PEOPLE
2月1日に60歳の誕生日を迎えた布袋寅泰さん。記念すべき20枚目のオリジナル・アルバム「Still Dreamin’」をリリースしたばかり。アーティスト活動40周年を経た今も果敢に挑戦し続け、活動を広げている布袋さんですが、今も変わらずチャレンジを続けられる秘訣とは…?そして錆びない自分のつくり方とは? アルバムに込めた思いから60代のこれからに至るまで、人生の先輩として、たっぷりとお話を聞きました。
〈Plofile〉
群馬県高崎市出身。ロックミュージシャン、ギタリスト。伝説のロックバンド、BOØWYのギタリストを経て1988年にソロデビュー。アトランタオリンピック閉会式での演奏や映画「KILL BILL」のテーマ曲提供など、世界的に活躍。2021年は東京パラリンピック開会式でのギター演奏で世界を沸かせ、年末にはNHK紅白歌合戦初出場を果たすなど、常にトップギタリストとして走り続ける。2012年夏にロンドンへ移住。今年2月1日に還暦を迎えたばかり。
昨年デビュー40周年を迎えて、ドキュメンタリー映画の制作や東京パラリンピック開会式でのパフォーマンスにも参加させていただきました。そして、これまでにも20代の頃からの「夢」をいくつか叶えることができました。ここまで来るには挫折もありましたが……それを乗り越えて過ごしてきた40年を振り返ったとき、ここまでやってこられたのは「少年の頃からの夢を追い続ける」という思いを変わらずに持ち続けていたからだと感じています。
僕は未だに10代の頃に描いた「ギターとともに自分の音楽で世界中を旅したい」という夢を持ち続けていて。長いキャリアによって色々なこと・ものを手に入れたように見えるかもしれないけれど、実際はそういうことではなく…今もなお夢を追いかけているから活動しているんですよね。そんな気持ちでドキュメンタリー映画につけたタイトルが「Still Dreamin’-布袋寅泰 情熱と栄光のギタリズム」。40周年をコロナ禍という、こんな予期せぬ状況の中で迎え色々な制限がある状況ですが、一歩前に踏み出す勇気を与えるような……そんな音楽とメッセージを伝えたいと「スティル=今もなお、さらに」という言葉に思いを込めて制作しました。
朝から聴けるアルバムでしょう? 表現するにあたって「ハッピーになる音楽」を心がけました。実は40年のキャリアの中でも「ハッピー」をテーマにアルバムを作ったことってなかったんです。なので他の作品と比べても聴きやすいと思います。色んなタイプの曲が入っていますが、基本的にポジティブなメッセージのあるアルバムに仕上がりました。一歩軽やかに踏み出せるような、女性にも楽しんでいただけるアルバムです。
「挫折」って結局は「自分という壁」ですよね。僕も…曲作りやパフォーマンスにおいて、自分が足踏みしていて従来の殻から抜け出せない、そう思って悩んだ時期もありました。結局、戦うのは自分自身なんです。何かを成しえた時に「よくやった、自分!」と思うとともに「いや、ここまでじゃないだろう?」と、そこからもう一歩先に進もうとする意志、好奇心や向上心は忘れないようにしたいです。
60歳を迎えるということには正直、軽くショックな部分もあります(笑)。でも、急に何かが変わらないところが嬉しくもあり、「これでいいのかな?」ってちょっと申し訳なく感じる部分もあります。
自分が20~30代の頃は、40代や50代、ましてや60代なんてイメージできなかったよね。「大人になりたくない、歳は取りたくない」って若い頃は思ってた。今でも、もちろんいつまでも美しくハツラツとしていたい、という思いもありますよ。でも実際、60の声を聞くとあんまり変わらなかったです。
まあでも、20歳の頃の自分が60歳になった今の自分を見たら「随分おおらかになって落ちついて見えるな」って感じるんでしょうね。「好きなものはギターと音楽」、それは20歳も今も変わらないけれど。
みなさんも60歳にならないと分からないかもしれないけれど、寂しいと思う気持ちもあるんですよ。60歳って、人生を四季で例えたら夏は過ぎて、秋も初秋ではなく深まった晩秋ですから。でも、人生を深く楽しめる、シンプルなことにも思いを馳せ、じっくり自分と向き合っていろんなことを楽しめる季節になったなという気はしています。
(※少年時代、地元高崎のレコードショップに飾ってあった鋤田氏撮影のT・レックスのポスターに衝撃を受けたことが、ギターやロックにのめり込むきっかけに。その鋤田氏が今回、40周年記念アルバムのジャケットを撮影)
彼の写真に14歳の僕は光を感じて、ギターを始めたといっても過言ではないので…60歳を記念するアルバムのジャケットをその写真家に撮っていただく、しかも自分がロックスターとして彼のファインダーに収まる……本当に感無量でした。鋤田さんは現在83歳。撮影時はこみ上げてくるものがありました。
