HEALTH

55歳で乳がん。右胸を切除し「病院が苦手で発見が遅れたことを悔やみました」

病院が苦手で、つい後回しにしていた胸のしこり。ある日それが乳がんだとわかり、手術ののち、右胸を切除、再建を経験した當野都由美さん(61歳)。今は乳がんになった経験を活かしてメディカルコーディネーターとして患者さんと医師を繋げる活動をしています。乳がんは早期発見が大切。乳がん発見から闘病、そして現在までの体験談を伺いました。

乳がんになった自分の使命だと思って今は患者さんとお医者さんを繫げる活動をしています

お話を伺ったのは……メディカルコーディネーター 當野都由美さん(61歳)

《Profile》
2020年に「Reborn Alive Project」を立ち上げ乳がん発見や予防を目的に活動。写真集は私の体験とそれを通して気づいたことをメッセージに。術後のケアの一つとして発毛遺伝子に働きかける育毛溶剤を取り入れています。

広島で美容院の経営をして軌道に乗っていましたが、心理学を学びたくて一旦現場を退き、10年間勉強。講師となり講演活動をして充実した毎日でした。でもその間、売り上げが落ちてしまった美容院を再生するため広島に戻り、美容師としてではなく経営を立て直すことだけに専念する毎日が本意ではなく、ストレスが溜まりました。

多忙な中、胸のしこりにも気づいていましたが若い頃からよく乳腺炎になるタイプで、また乳腺炎かとつい後回しにしていました。元々病院が苦手だったこともあり、発見が遅れてしまったんです。

ある日、疲れて帰ってきてお手洗いで座った時、右手がぶらんと下がって上げられない…。すぐ病院で検査したらがんと宣告されました。なぜ私が?と受け入れられないまま手術。その後再建もして、その少し前に再建が保険適用になったことはありがたかったです。

でもその後3年間は何もかも手につかず「がんになったのは何か意味があるはず」と考え続ける日々。時が流れ「今私はまだ生きている、いや生かされている!この経験と気づきを多くの人に伝えたい」と、手術の傷跡や再建した胸を写した写真集を自費出版しました。

表参道総合医療クリニックと縁があり、がんサバイバーだからこそ医師とは別の角度からアプローチできるのではと勧められメディカルコーディネーターとして患者さんの相談に乗るように。美容や心理学の経験も活かしながら前向きな治療を伝えることが根幹です。自分らしく輝いて生きる力になれたらと活動しています。

當野都由美さんの闘病ヒストリー

2016年5月(55歳) 広島市民病院で検査し発見
同年8月 広島市民病院で手術。右胸切除
2018年2月(57歳) 広島市民病院で右胸乳房再建

2023年『美ST』12月号掲載
撮影/渡邉明日香 取材/秋山真美子 編集/矢實佑理

FEATURE

MAGAZINE

一生元気に!自愛ビューティ

55歳で乳がん。右胸を切除し「病院が苦手で発見が遅れたことを悔やみました」

2024年6月号

2024年4月17日発売

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