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肌にかゆみや赤みが出る【湿疹】はどう対処する?今日からできるセルフケア5選[医師監修]

肌にかゆみや赤みが生じる「湿疹」。乾燥しやすい季節や体調の変化によって繰り返し起こりやすく、何度も現れる湿疹に憂鬱な気持ちを抱えている人も多いのではないでしょうか。実は、繰り返す湿疹は日常の些細な習慣と深く関わっています。湿疹ができる原因や今日からすぐに実践できるセルフケアを紹介します。

1.湿疹の原因って?

湿疹や皮膚炎の原因は1つではなく、乾燥や外部刺激、そして精神的なストレスなど、様々な要因が複雑に絡み合っています。まずは主な原因を紹介します。

①乾燥

湿疹を引き起こす大きな要因の一つが乾燥です。通常、肌の角質層には乾燥や紫外線などによる外部刺激から肌を守るバリア機能が備わっています。
しかし、空気が乾燥すると肌から水分が失われやすくなり、バリア機能が低下しがちです。バリア機能が弱まると、わずかな刺激にも皮膚が過敏に反応し、炎症やかゆみを引き起こして湿疹につながりやすくなります。特に、女性の場合は更年期になると肌の健康を保つ役割もある女性ホルモンが減少し、乾燥しやすくなります。

②外部による刺激

身の回りにある様々な物質による刺激が肌にダメージを与え、湿疹の引き金になることがあります。例えば、アクセサリーなどの金属や化粧品、衣類の素材などによる刺激です。
特に、摩擦や静電気が起きやすい化学繊維やウールなどの素材はかゆみを誘発することがあります。また、吸湿発熱機能インナーにも注意が必要。肌の水分を吸収して熱を生み出す仕組みであるため、乾燥肌の人はさらに乾燥が悪化する可能性があります。

③ストレス

ストレスも湿疹の発症や悪化を招く要因の一つです。ストレスによって自律神経が乱れると血行不良や免疫機能の低下を招き、湿疹につながりやすくなるのです。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つからなり、両者がバランスをとりながら体の様々な機能をコントロールしています。ストレスによって交感神経が優位になると血管が収縮して血行不良を招き、肌に必要な酸素や栄養が届きにくくなります。
その結果、肌のターンオーバーが乱れてバリア機能の低下を招くのです。さらに、免疫機能も乱れてアレルギー反応も起きやすくなり、湿疹が生じやすくなります。

2.湿疹の種類

湿疹には大きく分けて急性湿疹と慢性湿疹の2つがあり、症状の現れ方や期間も異なります。急性湿疹は発症から数日以内のかゆみを伴う湿疹のことで、慢性湿疹は急性湿疹が慢性化した状態のことです。
代表的な湿疹には以下が挙げられます。

手湿疹(主婦湿疹):主に洗剤や水仕事などの刺激が原因で手に起こる

皮脂欠乏性湿疹:皮脂が少なく乾燥しやすい部位のバリア機能が低下して湿疹ができる

脂漏性皮膚炎:皮脂が過剰に分泌されることで湿疹につながる

アトピー性皮膚炎:皮膚のバリア機能が低下し、アレルゲンによる刺激やストレスなどによりかゆみのある湿疹が繰り返し起こる

湿疹の種類によって原因や適切な対処法は異なります。かゆみが強くて眠れない、範囲が広がっているといった場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。

3.湿疹を改善するセルフケア

湿疹を改善するには肌を乾燥や刺激から守り、肌のターンオーバーを整えるために体の内側からサポートすることが重要です。今日からできるセルフケアを紹介します。

①保湿ケアをする

肌のバリア機能を回復させるために、丁寧に保湿ケアをしましょう。入浴後や洗顔後は肌の水分が急速に蒸発するため、タオルで水分を拭き取ったらできるだけ早めに保湿クリームなどを塗りましょう。また、外出前や食器洗いの後など、乾燥しやすいタイミングでのこまめな保湿も大切です。
保湿剤を選ぶ際は、肌のバリア機能を補うセラミドや、保湿効果の高いヘパリン類似物質などが配合されたものが適しています。乾燥が強い部分はクリームや軟膏、広範囲にはローションなど、症状や部位に合わせて使い分けるのも有効です。

