PEOPLE
今から46年前。当時の世間を騒がせた松方弘樹さんと仁科亜季子(当時は仁科明子)さんの熱愛騒動。全てを捨てて愛を選んだ仁科さんは女優を引退。お二人のお子さんを授かりましたが、仁科さんが38歳の時に子宮頸がんが発覚。離婚を決めた翌年の46歳で2度目のがんの手術を受け、胃の3分の1と膵臓を切除することに。その後、小腸、大腸にもがんが発覚。我々ならどれか一つだけでも心折れてくじけそうな、逆境だらけの波乱万丈人生を乗り越えられた理由とは?支えとなった家族との絆についても語ってくれました。
《プロフィール》
1953年4月3日、東京都生まれ。1972年に銀河ドラマ『白鳥の歌なんか聞こえない』(NHK)で女優デビュー。活動休止を経て、1999年に女優復帰。3月17日から公開中の映画『犬、回転して、逃げる』(シネ・リーブル池袋、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開)に出演。
初めてがんが発覚した時は青天の霹靂ではありましたが、子供たちの生活を維持することに精一杯で無我夢中。でも、4度目の大腸がんの時にはさすがに60歳を過ぎていたので集中治療室で天井を仰ぎながら「もうやめてよ」「なんでこんなにいじめるの」と神様に怨み言を言いましたね。とはいえ、ドラえもんでもいない限り、過去に戻るのは無理。私はお酒も飲みませんし、タバコも1回も吸ったことがなく、健康的な生活をしてきたと思うのですが。それでも4回のがんに見舞われたのは、自分では気づいていないストレスを内側にため込む気質があるのかもしれません。
私の経験から思うんですが、がんと言うのは、原因と結果が必ずしも結びつかないし、はっきりしないもの。今、日本では男性の2人に1人、女性は3人に1人ががんにかかると言われているので、仕方ないと思うしかないんじゃないか、と自分に言い聞かせてきました。なんでかかったの? どうして私ばかり? と思うよりも、事実を受け止めて、その時やるべきことをやる。それだけだと思って進んできました。
闘病中はいろんな困難も苦難もありましたが、とにかく私ががむしゃらに前を見て生き抜いて来られたのは子供の存在があったから。息子と娘を育て、守るという使命があったから、ここまで来ることができたのだと思います。己のためより他者のために生きるという希望を持つことが、人を強くするんじゃないかなと思います。
自分が思ったら周囲が何と言おうとやり抜くという気性は20代の頃の結婚・芸能界引退にもつながっているのかもしれません。
1度目の結婚がそれこそ、なかなかパンチのあるお相手で(笑)、結婚生活も波瀾万丈続き。若いから乗り越えられたところはありますし、子供たちがいてくれたので何とか持ちこたえた部分がありますね。それに離婚したのは子供たちが大きくなってから。だいぶ事情もわかってくれていたので、乗り切れた気がします。
子供たちはもちろん反抗期もありました。今でこそ孫を交えてしょっちゅう家族で集まったりしていますが、思春期の時は、息子も娘も反発するような時期がありました。特に息子はやんちゃしている時がかなりありましたしね(笑)。でも不思議と、私は動揺したことはあまりなかったんです。思春期なんていつか終わる、いずれ収まるでしょう。収まらなかったらお馬鹿さんでしょ、と思っていました(笑)。最終的には子供たちのことを信じていたのだと思います。
4月で70歳になります。人間は泣いて生まれてきたんだから、最終的には笑って死にたいなぁと思います。ただ最近辛いのは同級生がだんだんいなくなること。小中高一貫校なんですが、同窓会を開くと女子はもう15人が亡くなっているんです。私よりも後からがんを発症して先立たれた方が何人もいらっしゃる。今日もたまたま小学校1年生からの友達と夜ご飯を食べに行きますが「70歳になってくると人の運命なんて、どこでどうなるかわからないね」とよく言い合っています。
最近、私の人生を思い返した時に思うのは、結婚で芸能界を引退せずに、あのまま女優としてのお仕事を続けていたら、もうちょっといい芝居ができるようになっていたのかなあ。あのブランクがなかったら、結婚していなかったら、もうちょっといい女優になっていたかしら、ということ。若い頃の将来の夢はお嫁さんになって家庭に入ることだったので、当時は全く躊躇なく辞めましたが、あのまま仕事を続けていたらどうだったかなぁと思うことがあります。
5年半の第一次女優活動期の後、家庭に入ってしまったので、今は第二次活動期の後半。これから時間が許す限り、セリフを覚えられる限りは精一杯お芝居をやっていきたいですね。近々では3月17日に公開された映画『犬、回転して、逃げる』に主人公の同僚・清掃員役で出させていただいています。息子や娘より若い方々とのお芝居は刺激があって楽しかった。もっと演技のお仕事をやってみたいと感じました。
自分でもそんなに芝居が上手いほうじゃないと思っていますが、使ってくださる方がいらっしゃったら、ぜひこれからもいろいろな作品に挑戦してみたい。70代で仁科亜季子の代表作が新たに作れたら嬉しいですね。
撮影/来家祐介(aosora) ヘア・メーク/Hanjee(SIGNO) 取材/柏崎恵理 編集/永見 理
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