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【小池百合子さん】闘う都知事「コスメは仕事スイッチを入れる美しい鎧です」

都民のために日々尽力を注ぐ小池百合子東京都知事。生まれつきの顔のアザがきっかけで、子供のころは初対面の方への気遣いがストレスだったと語る小池都知事を変えてくれた運命のコスメがありました。化粧をすることで仕事のオン・オフのスイッチが入り、戦闘モードへと切り替わるかけがえのないコスメを、多忙ななかお時間をいただいて教えていただきました。

ヒールを履く、リップを引く、香りを纏う……コスメは美しい女の鎧、つけることで戦闘モードに

私自身はあっけらかん、なのです。目の下にあるあざは生まれつきなんですが、本人は見えないから気にもしていないのです。何よりも嫌だったのは、初対面の方に「痛くないの?」「殴られたの?」「どうしたの?」って必ず聞かれること。「生まれつきで、あーで、こーで」と答えるのが子どもながらに面倒でした。私は気にしていないのに、周りが気にするのが気になるという感じでした。

母は何とか治したい一心で、物心ついた頃から大学病院で、アイソトープという放射線治療を受けていました。当時、「幼稚園はどこ?」と聞かれると、「大阪大学医学部です」と答えていたくらいで。でも、人体への安全性がまだ確立していない時代でしたから、主治医から「女の子だからお化粧で隠したら?」と、カバーマークのファンデーションを紹介してくださったのです。しかしまだ小学生でしょ?子どもがお化粧して学校に行くのってどうなの?と「化粧」という言葉が引っ掛かりました。

結局、つけ始めたのは中学生になってからでした。すると嘘みたいに綺麗にあざをカバーしてくれるのです。そのうち大人になって、お化粧も始めて、毎日のルーティンの1つになりました。

何よりよかったのは初対面で最初の質問がなくなり、随分気が楽になったこと。このファンデは私にとってまさに運命のコスメ、生涯の友です。コンシーラーよりカバー力があり、サッと塗って、お粉で押さえるだけとシンプルなのもいい。長年、テレビでキャスターを務めましたが、技術革新の波がテレビ業界にも押し寄せるように。つまり、アナログ放送からデジタルに変わり、肌の毛穴まで見えるようになるというのです。「迷惑だ」って思いました(笑)。その直後にクレ・ド・ポー ボーテから新発売されたパウダーファンデーションはお高いけれど、毛穴を隠すと聞き、テレビに出る時はさらに重ねるようになり、20年以上になります。

メークは私にとっては嗜み、かつ「仕事するぞ」の喝が入ります。ヒールを履く、リップを引く、香りを纏う、も仕事感があります。とはいえ、マスク生活になってから、記者会見でマスクを取ったら、うっかり口紅を忘れていたことが何回かありましたね。要はメークってオンとオフの切り替えなのですね。

私の場合、オンとオフのスイッチはあるけれど、メモリが付いていないのが困ったもの(笑)。徹底して仕事しすぎがたたり、ひと月ほど徹底してお休みしましたが、久しぶりに登庁する朝、メークした瞬間に「さあ、また頑張ろう!」と戦闘モードにスイッチが入りました。

先日、2年連続でフォーブスの「世界で最も影響力のある女性100人」に選ばれました。有難いことです。日本はね、女性参画と叫ばれていながら世界の中では最下位に近いんです。残念ですよね。1期目の都知事選の最中に、男性政治家の方にメークに関して悪口も言われましたが、その人の能力の部分と外見の美しさが相まって、両方で武器になる日本社会になってほしいと心から願っています。

《Profile》
’52年兵庫県芦屋市生まれ。’76年カイロ大学卒業後はアラビア語通訳を務め「ワールドビジネスサテライト」などでキャスターとして活躍。’91年政治家に転身し、環境大臣、内閣府特命担当大臣、’07年女性初の防衛大臣を務める。’20年2期目の東京都知事に就任。

このファンデーションがストレスだった初対面の気遣いから解放してくれました

「カバーマーク ベーシック フォーミュラは女性としても政治家としてもなくてはならないファンデーション」。医学的に消しにくいあざや傷跡をカバーする化粧品として誕生しました。

「この辺りにあるんですよ」。しっとり潤った色白美肌も手伝って美しく綺麗に隠れています。洗面所に取り付けた5倍の拡大鏡で毎日メーク。「すごくよく見える。怖いくらいね(笑)」

小池都知事の運命のコスメを紹介します

左・毛穴も隠すクレ・ド・ポー ボーテ タンプードルエクラはテレビ出演時などに重ねます。右・生涯の友、カバーマーク ベーシック フォーミュラは一塗りであざをカバーし、長時間崩れない優れもの。デパートで購入します。

左・マスクにはAROMASTICKERSを貼って癒されているそう。右・10年前に空港で出合って以来、纏っているクリニークのケーレックス。今は日本では販売終了に。「ネットで見つけてどうにか入手しています」。

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2022年『美ST』3月号掲載
撮影/中村和孝 ヘア・メーク/Sai 取材/安田真里 編集/漢那美由紀

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