HEALTH
トイレに行くたびにヒリヒリ、ツーンとした排尿痛があり、「また痛むかも」と不安になっていませんか? 特に、更年期は膀胱炎による排尿痛が起きやすくなります。排尿痛の原因や日常生活でできるセルフケアを紹介します。
排尿痛の原因として多いのが、尿道から入った細菌が膀胱で増えて炎症を起こす膀胱炎。膀胱炎になると、排尿の終わりごろに下腹部や尿道のあたりに痛みを感じやすくなります。ほかにも、トイレが近い、残尿感がある、尿が濁るといった症状を伴うことが。
ただし、排尿痛は膀胱炎だけで起こるとは限りません。尿道炎では尿の出始めに痛みやかゆみが出ることがあるほか、尿路結石や間質性膀胱炎、性感染症などが関係する場合もあります。
更年期はエストロゲンの分泌量の減少によって膣や尿道、膀胱周りの潤いが保たれにくくなる時期。粘膜が乾燥しやすくなると、外部からの刺激に敏感になり、細菌が入り込みやすい状態に。これにより、膀胱炎になりやすくなるのです。
また、ストレスや睡眠不足が重なると自律神経のバランスが乱れ、冷えや免疫機能の低下を招いて細菌に感染しやすくなります。
排尿痛を改善するには膀胱炎などに対するケアとともに生活習慣を整えることが大切。再発予防や症状を長引かせないためのセルフケアを紹介します。
水分をきちんととると尿量が増え、膀胱内の細菌を尿と一緒に流し出す助けに。のどが渇いてから一度にたくさん飲むより、白湯や水、お茶を少しずつ飲むほうが効果的。トイレに行きたくなったら我慢せず、こまめに排尿することも大切です。
一方、カフェインを含む飲み物の摂取は、利尿作用により膀胱が刺激されて炎症の悪化や脱水につながる可能性が。そのため、痛みがある時期は控えめにしましょう。
冷えは血行不良を招き、免疫機能の低下につながります。冷房の効いた室内では薄手のカーディガンや腹巻きなどを活用して体を冷やさない工夫を。
また、体の内側の冷えにも注意が必要。冷たい飲み物やアイスを続けて摂ると内側から冷えやすいため、排尿痛が気になる時期は常温のものや温かいものを選ぶのがおすすめです。
さらに、入浴できる日はシャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かって体を温めましょう。
細菌の侵入を防ぐために、デリケートゾーンを清潔に保ちましょう。排尿後や排便後はトイレットペーパーで前から後ろへ拭き、菌を尿道口へ近づけないように意識を。
生理用ナプキンやおりものシートを使う日は長時間そのままにせず、ムレる前に取り替えることが大切。また、デリケートゾーンの洗いすぎはかえって乾燥や刺激につながるため、入浴時は優しく洗うよう心がけましょう。
ストレスをためすぎないことも大切。忙しいときこそ、深呼吸をする、短い散歩に出る、湯船に浸かる、好きな香りで休むなど、自分なりのリラックスタイムを設けましょう。
また、睡眠不足や過労も自律神経のバランスを崩して膀胱炎を招く要因になり得るため、予定を詰め込みすぎないこともセルフケアの一つ。無理をせず心身を休める日を意識してつくり、ストレスを適度に発散しましょう。
排尿痛が気になるなら漢方薬を活用するのもおすすめです。漢方薬の中には膀胱炎に効果が認められているものもあり、体の内側から排尿痛の原因にアプローチして改善を目指します。自然由来の生薬でできており、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないとされているのも特徴。
排尿痛には「水分代謝をよくして排尿を促す」「炎症を抑える」「膀胱の機能を改善する」などの働きがある漢方薬を選びましょう。
・五淋散(ごりんさん)
炎症を抑えることで排尿時の熱感や痛みを緩和し、排尿を促して菌の排出を助ける漢方薬です。繰り返す膀胱炎や排尿痛などに用いられます。
・猪苓湯(ちょれいとう)
水分代謝を改善して排尿を促し、菌の排出を助けることで、膀胱炎の症状を改善する漢方薬です。排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿などに用いられます。
漢方薬は症状や体質に合わせて処方されるもので、同じような症状であっても人によって合う漢方薬は異なります。自分に合う漢方薬を知りたいなら、漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談することが重要です。専門家の力を借りながらセルフケアに取り入れてみましょう。
痛みが長引く、何度も繰り返す、血尿や強い残尿感がある場合は、泌尿器科で相談しましょう。排尿痛などのほかに、発熱や背中の痛みがあるときは炎症が腎臓へ広がる腎盂腎炎の可能性もあります。気になるときは早めに医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
急性膀胱炎の場合、抗菌薬の服用により数日で症状が軽くなることがあります。ただし、痛みが落ち着いても細菌が残っている場合があるため、自己判断で薬をやめるのはNG。処方された分を飲み切り、改善しないときは再度医師に相談しましょう。
水分不足やトイレの我慢、冷え、睡眠不足、過労、ストレスなどが重なると、細菌が増えて膀胱炎になりやすくなります。また、性交渉やホルモンバランスの変化も膀胱炎につながる要因の一つ。膀胱炎を繰り返す場合は、セルフケアとして生活習慣の見直しを行いましょう。
教えてくれたのは…医師 木村 眞樹子さん
編集/根橋明日美 写真・イラスト/PIXTAほか
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2026年11月16日(月)23:59まで
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