HEALTH
体にさまざまな変化が現れる更年期。実は、更年期の女性は骨密度が低下して骨粗しょう症になりやすくなります。骨密度を保ち、骨粗しょう症を防ぐために取り組みたいのが「骨活」です。更年期に骨密度が低下する原因や、更年期から始める骨活を紹介します。
更年期の骨密度の低下には、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量の減少が関係しています。
通常、骨は骨芽細胞による新しい骨の形成と、破骨細胞による古い骨の吸収という新陳代謝を繰り返すことで健康的な骨を維持しています。エストロゲンは骨芽細胞と破骨細胞の両方に作用しており、新陳代謝のバランスを保つ役割を担っているのです。
更年期にエストロゲンが減少すると、このバランスが崩れ、骨密度が急激に低下しやすくなります。骨密度が低下すると骨がもろくなり、転倒による骨折や圧迫骨折などが起きやすくなります。
骨密度が低下すると体にさまざまなサインが現れます。以下のような変化が現れていると、骨粗しょう症の可能性があります。
・最近背が縮んだように感じる
・背中が丸くなってきた
・腰や背中が痛む
・ちょっとしたことで骨折した
更年期以降は骨密度が低下しやすいため、まだ大丈夫と油断せず、早めに骨活に取り組みましょう。
骨粗しょう症対策としてカルシウムの摂取が知られていますが、それだけではなく生活習慣を見直すことも重要です。骨密度を上げるための骨活を紹介します。
骨の健康維持に必要なカルシウムやビタミンDを積極的に摂りましょう。
カルシウムは骨の重要な構成成分であり、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品や豆腐などの大豆製品、小松菜、水菜などの野菜に含まれます。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する栄養素で、きのこ類や卵に多く含まれます。
カルシウムやビタミンDを摂るには、日々の食事や間食などにちょい足しすることが重要。コーヒーをカフェオレにする、おやつにチーズやヨーグルトを食べるなど無理なく続けられる方法で取り入れましょう。
適度に紫外線を浴び、体内でのビタミンD合成を促すことも重要です。
ビタミンDは皮膚が紫外線を浴びることでも合成されます。ビタミンD合成に必要な紫外線を浴びるには、夏には木陰で30分程度、冬には1時間程度日光浴を行いましょう。
ただし、紫外線を浴びすぎるとシミやシワなどの肌トラブルにつながる可能性があるため、浴びすぎには注意が必要です。
骨密度を保つには、骨に負荷がかかる運動をすることも効果的。かかと落とし(立った状態でかかとを上げ下げする運動)やジョギング、自重トレーニングなどは骨に重力や刺激が加わり、骨が強くなります。
毎日ウォーキングやジョギングをする、仕事の合間に筋トレをするなど無理のない方法で習慣にしましょう。階段の上り下りなども効果的なため、エスカレーターやエレベーターではなく階段を使うのもおすすめです。
また、軽いダンベルを持ってウォーキングをすると上半身の骨を鍛える効果が期待できます。ダンベルがない場合は水や砂を入れたペットボトルで代用しましょう。
お酒の飲み過ぎを控えることも重要です。アルコールは利尿作用によってカルシウムの体外への排出を促すだけではなく、ビタミンDの働きに悪影響を及ぼして体内での吸収を阻害します。
そのため、毎日のお酒の量を少なくする、お酒を飲まない日を作るなど、お酒の飲み方を見直しましょう。家にお酒を買い置きしているとつい飲んでしまう場合は、買う頻度を少なくすることも大切です。
骨粗しょう症対策には、漢方薬を活用するのもおすすめです。漢方薬は自然由来の生薬でできており、体質から改善して不調の根本原因にアプローチします。
骨粗しょう症対策には「加齢による骨の衰えを補う」「胃腸の機能を高めて栄養の吸収を良くする」などの働きがあるものを選びましょう。
・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
体を温めて水分代謝を良くし、加齢による衰えや泌尿器・生殖器の機能低下に伴う排尿障害などに働きかける漢方薬です。冷えやすく、下肢の痛みがある人におすすめです。
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の機能を高めて栄養の吸収を良くし、肉体的な疲れや無気力などの改善、健康維持が期待できる漢方薬です。元気や食欲がなく、疲れやすい人におすすめです。
漢方薬は西洋薬よりも副作用が少ないとされていますが、体質や症状に合わないと思わぬ副作用を招くことがあります。セルフケアとして漢方薬を始めるなら、専門家に相談するのが安心です。自分に合った方法で骨活を始めましょう。
骨活は何歳からでも効果が期待できますが、特に骨密度が低下しやすくなる40代以降は意識して行いましょう。骨密度は20歳前後にピークを迎え、以降は徐々に減少していきます。さらに、女性の場合、更年期のエストロゲンの減少によって急激に骨密度が低下して骨粗しょう症のリスクが高まります。骨密度の減少を緩やかにするために、早めに骨活を始めましょう。
無理なダイエットや食生活の乱れによる栄養不足、運動不足、飲酒・喫煙の習慣などが骨密度の低下につながります。また、紫外線を過度に避けて浴びない生活を続けるとビタミンD不足を招く恐れがあるため注意が必要です。
詳しい骨密度を知りたい場合は、医療機関で骨密度検査を受けるとよいでしょう。病院によって受けられる検査は異なりますが、X線を用いて腰椎と大腿骨の骨密度を測るDXA検査や超音波検査が代表的です。DXA検査は精度が高い一方、大型の装置が必要なため検査が受けられる病院が限られます。超音波検査はDXA検査よりも手軽な検査です。
教えてくれたのは…医師 木村 眞樹子さん
編集/根橋明日美 写真・イラスト/PIXTAほか
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2026年11月16日(月)23:59まで
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