②肌への刺激を軽減する

肌への負担を減らすことも、湿疹の改善につながります。
直接肌に触れる下着や衣類は、綿や絹などの天然素材で、摩擦が起きにくく吸湿性の良いものを選びましょう。また、入浴時に体を洗う際は石鹸やボディソープをよく泡立て、手で優しくなでるように洗うことも重要です。
手にできた湿疹の改善・予防には、洗剤や水による刺激を避けることが大切。水仕事の際はゴム手袋を着用して洗剤や水に直接触れないようにし、ゴムの刺激が気になる場合はその下に木綿の手袋を着用するなどの工夫をしましょう。

③食生活を見直す

食生活を見直し、抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸や、肌のターンオーバーを整える効果のあるビタミンAなどを積極的に摂ることも大切です。
オメガ3脂肪酸はイワシやサバなどの青魚に多く含まれる栄養素で、魚の缶詰でも摂取できます。ビタミンAはレバーやチーズ、卵などに多く含まれる栄養素で、皮膚や粘膜の健康を保つ役割があります。缶詰を使った一品をプラスする、副菜や汁物に卵を使うなど、無理のない方法で日々の食事に取り入れてみましょう。

④ストレスケアをする

ストレスによる湿疹の発症や悪化を防ぐため、意識的にリラックスする時間を作ることも大切。ラベンダーやカモミールなどの好きな香りのアロマを焚いたり、ハーブティーを飲んだりしてリラックスしましょう。
また、数分間目を閉じて腹式呼吸や瞑想を行うことも、自律神経を整える方法の一つです。就寝前に行うと寝付きを良くして睡眠の質を高めることにもつながります。

⑤漢方薬を活用する

繰り返す湿疹の対策には、体質から改善する漢方薬を活用するのも一つの手。漢方薬は自然由来の生薬でできており、心と体全体のバランスを整え、不調の根本原因にアプローチするものです。
湿疹には「肌の炎症を抑える」「血流を良くして肌に栄養や潤いを届ける」「肌の新陳代謝を良くして毒素を出す」などの働きがある漢方薬を選びましょう。

<湿疹対策におすすめの漢方薬>

・当帰飲子(とうきいんし)
かゆみを鎮めるとともに、肌に栄養と潤いを与え、乾燥によって起こる湿疹や皮膚炎などの改善に役立つ漢方薬です。冷え症が気になる人の乾燥性肌トラブルに使用されます。

・十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
肌表面にたまった熱や毒素を発散させることで、かゆみや化膿を抑えて炎症を鎮め、ニキビ、湿疹、蕁麻疹などの改善に役立つ漢方薬です。比較的体力がある人の様々な肌トラブルに使用されます。

漢方薬は自然由来の生薬でできており、西洋薬よりも副作用が少ないとされていますが、体質や症状に合わないと思わぬ副作用が出ることもあります。セルフケアに取り入れる際は、自己判断で服用するのは避け、漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。

【湿疹に関するQ&A】

Q.湿疹の種類を見分けるポイントはありますか?

急性湿疹の場合、赤みやブツブツ、小さな水ぶくれ、じゅくじゅくとした滲出液などの症状が現れ、種類によりできやすい部位が異なります。慢性湿疹になると患部にかさぶたや皮膚が厚く盛り上がる苔癬化局面(たいせんかきょくめん)などが現れるのが特徴です。
また、ストレスなどにより何度も繰り返す場合はアトピー性皮膚炎の可能性があります。湿疹の種類や原因により対処法は異なるため、症状が長引いたり悪化したりする場合は皮膚科を受診して適切な治療を受けましょう。

Q.湿疹ができた場合してはいけないことはありますか?

湿疹ができた場合、かゆくても患部をかくのはNGです。かくことで肌荒れが悪化して湿疹が長引いたり悪化しやすくなったりします。患部を冷やすとかゆみが収まる可能性があるため、濡らしたタオルなどで冷やしましょう。

Q.湿疹の治療に薬を使用する場合、いつまで塗る必要がありますか?

湿疹は見た目が良くなっても薬を止めると症状がぶり返すことがあります。医師から治療薬を処方された場合は、医師の指導に従って薬を使用し、自己判断での中止は避けましょう。なお、湿疹の治療では主にステロイド外用薬が使用されます。ステロイド外用薬を使用してもなかなか良くならない場合は、薬が肌に合っていない可能性があるため医師に相談しましょう。

教えてくれたのは…医師 木村 眞樹子さん

教えてくれたのは…医師 木村 眞樹子さん

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。

編集/根橋明日美 写真・イラスト/PIXTAほか

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