるのが正常で洗いすぎに注意。
2023年『美ST』2月号掲載
撮影/オノデラカズオ(f-me)〈人物〉、山下忠之〈静物〉 ヘア・メーク/Mien(Lila) 取材/佐藤理保子 編集/矢實佑理
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2024年12月16日(月)23:59まで
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