HEALTH

40代の【がん】検診はどこで、どのぐらいのペースで受ければいい?

40代後半から罹患率が高まるがんですが、がん検診受診率は欧米が70~80%に対し日本は約40%と低い現状。検診や生活習慣など、変えられることはまだたくさんあります。手遅れになる前に知っておきたいがんの知識を医師に聞きました。

もはや「がん=死」ではありません!共存して生活している人もたくさんいます

どんな検診を受ければ良いかわからない方が多いと思います。勤務先等で受ける「健診」は一般的な健康状態を把握するもので、例えば血液検査でコレステロールや肝機能を調べたりするものです。それに対し「検診」は特定の病気があるのか無いのかを確認するもので、がん検診はこちらになります。
自治体が主体の対策型がん検診は受診先や検査の種類は限られますが、通いやすい地元の病院で公費の補助があるのがメリットです。自費で受ける人間ドックなどの任意型検診はほとんどが専門施設で、外来の患者さんとは動線が分かれていてゆったり過ごせ、感度や精度の高い最新の検査機器があるなどのメリットがあります。

\症状が出ない初期のがんはがん検診で確認を/

総合内科専門医、日本人間ドック学会認定医、健診専門医・指導医、検診マンモグラフィ読影認定医。イーク紀尾井町 東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス3F ☎03-6910-0391 女性専用検診日はクリニックに確認を。

──予防するには?

・たばこを吸わない
・お酒は適量にする
・塩分など食生活を見直す
・できるだけ体を動かす
・適正体重を維持する

▶︎がんには健康習慣が関与します
国立がん研究センターがん情報サービス「科学的根拠に基づくがん予防」によると、上の5つの健康習慣を実践する人は全く実践しない人に比べ、男性で43%、女性で37%がんになるリスクが減る、ということが統計上わかっています。それに加え、子宮頸がんの原因のHPVワクチン接種や胃がんのリスクとなるピロリ菌など感染への対策もとても重要です。

──早期発見するには?

・自治体のがん検診を受ける
・任意の人間ドックを受ける
・精密検査から逃げない
・普段から体調に気を配る
・自覚症状がある時は外来

▶︎5大がん検診は死亡率減少のため
公的資金を利用して主に自治体が行う5大がん検診は、メリットがデメリットを上回り、必ず死亡率減少効果が認められたもののみになります。対象や検査方法も非常に限定されています。遺伝や生活習慣など個人的にリスクが高く、より詳しい検診を希望する場合には幅広く網羅している人間ドックになります。

──もしもなってしまったら?

・放置しない
・一人で抱え込まない
・連携病院を紹介してもらう
・精密検査を受ける
・正確な診断情報を得る

▶︎不安を感じた時こそ、正しい情報を
不安を感じ、さまざまな情報をネットで検索するかもしれませんが、SNSが発達した今日では根拠のない情報があふれています。入口の情報が間違っていると無駄な時間とお金を使い本当にやるべき治療が遅れます。国立がん研究センターのがん情報サービスなど正確で信頼がおける情報を得るようにしましょう。一般の方にもわかりやすく書いてあります。

【がんへの備え】についてもっと知っておくべきことは?

──どんな検査をどのくらいのペースで受ける?

対策型検診は次に示すものが5大がんの対象年齢と回数になります。乳がんは40~74歳で2年に1回、子宮頸がんは20歳以上2年に1回、肺がんは40歳以上年1回、大腸がんは40歳以上年1回、胃がんは50歳以上2年に1回になります。任意型検診では特に決まりはありませんが、実際には1年に1回のペースで受けられる方がほとんどです。

──喫煙率が下がっているのに、肺がんが増えているのはなぜ?

何十年か前、昭和の頃に喫煙者のピークが来ていました。喫煙していた人が肺がんにかかるまでに時間がかかるので、喫煙率が下がってから肺がんの死亡率が下がるまでに試算で30年くらいタイムラグがあると言われています。現在はそのタイムラグを見ているところでは?と考えます。日本が高齢化社会であることも一因です。

──もしなってしまったときのため、今から備えられることは?

日本人は2人に1人ががんにかかっているので、40代以降、自分や家族の誰かががんになる可能性は非常に高いです。そうなったときに慌てないように、がん情報サービスなど質の高い正しい知識を持っておくこと。命に関わることなので、逆にエビデンスのない不要な情報を入れないこと。がん保険の内容の見直しをすること。

──自治体の検診と人間ドックの使い分け方は?

自治体の検診=対策型検診は「罹患する人が多い・早期発見が可能で且つ適した検査法がある・早期治療が良好」などの原則で絞り込まれていて、必ずメリットがデメリットを上回る条件に入ったものだけを挙げています。ご自身の生活習慣や遺伝や体質と照らし合わせ、必要な検査はドックなどの任意型検診で追加すると良いでしょう。

──「いい検査」ができるクリニックの探し方は?

質の高い検診と考えた場合、その医療機関のHP記載がある程度の目安になるでしょう。施設が学会認定されているか、医療スタッフの経歴や専門分野、医師や技師の学会認定の有無などを参考になさってください。その施設の検査機器情報もチェックなさるとよいでしょう。最新の機器は解像度も高く、検査の苦痛などが改善されているものもあります。

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2023年『美ST』1月号掲載
取材/菊池真理子 編集/佐久間朋子

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