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日本では半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。特にミドル世代になると、体力の衰えやホルモンバランスの変化で性欲自体が弱まることも。46歳の田中カナさん(仮名)は、セックスレスですれ違い生活が続いている夫との関係性にはおおむね満足しているそうです。しかしその一方で、親子ほど年の違う若い男性とランチデートを重ねています。
元モデルのカナさんは、鎌倉の自宅でネイルサロンを営む46歳。1歳年下の夫の博さん(仮名)と20歳の息子の3人家族ですが、現在カナさんは「ほぼ1人暮らし状態」とのことです。
ベンチャー企業のスタートアップメンバーで役員である博さんは、ほぼ海外に単身赴任状態で日本に帰国しても各地を飛び回る生活。息子は東京の大学に通い一人暮らしをしており、カナさんは夫とも息子とも顔を合わせるのは月に数回程度。
「ネイルサロンは趣味みたいなものです。モデルとしてもそんなに売れていませんでしたし、過去の職歴は恵比寿のネイルサロンのアルバイトだけなので。夫はちょこちょこ女の人と遊んでいるかもしれませんが、バレるほどの不倫騒動はこれまでなく、結婚する前に想像したより平穏です。彼はいつも会社のことで頭がいっぱいみたいです」。
妻の余裕を感じさせるカナさんと博さんの出会いは、カナさんが大学2年生、博さんが大学1年生だった頃。博さんは大学院こそ難易度の高い有名校ですが、学士課程の卒業大学はカナさんと同じマンモス校の地方キャンパス。まだ実績のない時代から「イノベーションを起こす」などビックマウスが目立ち、女子の間で「鼻につく」「大物になるかも」と評価が真っ二つに割れていました。
当時はカナさんの方が圧倒的にモテており、学内のフリーマーケットで友達に紹介された際には、初対面で「うちで飼ってた猫に似てる。いつも寝ていた猫」と言われ「嫌なヤツ」だと思ったそう。「でも、食事に誘われて何度も口説かれているうちにいつの間にか洗脳されていました」とカナさんは回想します。
帰国子女だった博さんは、カナさんには繊細な内面を見せることはあるものの、表向きはとにかく自信満々で横柄に思われることも多く、女友達に「別れた方がいいんじゃないの?」と言われたことも。付き合い始めた当初から、基本的には「ファミレスでも椅子を引いてくれる」ジェントルマンだった博さんですが、「元ヤンの彼氏がいるギャルみたいな地元の友達とつるんでいても成長しない。仲良くするならあの子とあの子がいいよ」など、友達関係を乱す発言もありました。
カナさんが親しく交際する相手を、社長秘書や大手企業勤務など「自分にメリットのありそうな肩書」を持つ女子にさせようとする発言にカチンときて、「友達のことは放っておいてよ」と別れを切り出しました。
一度はお互い別の相手と付き合ったものの、25歳になった頃、突然連絡があり「結婚してくれ。もう女友達のことは口を出さない。俺を自由に飛び回らさせてくれるのは、カナしかいなかった」とプロポーズされます。カナさんは常に男性と一緒にいたいタイプではなく、恋愛関係にクールで淡々と1人の生活を楽しめる性格なので、自由人の博さんと相性は良かったそうです。
カナさんも彼氏と別れたばかりだったこともあり、復縁してほどなく結婚し、翌年に息子が誕生。博さんは、大手メーカーを退職した後に、大学院時代の仲間とベンチャー企業を立ち上げます。現在まで、創業メンバーの不仲や離職などいくつかの波乱はあったものの、経営は安定しており経済的にも満たされているとのこと。
一方で博さんは意外なほど子供好きで、カナさんの実家の近くの鎌倉に家を買って東京のマンションと行き来するなど、妻や妻の実家への気遣いも。すれ違い生活から「物を投げるような大ゲンカ」をしたこともありますが、離婚話は出たことがありません。
性交渉は息子の出産後から、週末、1ヶ月ごと、季節ごと、イベント時や旅行した時だけ……と徐々に減り、いつの間にかフェイドアウト。アラフィフになった今は完全にセックスレスですが、長い休暇がとれると夫婦2人で海外旅行をしており、慣れ親しんだ幼馴染のような関係だそうです。
また、年に数回「突如、自信がなくなる」という鬱周期を持つ彼の「ケの日」を支えているという自負があり、家に帰ってきた時は夫婦で晩酌しています。「経済的に満たされていることはやっぱり大きいかもしれません。あと、彼はめんどくさい性格なので、子供の頃に大事にしていたぬいぐるみとかタオルとか、愛着のある持ち物を捨てられない傾向があって。浮気はしても離婚はしないような気がします」。
先月も、博さんの大学院時代の元彼女が彼のSNSの友達一覧にいることを発見しましたが、さほど気に留めませんでした。「海外に隠し子がいたらさすがに驚きますが、遊ぶのは隠してくれればいいと思います。万が一離婚してくださいと言われたら仕方がないので弁護士に相談します。でも、こちらから離婚を切り出す理由はありません」。
そんなカナさんにも定期的に会っている若い男性がいます。
「これってママ活っていうのでしょうか?セカンドパートナー?」。その男性は、女友達が切り盛りするダイニングバーで出会った、マジシャンをしている大学生。21歳のRUIさん(仮)は、息子とほぼ同年代です。人気歌舞伎役者の若い頃に少し面差しが似ているRUIさんは、「マジックは手元が大事なのでネイルをデザインしてほしい」とカナさんのサロンを訪れ、いつの間にか2人でランチをする仲に。
「マジシャンとして大きな舞台に立ちたい」「トップになれる実力はあると思う」というRUIさんの悩みを聞くなど、どちらかというとカナさんの方が「聞き役」に回っていますが、若くてかわいい男性との会話は日々の活力になっているそうです。RUIさんは自信家なところがあり、博さんの若い頃を思い出すことも。
「彼とは体の関係はないです。高校生の頃の彼氏と彼女みたい。コインマジックの流れで手を握ったり、ネイル前のハンドクリームを塗ったりするくらいでドキドキするし楽しいですよ」。
性欲は最近はあまり感じられず、むしろ「化粧を落として矯正下着を外した姿を若い彼に見られる方がハードルが高い」そう。
ちなみに、ランチデートをする時はアフタヌーンティーや高級焼肉など「ちょっといいもの」を食べに行くそうで、カナさんがごちそうする金額は5,000円~10,000円。お気に入りのボーイフレンドと「ハレの日」を楽しむだけで、テンションがあがります。ネイルは無料でサービスしており、それ以外の金銭のやり取りはありません。毎回形だけは「財布を開くフリ」をしてくれる彼は、実家の場所も分かる地元民ということもあり、男友達として安心感があるそう。
RUIさんに彼女はいないそうですが、当然今後はできる可能性もあります。「そのうち彼女ができて会わなくなるんでしょうね。ただそれは自然なことなので、他にママ活の相手がいるって言われるほうがショックかもしれません」。RUIさんからは一度酔った勢いでホテルに誘われたものの、骨盤矯正ガードルを履いていたので断ったところ、その後はお誘いを受けることはなくなりました。
高校生だった頃は「デートする相手はいるけど、恥ずかしいから『まだ』セックスはしたくない」と思っていたというカナさん。今は「デートする相手はいるけど、恥ずかしいから『もう』セックスはしたくない」と感じているそうで、「恥ずかしい理由はだいぶ違いますけど」と苦笑を漏らしていました。
※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。
取材・文/星子 編集/根橋明日美 写真/PIXTA
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