HEALTH
ふとしたときに、まぶたがぴくぴくと痙攣(けいれん)する……。そんな症状が気になったことはありませんか?それはもしかしたら日常の何気ない習慣が原因かもしれません。今回は、まぶたが痙攣する原因と、無意識にやっているかもしれないNG習慣および対策方法を紹介します。
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まぶたが痙攣している状態のことを「眼瞼(がんけん)ミオキミア」といいます。
眼瞼ミオキミアの主な症状は、片側の下まぶたがぴくぴくと動くことです。下側だけでなく、上まぶたが痙攣することもあります。
数分から数時間で自然に回復することが多い症状です。
眼瞼ミオキミアは、眼瞼の筋肉の一部分だけが痙攣し、他の部位に広がることはありません。
眼瞼ミオキミアは、目の周りを囲っている眼輪筋(がんりんきん)という筋肉が、勝手に収縮することで起こります。睡眠不足や肉体的または精神的疲労、ストレスなどによって起きると考えられており、多くの場合、しっかり休んで疲れをとることで改善します。
また、コーヒーやエナジードリンクなどの刺激のある食品の摂取や、パソコンやスマートフォンの長時間使用による眼精疲労でも発症する可能性がある症状です。
まぶたの痙攣が起こる原因は、疲れやストレスだけではありません。以下のような病気が原因でまぶたの痙攣が起こることもあります。
まぶたの痙攣を起こす可能性がある病気
VDT症候群
眼精疲労
チック症
自律神経失調症
重症筋無力症
顔面痙攣
まぶたの痙攣が片目のみであり、他に症状がない場合には1〜2か月程度様子を見て、症状が治らなければ眼科を受診するといいでしょう。
「まぶたが痙攣する時間が長くなってきた」「両目が痙攣している」「まぶた以外に口や額に広がっている」などの症状があるのであれば、脳神経内科や神経内科を受診することをおすすめします。
病院を受診する際は、いつからまぶたが痙攣するようになったのか、どのくらいの頻度で痙攣が起こるのか、一度痙攣が始まるとどのくらい続くのか、まぶたの痙攣以外に症状があるのかなど、できるだけ詳しく症状を伝えてください。
普段の何気ない習慣が、眼瞼ミオキミアの原因になっているかもしれません。ここでは眼瞼ミオキミア対策のために普段の生活で気をつけるべき習慣を5つ紹介します。
パソコンやスマートフォンを長時間使用し続けると、目の筋肉が凝り固まり、疲れやすくなります。1時間使用したら画面から目を離して遠くを見るなど、適度に目を休めることが大切です。
時間があるときには、ホットアイマスクや蒸しタオルなどで目の周りを温めるのもおすすめ。目の周りの血行を促し、筋肉の疲れを和らげる効果が期待できます。
十分な睡眠時間を確保して、質の高い睡眠をとることも重要。睡眠には、目を含む全身の疲労を回復させる効果があります。1日7時間程度の睡眠時間を確保できるように、夜の過ごし方を見直してみましょう。
睡眠時間を確保すると同時に、睡眠の質を高める工夫を取り入れるのもおすすめ。「寝る前のスマートフォンやタブレットの使用を控える」「就寝の1〜2時間前に入浴する」「温度や湿度など寝室の環境を良くする」などできることから取り入れてみてください。
眼瞼ミオキミア対策には、カフェインの摂取を控えることも大切。カフェインには神経を興奮させる作用があるため、多量に摂取するとまぶたの痙攣を悪化させる可能性が。また、カフェインの覚醒作用によって寝付きが悪くなるなど、睡眠の質が低下してしまう可能性もあるため注意しましょう。
コーヒーの場合、1日3杯程度までに抑え、夕方以降にカフェインを摂取しないよう意識することが大切です。
疲労やストレスは、眼瞼ミオキミアを引き起こす原因となります。眼瞼ミオキミア対策には、疲労やストレスを溜めないことが重要です。
しっかり休息をとる、生活リズムを整えるなど、疲れを溜めないように工夫しましょう。ストレス解消には、適度な運動をしたり趣味の時間を作ったりしてリフレッシュすることが大切です。
まぶたの痙攣対策には、漢方薬の活用もおすすめです。
体の栄養や水分バランスが乱れていることが原因で、まぶたの痙攣が起こることもあります。忙しくてバランスの良い食事やこまめな水分補給が難しいという場合には、漢方薬を飲んでバランスを整えるのもおすすめです。
具体的には、「筋肉の緊張を和らげる」「精神を安定させて、ストレスを緩和する」といった漢方薬が適しています。
・芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
筋肉の緊張を和らげることで、急な筋肉の痙攣を鎮める効果が期待できます。
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
体にこもった熱を冷ますことで、興奮を抑えて心を落ち着かせ、イライラやストレスを和らげます。
漢方薬は体質との相性も重要です。体質に合っていないと、効果を感じられないだけでなく副作用が起こる場合もあるため注意しましょう。漢方薬を使用する際は、症状や体質に合わせて医師や薬剤師に選んでもらうことをおすすめします。
教えてくれたのは…あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子さん
編集/根橋明日美 写真/PIXTAほか
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