HEALTH
人間の健康を支える腸内環境。便秘解消や美肌のカギを握ると言われており、さらに最近では「腸活」も流行とあって発酵食品を熱心に摂る人が増えています。腸活を意識した食事というと、どうしても制限が多く面倒なイメージを持ちがちですが、実はとってもシンプルな方法で始められます。腸活の第一人者である小林暁子先生に最新のコツを教えてもらいました。
便秘外来・内科・皮膚科・女性外来を主に専門としている。近年では、腸活の第一人者として多くの書籍を発表。テレビや雑誌などでも数多くの媒体で健康について指南している。著書『たった3日で自律神経が整う Dr.小林流 健美腸ファスティング』など。
「腸活とは、食事や運動で腸内フローラと呼ばれる腸内環境を整えることを言います。食事の改善は続けることが難しいですが、例えば、忙しい時はキムチともち麦ごはんだけでも腸に良い食事になりますし、普段の食事に食物繊維が豊富な食材を加えるだけでもいいんです。3ヶ月続けると、便秘解消の他にも内臓脂肪の減少が実感できます。3ヶ月も続けるなんて、無理!と思う方もいると思いますが、途中でおやすみをしてもOK。始められるようになったら、またスタートをして楽しみながら体の変化を見ていくことが大切です」(小林先生)
引き続きブームの腸活は便秘解消にも効果的な健康法です。以前より腸活に関する取材が増えましたが、その度に聞かれるのは「腸活に効果的な乳酸菌は?」「腸内フローラを増やす菌はなんですか?」といった、善玉菌を増やす食事や方法について。しかし、腸内環境を整えるために、まず意識して欲しいのは食物繊維なんです。
もちろん乳酸菌も大切です。しかし大腸内に40億個以上生息すると言われている腸内細菌をしっかり働かせるためには、まずは食物繊維をしっかり摂ることが大切。食物繊維を摂ってこそ腸活のスタートラインに立てるのです。
今まで食物繊維というと、水に溶ける“水溶性食物繊維”と水に溶けにくい“不溶性繊維”があり、この二つの食物繊維をバランスよく摂ることが重要とされてきました。しかし最新の研究で、この二つの食物繊維の分け方とは別の「発酵性食物繊維」が発見されたのです。発酵食物繊維は腸内で発酵するのが特徴。腸内細菌の中でも体の健康にとって好影響を与える有用菌(善玉菌)を活発にする食物繊維です。
水溶性食物繊維は、すべてではありませんが発酵食物繊維が多く含まれています。ただ、不溶性食物繊維の中にも発酵するものがあり、今までの食物繊維の分け方とは違った分類になっています。
この発酵食物繊維を積極的に摂ることで、腸内細菌の有用菌の働きが向上し、便秘改善以外にも免疫力の向上や肌の改善にも効果が期待できます。
アラビノキシランという食物繊維が分解されることなく大腸まで届き、発酵することで有用菌の餌となり、腸内環境を整えます。
これらにはイヌリンという食物繊維が豊富です。イヌリンは腸内細菌の餌となり、ビフィズス菌などの有用菌を増やして腸内フローラを改善。血中に含まれる脂肪を減らし、食後の血糖値を穏やかに上昇させる効果も。
果物や野菜の葉や茎の細胞壁に多く含まれる食物繊維で、水に溶けるとゼリー状に固まる性質があるペクチン。ペクチンには、便秘の時には便を柔らかくし、下痢の時には腸壁を守る作用があります。
これらに多く含まれる食物繊維のβ–グルカンは、水に溶けると粘り気が出て、糖質や脂質を包み込んで吸収を遅らせ、血糖値の上昇を抑制します。またコレステロール値を下げる効果も。
大腸まで消化されずに届くオリゴフルクトースが豊富。ビフィズス菌などの有用菌の餌になり、腸内環境や便器改善も期待できます。
腸内環境によい食材が分かっても実践できなければ効果はありません。毎日のルーティンにある食生活の改善は、面倒に感じる人も多いはず。それなら、まずは朝ごはんだけ気をつけてみることをおすすめします。実は私も基本的な腸活を気にしてはいるものの、朝ごはんをしっかり摂ったあとの食事は自由に摂っています。いわゆるジャンクなものを食べる日もあります。それでも朝ごはんだけ腸活を意識した生活をすることで、腸内環境は格段によくなりました。
腸内環境を整えるために水分補給は必要不可欠! 朝の寝起きの体は水分不足の状態。体に水分を補給しながら、水を一気に飲むことで腸を刺激し運動を促す効果もあるんです。この時のお水は常温でも冷やしたものでも、どちらでも大丈夫です。
便秘のタイプもさまざま。いきなりたくさんの食物繊維を取り入れると、腸内細菌も発酵のバランスが取れずにお腹が張ってしまうことがあります。腸内環境が整っていないタイミングでは、少ない腸内細菌でも対応できる少量からはじめることが大切。毎日の食事で色々な食物繊維を少しずつ取り入れてみて。
腸内細菌の働きを良くするために、相性の良い栄養素も取り入れて効率よく腸内細菌を働かせましょう。
【炭水化物】ローカーボダイエット(糖質制限ダイエット)が流行っていますが、炭水化物の一種であるレジスタントスターチは食物繊維と同じように腸内細菌の餌となる栄養素。しっかり摂取すると腸内環境が整います。
【乳酸菌】ヨーグルトなどに多く含まれる、腸内細菌由来のビフィズス菌、乳酸桿菌(ガセリ菌)、漬物などに含まれる植物由来の乳酸菌プロバイオティクスの3つの乳酸菌は、生きたまま腸に届いて働きます。食物繊維の働きを助けるのはもちろん、有害菌の働きも抑制。乳酸菌は、一種類ばかりを摂っていると腸内で慣れてしまうので、色々な乳酸菌を摂り入れるようにしましょう。キムチや漬物など発酵食品に含まれる乳酸菌は、酸や酸素に強いため生きて腸に届きやすいと言う研究結果が出ています。
【麹菌】醤油や味噌、日本酒に含まれる麹菌はカビの仲間です。必須アミノ酸とビタミンB群を豊富に含んでいます。最近の研究では腸内のビフィズス菌を増やす効果もあることがわかっており、積極的に摂りたい菌のひとつ。
もち麦や昆布で発酵食物繊維をしっかり摂取。米の炭水化物と、佃煮の醤油で麹菌も摂り入れられます。おにぎりに海苔を巻けば、さらに食物繊維を摂れちゃいます。
食欲のない朝も食べやすいメニュー。ビフィズス菌も摂取でき、オートミール、キウイとバナナで2種類の発酵食物繊維も食べられます。全粒粉のパンを添えるのもおすすめ。
食後の血糖値を穏やかに上昇させるゴボウの食物繊維と、水分をたっぷり含む味噌汁で食物繊維の含有量が上がった大豆をメインに。お味噌で麹菌も食べつつ、水分もしっかり取れる朝にぴったりな一品。
取材/川端宏美 編集/千田真弓
※写真はすべて以下のサイトによって作成された写真になります。
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