FEMTECH
日本では半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。長く夫婦として生活を続けるうちにレスになるケースは多々ありますが、派遣社員のウェブデザイナー・希さん(仮名、36歳)は、IT企業エンジニアの昌さん(仮名、31歳)と新婚半年でケンカをして以来レスに。いったん性交渉がなくなると解消が難しいといわれているなか、意外な偶然がきっかけで仲直りができて、胸をなでおろしているそうです。
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希さんと昌さんは、もともと同じ外資系IT企業で働いていた同僚同士。
「最初はどちらも派遣社員でしたが、彼は優秀で3年の間に契約社員、正社員とスピード出世していきました。高卒ですが地頭がよく、とにかく仕事が早くて正確。尊敬の眼差しを向けながら相談をしているうちに好きになってしまいました」。
希さんは、当初昌さんに「年上のお姉さん扱い」されていたそうですが、親しくなるうちに「僕は家庭環境が複雑だったから、ふつうのお嬢さんっぽい明るさに安らぐ」と好感を持ってくれたとのこと。
「飲みに誘うのはだいたい私からでしたが、好きなアニメの話で盛り上がった後に『うちに来る?』と家に呼んでくれたのは彼から。そのまま男女の関係になって、1ヵ月もしないうちに『一緒に住む?』と言われて驚きました」。
一緒に住むなら籍を入れないと親が許してくれないと話すと、拍子抜けするほどあっさり「じゃあ入籍しようか」と言ってくれた昌さん。
「プロポーズらしさは皆無でしたが、私はもうすぐ35歳で彼が30歳だったのでありがたかったです。両親も『心根が良くまっとうに働いている相手ならどうぞどうぞ』といった感じで。実は『同棲は親が許してくれない』も、結婚してほしいので盛った感があります」。
結婚式は挙げず新婚旅行にお金を使おうと決めた2人は、昌さんがかつて住んでいたこともあるイタリアに新婚旅行に出かけて元義父にも挨拶してきたそう。
「夫の母はバツ2で、本業は保険の外交員ですが副業として占い師をしています。おとなしそうに見えて意外に押しが強い人。今でこそ経済的に安定しているようですが、彼が高校生の頃はイタリア人の夫と2度目の離婚をしたばかりでお金があまりなかったみたいです。彼は祖母の家から高校に通い、進学せず高校の先輩が起業したIT系のベンチャー企業でアルバイトをしていたと聞いています」。
同級生が大学進学するなか、昌さんはアルバイトでITエンジニアとして下積み時代を過ごし、貯金魔でもあったそう。
「独身時代はフリマで掘り出した服や革靴を丁寧に手入れして10年使ったり食事は自炊ですませたりして、お金を使わないようにしていたみたいです。おかげでまとまった貯金があったので家を買おうという話になったんですが、そこで彼が明らかに私よりお義母さんの意見を重視することに気がついてしまって……」。
希さんは風水や占いには興味がなく、あくまで実用性を重視した住居選びをしたかったそう。
「私の意見を完全無視というわけではないんです。ただ、例えば床の色。私は汚れが目立たないシックなダークブラウンがよかったんですが、『明るいほうが映えるから』と白に近いベージュにされちゃって。今後のローンは2人で払うとはいえ、頭金は彼が出すのでゴリ押しはできませんでした。でも後から、お義母さんが『明るいほうが運気がいい』と言ったからだと無邪気に言われた時は脱力しました」。
最初はなんとか適応しようとがんばった希さんですが、転職したばかりのECサイト運営の仕事が肌に合わずイライラしているところに事件が発生。
「義母は賃貸マンションに住んでいるのですが、気に入って引っ越した先が実は事故物件で幽霊が出る、と。前の住人は生きているけれど、前の前の住人がそこで亡くなったと近所の人に聞いたようです。『天井がガタガタいって怖い』『女性の声がした』と言われて、引っ越し先が決まるまでの3週間、夫が頻繁に泊まりに行ったんです」。
子供はいないとはいえ週3で家を開けられて、さすがにキレたという希さん。
「『あなたとあなたのお義母さんのそういうスピリチュアルなところが本当に嫌。だいたい事故物件っていっても高齢者の病死で、殺人事件ではないんでしょ? 昔は地震も戦争もあった東京で人が死んでない場所なんてどれくらいある? 何年すれば霊って無効になるの?』ってまくし立てたらバカにされたと思ったみたい。『なんでそんなに上から目線なの? 俺のルーツを見下している?』と彼も激怒していました」。
彼は、母親の再婚相手だったイタリア人義父のヒッピー風ファッションやナチュラル志向に影響を受けていて、彼が好きだった占いやタロット、民俗学などの書籍も多数所持しているそう。
「とはいえ彼は私に何も強要してこないし、趣味としてスピリチュアルなことに興味があることも知って結婚を迫ったのは私です。それなのに言い過ぎたかな?と反省しましたけど、覆水盆に返らず、ですね。翌日すぐに謝って、彼も『わかってくれればいいよ』と言ってくれましたが、その日からなんとなく気まずくて性交渉がなくなってしまいました」。
「朝の『おはよう』くらいは言いますけど、会話もほとんどなくなりました。彼の外食も増えて、家にいても違う部屋に籠もってパソコンを開いてイヤホン。彼はその部屋で一人で寝るようになりました。さすがの私も『バツイチになるのかな?』と無気力になっていたんですが、そんな時、彼のLINEに同僚男性から『子猫拾っちゃった』と緊急のヘルプが入りました」。
希さんは、大学時代に地域猫の世話と清掃活動を行うサークルに入っていたそうです。
「同僚の『3匹いて、どう見ても赤ちゃん』というLINEを見て彼は子猫を飼いたくなったみたいです。でも赤ちゃん猫の世話の仕方がわからなくて、背に腹は変えられず私に助けを求めてきました」。
子猫3匹を預かり、スポイトでミルクを与えたり排泄のためにマッサージをする希さんを彼は興味深そうに眺めていたとのこと。
「結局、1匹は残念ながら天に召されてしまって、1匹は我が家、もう1匹はその同僚の家で飼うことになりました」。
猫がやってきてから、希さんと同じベッドルームで寝るようになったという昌さん。2人と1匹でじゃれ合っているうちに、自然とスキンシップや性交渉も復活。
「家庭の雰囲気も驚くほど明るくなりました。 最近では猫の絵のタロットを買って彼にタロットを教えてもらったりしています。彼自身も『当たるも八卦、当たらぬも八卦だから』と、そこまで盲信しているわけではないので楽しめています。義理の母の家に行くときも事前に許可を取ってくれるようになって、『泊まりに行くなら私は実家に帰省するね』とお互い譲歩し合うようになりました」。
猫のおかげで離婚しかけだったセックスレス新婚生活が改善されたという希さん。
「小さくて温かくてかわいいもののよさに目覚めたのか、最近では『子供ほしいね。病院行こうか』と彼のほうから言ってくれています」。
※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。
取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA
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