HEALTH
長年、料理の仕事に携わってきた〝ばあば〟のレシピには、知恵と工夫と愛情がいっぱい。あわただしい毎日を送る美ST世代に伝え遺したい、とっておきのひと皿を教えてもらいました。今回は、健康料理研究家であり栄養士の和子ばあばが登場。素材の栄養・旨味を引き出す「重ね煮」の作り方を紹介します。
梅﨑さんの料理は「陰陽調和」。自然界のすべて、食べ物も人の心身も、陰と陽(静かで抑制的、冷やす作用/活発で興奮的、温める作用)、2つの対称的なエネルギーで構成されており、その調和が取れている状態が健康であるという、東洋医学の考え方がベースとなっています。
「食材の持つ陰と陽のエネルギーを組み合わせることで、体の陰陽バランスを整えるというのが、陰陽調和の料理。それを簡単に実践できるのが『重ね煮』です。第一のポイントは、ほとんどの場合、野菜の皮むき・アク抜きをしないこと。ビタミンやミネラルは、皮や皮と身の間に多く含まれていますし、えぐみ、苦み、渋みは、味に深みを与えてくれます。
第二のポイントは、重ねる順番。土の上に育つ、水分の多いもの=陰性の野菜を下に、土の下に育つ根菜類=陽の野菜を上に、より陽性の強い肉や魚介はいちばん上に入れて煮ることで、食材の持つエネルギーが鍋の中で対流・調和し、旨みを引き出すことができます。
第三のポイントは、シンプルな味付け。出汁は必要なく、調味料はあくまでも、素材の旨みを引き出すサポート役として使います。昔ながらの製法で作られた塩、醬油、味噌などの基本調味料があれば十分。野菜が八分通り煮えたところで調味をするのがコツです」
煮物やスープはもちろん、普通は手間のかかる「八宝菜」のような料理も、驚くほど簡単で失敗なく作れるのが重ね煮のいいところ。「鍋に材料をセットして冷蔵庫に入れておけば、あとは火にかけるだけ。食べたいときに、できたての味を楽しめます。忙しくて時間がない日や、野菜不足が気になるときに、ぜひ作ってみてください」
病院の栄養士として勤めるなかで、現代の栄養学に疑問を感じ、陰陽調和の料理を学ぶ。1987年、仲間とともに食と健康を考える「いんやん倶楽部」を設立。「毎日の食卓からおいしく健康に」を合言葉に、大阪、京都、東京での料理教室、オンライン講座、安全な素材を生かした加工食品の開発・製造なども行う。著書に『陰陽調和で考える いのちを養う食のきほん』(新泉社)など多数。
豚バラ肉……150g
ホタテ貝柱……4個
にんじん……60g
新玉ねぎ……150g(中1個)
長芋……80g
スナップえんどう……8枚
しょうが……1かけ
キャベツ……4枚
たけのこ水煮……小1個
生しいたけ……4枚
A:醬油……小さじ2
A:酒……小さじ2
A:片栗粉……小さじ2弱
B:塩……小さじ1/2~1弱
B:醬油……大さじ1~1と1/2
片栗粉……大さじ2(3倍量の水で溶き醬油を少々加える)
ごま油……大さじ1強
① 豚肉は5cm幅に切り、ホタテは厚さを半分に切る。それぞれにAを半量ずつまぶす。
② ここからは、まな板の隣に鍋を置き、材料を切って、その都度鍋に入れていく。しいたけは石づきを落とし、軸は薄切り、カサはひと口大のそぎ切りにし、鍋全体に広げるように入れる(以下同)。
たけのこは縦に薄切り。キャベツはざく切りにし、硬い芯の部分は薄切り。しょうがは皮をむき千切り。スナップえんどうはヘタと筋を取る。長芋はコンロの火で炙ってひげ根を焼き取り、皮付きのまま5mm幅のいちょう切り。新玉ねぎは根の硬い部分と頭の茶色い部分を落とし、半分に切り、中央から放射状に繊維に沿ってひと口大に切る。にんじんは皮付きのまま短冊切りにする。
③ ❷の上に、❶のホタテ、豚肉を重ね、水1カップ(分量外)を鍋肌から回し入れ、蓋をして強火にかける。煮立ってよい香りがしてきたら中火にし、野菜に少し歯ごたえが残る程度に5~6分煮る。その間にBを混ぜておく。
④ 全体を混ぜ、Bで調味。味を見て足りなければ醬油適量(分量外)を加える。水溶き片栗粉を回しかけて混ぜ、とろみがついたら、ごま油を加え、さっと混ぜる。
2022年『美ST』7月号掲載
撮影/須藤敬一 取材/伊藤由起 編集/小澤博子
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