HEALTH

第2回 「菜の花」

毎日のように野菜を見て、触って、感じた事実を基に、独自の野菜の見方・食べ方を確立してきた内田 悟さん。これまでの常識を覆すような、新たな野菜の魅力に出合える連載です。第2回のテーマは、春の到来を告げる「菜の花」。

 

[菜の花] 原産地は北ヨーロッパ、地中海沿岸、中央アジア。春一番が吹くころ、日本南端から北上を始め、2〜3月にかけて列島に春を告げてまわるアブラナ科の野菜です。
買ったその日のうちに食べないものは、まず結束を解き、手のひらの上で軽く揺すってリラックスさせて。
そして新聞紙に包んで霧をふき、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ(常温では花が開きやすい)。2〜3日で食べ切って。

 

菜の花の目利きどころ

たっぷりの湯でさっと茹で、 ザルに上げて冷ます 調理前に10分ほど水にさらして軽くアク抜きを。ほろ苦さや美 しい緑色を残すには、たっぷりの熱湯でさっと茹でる程度にし (15〜30秒)、水にさらさず、ザルに上げてそのまま冷ます。

 

 

包丁は使わず手で折る、
丁寧に摘むのが基本
アブラナ科の野菜は、金けが苦手。 包丁を入れると嫌がるようにアクを 出すので、手で折るか、丁寧に摘む。 つぼみと茎を分けるときは、つぼみ の少し下でポキンと折って。茎部分 から伸びている葉を摘むときは、指 先に少し力を入れるのがコツ。

芽吹き野菜ならではの
ほろ苦さと香りを持つ
菜の花は「春の遣い」

 桜が散り始めるころ、河原の土手や畑一面に咲く菜の花は、日本の原風景のひとつ。食材としての旬はその1カ月ほど前になります。

「春の到来とともに旬を迎える菜の花は、つぼみのうちが食べごろ。2〜3月という短い期間に、味わいは刻々と変わります。

走りはみずみずしくて繊細だけど、アクが強いので油と好相性。盛り・名残りとなると
徐々に筋張ってくるので、よく茹でて食べるようにします。

これは春野菜全般に言えることですが、発酵調味料との相性はバツグン。味噌、醬油、みりんなどのアミノ酸が、苦みや旨みを活かしてくれます。

そうそう、菜の花と菜花は別ものなのかとよく聞かれるけれど、答えはイエス。菜の花と呼ばれるのは、西洋アブラナの柔らかな穂先部分のこと。菜花は、アブラナ科全般の植物の若い葉やつぼみ、脇芽を摘んだものの総称で、いろいろな種類があります。それぞれ風味や食感が異なるので、ぜひ食べ比べてみてね」

1955年、北海道生まれ。2005 年にレストラン専門青果店「築 地御厨」創業。本業のかたわ ら、2007年より一般消費者を 対象に「やさい塾」を開講。http: //www.yasaijyuku.com

 

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第2回 「菜の花」

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