自分にもたくさん後輩世代がいますが、若いと思ってた後輩がもう50歳とかで「結構おっさんじゃん!」って(笑)。次の世代を応援していきたいし、そういう人たちにとって、ポジティブで影響力のある存在になりたいと思っています。
ワールドツアーという大きな目標はずっとあって。コロナ禍により少し止まってしまっているけれど……絶対的な自分の夢としています。その夢があったからこそ生まれた曲もあるので、そこはずっと追い続けていきたい。
自分の可能性を「夢」という言葉で未来に投げて、それを追いかける、そうすると年代関係なく、自分らしくいられるんじゃないかな。
幸運なことに自分が一番好きなもの、音楽とギターと人生を共に過ごしてこられたので……僕が自分らしくいれたのはいつもそばにギターがあったから。
活動の中で一番大切にしているのは「ステージ」です。ステージで輝き続けるためには若くいたいというのとはちょっと違うんですけれど。常に自分を磨き、研ぎ澄ませながら自分のスタイルを更に追求して完成させていきたいですね。
我が家も娘が今年やっと20歳を迎えます。読者さんと同世代である妻の美樹さんも、子育てのために歌手生活を少し制限して、母としての時間を優先させている時期があったので……すごくよく分かります。
今回のアルバムのタイトルでもある「夢」っていう言葉は、口にしてしまうと責任が伴ったり、少し重い、高い目標を立てなければいけないものだと思いがち。でも、そんな大きなことより、目の前の小さなこと、好きなことからスタートした方がいいと思います。例えば旅でも、いきなり遠くに行くのではなく、近場でお出かけしてみる、とか。その小さな一歩が大切なんです。
夢=大きな目標と決めつけると苦しむ過程もイメージしてしまいがち。でも、小さなことを見つけて少しずつ叶えられると楽しい。それだけですごいことなんです。
●撮影裏話
撮影に現れた身長187㎝の布袋さん。そのオーラにスタッフは圧倒され、緊張してしまいましたが…1人1人目を見ながら、挨拶してくださいました(感動…)。インタビューも一つずつ丁寧に答えてくださり、冗談も交えながら終始和やかムード。夢を持って挑戦し続けるマインドは現役そのもの。今は後輩にとって布袋さんの存在が「夢」なのではという問いに、「自分にもたくさん後輩世代がいますが、若いと思ってた後輩がもう50歳とかで、結構おっさんじゃん!って(笑)。次の世代を応援していきたいし、そういう人たちにとって、ポジティブで影響力のある存在になりたいと思っています」とおっしゃっていました♡
2月1日、60歳の誕生日に記念すべき20枚目のオリジナル・アルバム『Still Dreamin’』が発売に。アーティスト活動40周年を経た今もなお夢を追い続ける、現在進行形の布袋寅泰が放つ新たなマスターピースの誕生が話題に。
発売形態はCDのみの通常盤のほか、2021年10月23日と24日に出身地であるホーム・タウン、群馬県高崎市のGメッセ群馬にて開催された40周年ツアーの模様を収録した2枚組ライブCD、前述の豪華60Pフォトブックレット、スペシャルメモリアルグッズが追加された3面デジパック+スリーブケース仕様の初回生産限定60th Celebration Editionも同時発売。
・初回生産限定60th Celebration Edition
【3CD+60Pフォトブックレット+グッズ】(3面デジパック+スリーブケース仕様) 6,600円(税込)
・通常盤
【CD】3,300円(税込)
※〈初回生産限定60th Celebration Edition〉と〈通常盤〉初回プレス分には
、応募抽選特典企画シリアルナンバーを封入。
5月7日(土)群馬・高崎芸術劇場より全国ツアーがスタート。
初のドキュメンタリー映画「Still Dreamin’ -布袋寅泰 情熱と栄光のギタリズム-」が劇場にて公開中。
監督:石田雄介
制作:東北新社
配給:東宝映像事業部
コピーライト:©「2022 Still Dreamin‘」 製作委員会
●布袋さん衣装
スーツ¥522,500シャツ ¥127,600 ベルト¥99,000 靴¥132,000 ポケットチーフ¥33,000(すべてブルネロ クチネリ/ブルネロ クチネリ ジャパン)
●問い合わせ先
ブルネロ クチネリ ジャパン株式会社 03-5276-8300
撮影/福本和洋 メイク/原田 忠(資生堂) スタイリスト/井嶋一雄(Balance) 取材/安西繁美 編集/千田真弓
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2024年12月16日(月)23:59まで
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2024年11月14日(木)23:59まで
2024年11月16日(土)23:59まで