PEOPLE
歌手活動・妻・3人の子育て・学生と4足の草鞋を履きながら、第一線で活動を続ける相川七瀬さん。今年3月に國學院大學神道文化学部を卒業し、4月からは同大学院生として祭事や神事についての学びをより深めていらっしゃいます。超多忙な生活の中、「無理をしている部分はあるけど、それを楽しめています」と笑顔で話す相川さんが、なぜ今学びの道を選んだのか、そしてその活動の原動力についてお話をうかがいました。
《Profile》
1975年大阪府生まれ。’95年シングル「夢見る少女じゃいられない」で歌手デビュー。翌年発売のアルバム「Red」は280万枚の売り上げを記録し、現在までのCDトータルセールスは1200万枚にのぼる。歌手活動を続ける傍ら、‘20年に國學院大學神道文化学部を受験し合格。4月から同大学院に進学。
子供のころの夢は歌手になること。デビューを目指し、高校を中退して上京し、ボイストレーニングに通い、シングル『夢見る少女じゃいられない』で歌手デビューしたのが20歳のとき。
夢は現実になり、その大きな車輪を土台にして生きてましたが、40代を過ぎたとき、もう1つの車輪を動かし、より人生の幹線道路をしっかり走ってみたくなったんです。その車輪が復学でした。
そもそも13年前、縁あって長崎県対馬で神事のために作られている古代赤米の存在を知り、妙に惹かれ、その担い手を訪ねてみました。すると、担い手さんがすでに1人で、何千年も続いてきた赤米の栽培が途絶えてしまうと聞いたのです。
神事と祭事は密接に関わっており、例えば平安時代から脈々と続いてきた祇園祭には京都の地域性が詰まっていますよね。それぞれの日本の地域には個性を持った祭事があるのに、それが途絶えてしまうなんて大変なことだと思いました。どうすればいいかを一緒に考え、何かお手伝いができないかと、個人的に関わりを持つようになり、その後は地域とともに活動を広げて今まできました。
長年続けてきた中で、違うフェーズに、この神事を持っていくには私自身の学びを深めることが重要で、そうすればもっと踏み込んだ提案ができる、と。その延長線上にあったのが大学での学びでした。学位が欲しいというよりも、目的があっての大学入学で、神道文化を学べる國學院大學を目指すことにしたのです。
ところが私は高校を中退していたので、ちゃんとステップを踏んで、高卒認定を取ろうと決意。でも8科目取得の高卒認定は、大学受験の勉強よりもしんどかったです。いきなり8科目を勉強するより、時間をかけても、自分に成功体験を付けながら1つ1つクリアにしていく方法で挑戦することにしました。
というのも高卒認定受験は、1回で8科目合格できない場合、不合格科目については1単位でチャレンジが可能だったからです。それで苦手だった数学は1度では合格は無理と考え、最初から勉強して、2回目か3回目で受かるように予定するなど、気持ちが落ちないように計画的に受験しました。
塾に行きたかったのですが、大抵塾は夕方オープンで、子供が家にいる時間と重なります。それで早稲田大学の学生さんの家庭教師に週3回来てもらっていました。約2年の猛勉強ののち合格したときは嬉しかったですね。高校を卒業していないことが知らず知らずのうち自分の中でコンプレックスになっていて、それを乗り越えた喜びを合格した瞬間に感じました。
45歳で希望通り國學院大學に合格し、4年間学びました。大学での時間は、これまで神社祭祀に参列したり、また赤米神事での経験や活動などを踏まえて、あれはそういう意味だったのかなど答え合わせのようで、裏付けが証明されていく4年間でした。より理解が深まり、本当に楽しかった。
でも、私は学びたいことが明快だから熱がありますが、同級生はまだ何を研究するのか迷っている状況。ゼミ内でも意欲に相違があり、学び足りないと感じ、より学びを深めるため、大学院に行くことを決意しました。
院での一学期を終えての感想は、学部の4年間はなんてことなかったと思うほど大変で。2年間で修士論文を提出する必要があり、深さも量も自分は圧倒的に足りていないことに、いま愕然としています(笑)。
復学してみて、自分の目的が明快で、大人になって学んだほうが有意義なのではと思いました。やりたいこと、学びたいことが自分の中から生まれたとき、「復学」は人生の強い味方になってくれると実感しています。
何よりも、私はすでに歌手活動でキャリアを積んできたので、他人から注意されたり、指摘されたりすることもない年齢に差し掛かっています。でも学問の世界では、下っ端。批判も指摘もしてもらえることがとても刺激的です。それによって新しい自分に気づけるから。そういう刺激こそが、好奇心を失わないでいられる源でありアンチエイジングだと思います。
知らない場所に行く、知らない人と学ぶ、初体験する……未知のことって、年齢を経てから早々ないですよね。ラクな道を選択したり、登場人物もあまり変わらない日々になってしまう。私も然りでした。でも、人生の折り返し地点に入ったからこそ、知らない自分に出会える経験をあえてしてみたかった。人生は欲張りでいいのかなと思います。1つしか道を選べないと決まってるわけではないし、やってみたいことがあれば、たとえ中途半端になったとしてもいいじゃない!って自分自身で思っています。やらずに後悔するほうがずっと辛いし、何よりも人生は中途半端でも大歓迎!そのプロセスに意味があるのだと思います。
撮影/Nobuki Kawarazaki ヘアメーク/RYO 取材/安田真里 編集/浜野彩希
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